病院へはタクシーで通い続けても良いですか。
タクシーによる通院は必要性、相当性が認められた際に認められます。一般的に公共交通機関を利用するよりも、高度の必要性が求められています。そのため、常に認められるわけではなく、症状などにかんがみ、タクシー利用が相当な場合にのみ、タクシー代の賠償を求めることが可能となります。
搬送された病院で入院することになったのですが、個室を使用することは可能でしょうか。
個室を使用するようにとの医師の指示があった場合や、個室を使用する特別の事情(たとえば、病状が重篤であったり、空室がなかったりした場合等)があった場合には、個室使用料の賠償を求めることも可能です。このような事情がない場合は、個室を使用したとしても自己負担となってしまう可能性があります。
事故後救急搬送されたのですが、診てくれたお医者さんが非常勤の先生で、専門外でした。大丈夫でしょうか。

その後も継続して治療を受ける必要がなるなら、紹介状をもらうなどして、専門の医師に診てもらう方がよいでしょう。そうしないと、専門外の医師の見解を前提に治療費の打ち切りをされてしまう可能性や、不利な後遺障害認定結果となってしまう可能性があります。

事故後救急車で搬送されましたが、自宅から遠くて通院が困難です。転院しても良いのでしょうか。
転院は可能だと思います。ただし、保険会社と相談した上で、できるならばドクターの紹介状を発行してもらった上で転院することが望ましいでしょう。
加害者から、50万円を渡され、これで終わりにして欲しいと言われました。受け取っても良いのでしょうか。
一般的には、望ましくないと思います。50万円という金額が適切なものであるかは不明ですし、最悪の場合、受け取った後に重大な後遺障害が生じることもあるためです。まずは、その金額が妥当なのか等を専門家に相談すべきでしょう。
加害者が全く謝ってくれません。裁判をして、謝らせることはできますか。
加害者の意思に反して謝罪を強制することはできません。ただし、話合いで解決できる場合には(示談交渉や裁判上の和解)、和解の条件として謝罪を求めることも可能ですし、加害者がそれに応じれば、実際に謝罪してもらうことも可能です。
事故の加害者が無免許でした。このことは今後の賠償上、何か影響がありますか。

実務では、過失割合を算定する際には、『別冊判例タイムズ38』を参照しています。その中では、無免許運転の事実は、無免許運転者の過失を加重する事情(「重過失」)として挙げられています。ただし、無免許運転自体が事故発生の原因ではなく、運転技術が乏しかったことが事故の原因になるのだと思います。したがって、その事案に即して、無免許運転者にどういった落ち度があったのかを具体的に主張する必要があります。極端な話、無免許運転であったとしても、運転技術にまったく問題がなかったのであれば、無免許運転の事実だけから「重過失」を導くことはできない可能性もあります。

事故の加害者が飲酒運転をしていました。このことは今後の賠償上、何か影響がありますか。
過失割合の算定や、慰謝料の算定に影響する可能性があります。具体的には、飲酒運転があれば「重過失」に該当するため、加害者の過失割合を大きく認めさせることができます。また、悪質運転である以上、慰謝料額を大きくする方向に働く可能性があります。
会社への通勤途中に交通事故に遭いました。この場合でも、健康保険は使えますか。
その場合、通勤災害として労災保険が使える場合は、健康保険法55条1項により、健康保険は使えません。そのためお客様が自営業者であるような場合を除き、健康保険ではなく、労災保険を使用して治療を受けることになります。
仕事中交通事故に遭いました。この場合でも、健康保険は使えますか。
労災保険から給付を受けられる場合には、健康保険から給付を受けることができません(健康保険法55条1項)。 今回のように、仕事中に交通事故に遭って負傷した場合は、業務災害(労働者が業務を原因として被った負傷等を言います。)にあたり、労災より保険給付を受けることができますので、健康保険を使用することはできません。