過失相殺

加害者が自分は一切悪く無いと主張し、任意保険会社もそのように対応しています。自賠責保険もそのような主張を前提に過失割合を決定するのでしょうか。
自賠責保険においては、過失割合に疑義が生じた場合、双方に事故状況等問合せを行い、現地調査等を行う場合もあります。その結果、自賠責が独自に過失割合を判断します。
自賠責から回収できる金額には過失相殺がされないと聞きました。本当なのでしょうか。
被害者に7割を超える重大な過失がある場合は、過失割合によって減額されて支給されます。
物損で不本意な過失割合で示談してしまいました。人身も同じ割合でしか示談できないのでしょうか。
人身について別の過失割合で示談をすることはできます。ただ、裁判になってしまった時は、物損の過失割合に同意したことを不利な事実として主張されてしまう可能性はあります。
自転車に二人乗りをしていて事故に遭いました。加害者に対して損害賠償請求する際、私も悪いと言われてしまうのでしょうか。
自転車の二人乗りが禁止されていることや、同乗者にも運転者の危険運転を制止するチャンスがあること等の事情にかんがみると、同乗者にも過失があると言われてしまう可能性があります。したがって、加害者に対して損害賠償請求する際には、過失相殺されてしまう(こちら側も悪いと言われてしまう)可能性があります。もっとも、加害者に対する請求ができないわけではないので、注意してください。
事故の加害者が無免許でした。このことは今後の賠償上、何か影響がありますか。
実務的には、過失割合を算定する際には、『別冊判例タイムズ16号』を参照しています。その中では、無免許運転の事実は、無免許運転者の過失を加重する事情(「重過失」)として挙げられています。ただし、無免許運転自体が事故発生の原因ではなく、運転技術が乏しかったことが事故の原因になるのだと思います。したがって、その事案に即して、無免許運転者にどういった落ち度があったのかを具体的に主張する必要があります。極端な話、無免許運転であったとしても、運転技術にまったく問題がなかったのであれば、無免許運転の事実だけから「重過失」を導くことはできない可能性もあります。
事故の加害者が飲酒運転をしていました。このことは今後の賠償上、何か影響がありますか。
過失割合の算定や、慰謝料の算定に影響する可能性があります。具体的には、飲酒運転があれば「重過失」に該当するため、加害者の過失割合を大きく認めさせることができます。また、悪質運転である以上、慰謝料額を大きくする方向に働く可能性があります。
信号の色に争いがあります。私の主張を認めてもらうには、今後どのように対応すれば良いでしょうか。

信号の色を巡る争いは証明が困難な場合が多いケースです。
例えば、あなたの信号が青で相手の信号が赤だった場合、あなたの信号が青であったということをあなた自身が証明しないといけません。
目撃者やドライブレコーダー、現場近くの防犯カメラなど何かしらの物的証拠があればすぐに証明が可能ですが、そういったものがないと、あなたがいくら青色を確認して交差点に進入したとしても、後になってそれを証明するのはとても難しくなります。
しかし、直接の証拠がなくても、相手方の主張の矛盾を突いたり等で主張を認めさせることも可能なケースもありますので、まずは一度ご相談ください。

一時停止を無視して大怪我をしてしまいました。このように私の過失が高そうな場合でも補償は受けられるのでしょうか。
例えば、直進車対直進車で一時停止を無視してしまった場合の一般的な過失割合は20:80となり、一時停止を無視した側に大きく過失がかかります。 そのような場合、相手に対しては損害の20%を請求することが可能です。 つまり、相手に過失が少しでもあればあなたの過失が大きくとも補償を受けることは可能です。 ただし、あなたに過失が大きいことで相手から「補償はしません」と言われてしまう可能性もあります。 「ついうっかり」ということは日常ではよくあるお話ですが、それが高い代償に繋がらないとは限りません。 一時停止はしっかりしましょう。
事故に遭いましたが、相手方が私の方が過失割合が高いと言って治療費を払ってくれません。どうすれば良いですか。
まず、通勤災害や業務災害の場合は、労災保険(一般企業等)又は公務員災害補償基金(公務員等)により、また、ご自身が被保険者となっている自動車保険に「人身傷害補償特約」が付帯されている場合は、同特約から治療費が払われる可能性がありますので、ご確認されることをお勧めいたします。 それ以外の場合は、ご自身の健康保険を利用して病院で受診し、基本的には病院窓口で立替を行った上で、相手方の自賠責保険会社へ立替治療費を請求することとなります。
実況見分に立ち会っていません。今後問題はないでしょうか。
過失割合を決定する上で、警察が作成する実況見分調書は重要な証拠の1つとなります。 相手方の言い分のみが反映された実況見分調書しかない場合、実際の事故態様は異なっていたとしても、「本当の事故態様は違っている」旨の主張・立証を行うことは相当な困難を伴います。 従いまして、事故態様に食い違いがありそうなケースにおいては、しっかりと警察にご自身の主張を行い、実況見分に立ち会うようにして下さい。