治療中の問題

後遺障害が残らなかった場合にも、自賠責保険の請求はできるのでしょうか。
傷害による損害について120万円を限度として自賠責保険の請求ができます。 傷害による損害とは、積極損害(治療関係費、文書料その他の費用)、休業損害及び慰謝料です。
保険会社に治療費を打ち切られましたが、まだ治療したいです。加害者本人に治療費を直接請求しても良いですか。

基本的には治療費の支払いは保険会社が行っています。加害者に直接治療費を請求しても、恐らく支払ってはくれないでしょう。また、あまりに加害者本人への連絡を続けると、加害者に弁護士がついてしまう場合があります。この場合は、弁護士を通してしか話ができないことになります。

完治していないのに治療費を打ち切るっておかしくないですか。
お気持ちは分かりますが、賠償の実務上、完治まで治療費が支払われるとは限りません。ただ、治療を受けてはいけないという事ではありませんので、主治医の先生と相談して、治療の効果が上がっていれば、治療を継続されることをお勧めします。その際は、加害者に請求できるとは限りませんので、健康保険等を使い、治療費を抑えるべきでしょう。
相手方の保険会社が治療費を打ち切ってきました。今から労災保険に切り替えることはできないのですか。
労災保険への切替は可能ですが、治療費を出すか否かは、所轄の労基署(労働基準監督署)の判断次第となります。つまり、打切りの時期にもよりますが、もうすでに症状固定の時期であると労基署が判断すれば、治療費の負担をしてもらえない可能性もあります。まずはお近くの労基署にご相談されることをおすすめします。
保険会社から治療費を打ち切られました。そのことにより症状固定の診断を受けなければならないのでしょうか。
治療費の打切り=症状固定ではありません。 症状固定とは、治療をしても良くも悪くもならない状態であり、保険会社の治療費の支払(一括対応)期間と一致するものではありません。 症状固定の判断は、医学的には、お客様の症状を見て、医師が判断するものです。 打切りの時期にもよりますが、その時点での症状、医師の見解等を踏まえ、自費にて通院を継続するかどうか検討してください。 (保険会社は医療照会によりあなたの症状の経過を見たうえで判断している可能性もありますから、よく医師に確認してください。)
症状固定と診断された後も病院に行ってもいいのですか。
行っていただいてかまいません。 症状固定後の治療費に関しては、原則として相手方から回収することはできませんが、後遺障害の残存を立証するためなどに必要となることもあるので、領収証はきちんと保管しておいてください。
症状固定後は治療費をみてくれないと聞きましたが、保険会社から後遺障害診断書を書くように言われました。書いてもらわなければならないのですか。
通常、症状固定後の治療費は相手方に請求することはできません(一部の重度後遺障害を除きます)。 治療費は支払われませんが、後遺障害が認定されると、後遺障害慰謝料、逸失利益を加害者に請求することができます。これらの費目は、傷害慰謝料と並んで賠償金の費目の中でも大きなものですし、今後の治療費に充てることもできます。そういった意味でも等級の認定を受けることは大切ですから、是非医師に後遺障害診断書を作成していただいてください。 もっとも、症状固定日のタイミングが適切か否かはしっかり見極めましょう。
保険会社は症状固定と主張して治療費打ち切りを言っているのですが、ドクターはまだ治療しないといけないと言っています。ドクターの指示に従い、自費で治療を続けた方が良いですか。
症状固定の判断を行うのは主治医であり、保険会社ではありません。 治療を続けるかどうかは、その時点での治療期間、医師の意見等により判断が異なります。ただし、 仮にお客様のお怪我が頚椎捻挫等の場合で、治療期間が半年に満たない場合は、後遺障害認定を視野に入れて、症状が残っているのであれば、主治医と相談のうえ半年間は通院した方が良いでしょう。 その場合の治療費用は一旦自費で立替えていただくことになります。 健保を使うか自由診療とするかは、時期、自賠責の傷害枠の残りがいくらあるか、お客様の経済状況等にもよりますので、担当弁護士、スタッフとよくご相談なさってください。
仕事に復帰したいのですが、復帰すると治療を続けられなくなると聞きました。本当ですか。
痛み等の症状があり、主治医が治療の継続が必要と判断している限りは、仕事に復帰しても治療を継続することができます。お身体が一番ですが、復帰により収入源を確保することも重要です。頃合いを見て、お仕事に復帰されることをお勧めします。
治療費は、相手方の保険会社から支払ってもらっていますが、私が契約している保険からもお金が出るようです。これを貰うと相手方に対する請求額が変わってしまうのでしょうか。
見舞金等であれば、請求額から控除されないため、請求金額は変わりません。保険金の費目によっては、相手方に対する損害賠償額から控除されますので、相手方に請求できる金額が変わってくることがあります。一度、ご契約の保険の担当者に聞いてみるとよいでしょう。