治療中の問題

私が入院したことにより、子供の幼稚園への送り迎えを両親に頼むことになりました。両親の労働についての補償はあるのでしょうか。
傷害の程度や内容、子供の年齢、家庭の状況を具体的に検討し、付添の必要性が認められれば、監護費用として認められることがあります。判例上、認められる場合は日額3000円前後となっています。
事故で入院を余儀なくされました。家族が入院中付き添ってくれたのですが、それに伴う交通費や家族の休業については補償されるのでしょうか。
傷害の内容や程度等により、必要かつ相当と判断された場合には入院付添費(原則日額6500円)や交通費が認められます。医師の指示があったり、幼い子の場合には、認められやすくなります。なお、休業の補償が認められなくても、お見舞いのための交通費が認められることはあります。
医師から入院するかどうかは患者の意思に任せると言われました。入院しても大丈夫ですか。
基本的には問題ありません。ただ、後で保険会社が入院の必要性がなかったとして入院費の支払を拒むかもしれません。そのため事前に保険会社に連絡をとり、入院する旨を伝えておくべきでしょう。
松葉づえが必要と言われたのですが、松葉づえ代は請求できますか。
医師が必要と判断したのであれば、請求できます。カルテなどに、医師が松葉づえを必要だと考えた理由を記載しておいてもらうと良いでしょう。
入院したいのですが、個室は使用できますか。
個室使用料は怪我の程度や治療内容などに応じて医師が必要と認めた場合のみ認められます。そのため、まずは医師に相談して、個室の使用が必要であるとの診断書を作成してもらうといいでしょう。
警察に堤出する診断書の作成を医師にお願いしたところ、全治1週間と書かれました。1週間以降は治療できないのですか。
一般的に怪我をした直後は治療の見通しがはっきりしないため、「全治1週間」など短期間での全治と書かれることが多いようです。実際に治療をしていくなかで、最初の見通しより治療に時間がかかるという医師の判断があれば、1週間以降も治療は続けられます。
受傷後3ヶ月くらい経ったころ、保険会社から治療費を打ち切ると言われました。身体が痛く、まだ治療したいのですが、どうすれば良いですか。
保険会社から治療費を打ち切られてしまった場合、症状が残存しているのであれば、健康保険に切り替えて通院されることをお勧めします。事案にもよりますが、症状が残っている場合、事故から半年程度は通院を継続して、経過を見た方がよいと思います。なお、症状固定(もしくは完治)まで健康保険利用で立て替えた治療費の支払いに関しては、後日、保険会社と交渉することになります。
整形外科で健康保険を使おうとしたのですが、交通事故の場合は使えないと言われました。本当ですか。
労災事故、通勤災害を除いて、制度上は、交通事故の場合でも健康保険は利用できます。ただし、病院によっては、健康保険を利用することを拒むことがあります。健康保険を利用して通院を考えている場合は、あらかじめ病院に問い合わせ、健康保険を利用できるか確認されることをお勧めします。
むち打ちで数ヶ月治療していますが、中々改善しません。MRI撮影をして欲しいと医師に言ったのですが、医師に必要ないと言われてしまいました。どうすれば良いでしょうか。

MRI撮影の結果、何かしらの異常所見が得られれば、それが交通事故によって生じたものではなくても、症状の裏付けとして、損害賠償請求時に役立つ場合があります。主治医が協力してくれない場合でも、MRIの撮影だけやってくれる病院がありますので、そちらで撮影されるのはいかがでしょうか。ただしその場合、MRI撮影の費用は被害者の自己負担になるかもしれません。

医者から症状を聴かれた際、痛いのですが、つい「良くなってきてる」と言ってしまいます。問題ないでしょうか。
治療を受けることで症状が改善しているのなら、そのとおりお伝えになって問題ございません。 しかし、改善している実感がないのに、良くなってきていると伝えるのは問題があります。本当は改善していないにもかかわらず、カルテ等の記録には改善しているという記載がなされ、治療費の早期打切りや、後遺障害認定上、不利になる恐れがあるからです。