労災保険

自賠責と労災の後遺障害認定の基準は同じですか。
認定基準は基本的には同じですが異なるところもあります。仮に同じ基準の後遺障害であっても、自賠責と労災ではその制度趣旨、審査主体、審査方法が異なるため、現実に認定される後遺障害等級に差異が出ることがあるのには注意が必要です。
過去に労災で後遺障害の等級が認定されています。自賠責の後遺障害の認定に影響はありますか。
直接の影響はありません。但し、過去に労災で後遺障害として認定された症状等につき、自賠責保険においても「障害」と認定されれば、それは既存障害となります。
労災保険に対する請求権に時効はありますか。
あります。一定の期間行使しないでいると時効により権利は消滅します。 請求する種別によって、時効の起算日や時効が完成する年数は違いますので注意が必要です。 例えば、療養給付金は、療養に要する費用の支出が具体的に確定した日の翌日から2年で時効が完成します。
労災と自賠責の両方から後遺障害の等級が認定されました。労災が認定されない場合と比べて、今後の損害賠償請求の額に影響はありますか。
労災の後遺障害が認定されたことにより、金銭の支給があった場合、その費目にもよりますが損害賠償額から支給金の分が引かれてしまうことがあります。ちなみに、自賠責と労災が異なる等級を出してきた場合、保険会社も裁判所も自賠責の等級を重視することになります。
労災と自賠責の等級申請、どちらを先行したほうが良いですか。
法律上、定めはなく、特にどちらでも構いません。ただし、自賠責は症状固定から3年、労災は症状固定から5年で時効にかかります。
労災と自賠責と同時に後遺障害の申請ができるのですか。
労災にも自賠責にも画像を提出する必要があります。そのため、画像をそれぞれに用意できれば、同時に申請することは可能です。
労災で後遺障害の等級が認定されました。自賠責でも同じ等級が出ますか。
労災と自賠責は同じ基準を使って後遺障害の認定をしています。しかし、認定する機関が異なり、着目する要素も異なります。そのため、同じ等級が出るとは限りません。
労災に後遺障害の申請をした場合、直接医師に診てもらえるのでしょうか。
労災の担当医と面談はあります。ただ、直接医師に診断をしてもらえるわけではありません。
相手方の保険会社が治療費を打ち切ってきました。今から労災保険に切り替えることはできないのですか。
労災保険への切替は可能ですが、治療費を出すか否かは、所轄の労基署(労働基準監督署)の判断次第となります。つまり、打切りの時期にもよりますが、もうすでに症状固定の時期であると労基署が判断すれば、治療費の負担をしてもらえない可能性もあります。まずはお近くの労基署にご相談されることをおすすめします。
労災の症状固定の時期と自賠責の症状固定の時期は、違っても良いのですか。
違ってもかまいません。ただ、損害賠償請求をする際は、裁判所がどちらかの症状固定日を認定することになると思われます。