相手方からの補償

保険会社の担当者が、私の症状についてあれこれと聞いてきます。答えなければならないのでしょうか。
答える義務はありませんので、教えたくないことは答えなくても良いです。もっとも、治療経過等、保険会社の現状把握に必要な項目については答えていただいた方が、円滑に進む場合もあります。ただし、その場合も、保険会社の担当者の誘導に乗って、実際の症状よりも軽く言わないよう注意する必要があります。
保険会社の担当者が、高圧的で精神的に辛いです。担当者を変えてもらうことはできるのでしょうか。
保険会社に連絡をすれば、変えてもらえることもあります。もっとも、あくまで保険会社側の任意によるものであり、法的に担当者を変えることはできません。
保険会社から送られてきた同意書にサインしたくありません。何か問題はありますか。
サインをする義務はありませんが、同意書がなければ、保険会社が病院から診療情報を得ることができないため、治療費が支払われない可能性が高いです。治療費の支払いを保険会社に求めるならば内容をご確認の上、提出することをお勧めします。
保険会社から同意書が送られてきました。私の診療情報を保険会社に提供することについて同意するという内容が書かれています。これにサインして問題ないでしょうか。
保険会社が治療費の支払いをするに際して必要なものですので、基本的には問題ありません。 書面の内容を確認の上、サインしてください。
私が入院したことにより、子供の幼稚園への送り迎えを両親に頼むことになりました。両親の労働についての補償はあるのでしょうか。
傷害の程度や内容、子供の年齢、家庭の状況を具体的に検討し、付添の必要性が認められれば、監護費用として認められることがあります。判例上、認められる場合は日額3000円前後となっています。
加害者から、50万円を渡され、これで終わりにして欲しいと言われました。受け取っても良いのでしょうか。
一般的には、望ましくないと思います。50万円という金額が適切なものであるかは不明ですし、最悪の場合、受け取った後に重大な後遺障害が生じることもあるためです。まずは、その金額が妥当なのか等を専門家に相談すべきでしょう。
加害者が全く謝ってくれません。裁判をして、謝らせることはできますか。
加害者の意思に反して謝罪を強制することはできません。ただし、話合いで解決できる場合には(示談交渉や裁判上の和解)、和解の条件として謝罪を求めることも可能ですし、加害者がそれに応じれば、実際に謝罪してもらうことも可能です。
事故の加害者が無免許でした。このことは今後の賠償上、何か影響がありますか。

実務では、過失割合を算定する際には、『別冊判例タイムズ38』を参照しています。その中では、無免許運転の事実は、無免許運転者の過失を加重する事情(「重過失」)として挙げられています。ただし、無免許運転自体が事故発生の原因ではなく、運転技術が乏しかったことが事故の原因になるのだと思います。したがって、その事案に即して、無免許運転者にどういった落ち度があったのかを具体的に主張する必要があります。極端な話、無免許運転であったとしても、運転技術にまったく問題がなかったのであれば、無免許運転の事実だけから「重過失」を導くことはできない可能性もあります。

事故の加害者が飲酒運転をしていました。このことは今後の賠償上、何か影響がありますか。
過失割合の算定や、慰謝料の算定に影響する可能性があります。具体的には、飲酒運転があれば「重過失」に該当するため、加害者の過失割合を大きく認めさせることができます。また、悪質運転である以上、慰謝料額を大きくする方向に働く可能性があります。
助手席にいたところ事故に遭ってしまいました。運転手か相手方のどちらを交渉先にすればよいでしょうか。
どのような状況で事故に遭われたかによりますが、例えば追突な事故を起こした原因が相手方にある場合には相手方を交渉先にするのがいいでしょう。 しかし、交通事故の発生の一因が同乗の車の運転手にもある場合には、その運転手にも交渉をすることができます。そのため、事故の状況によっては、運転手と相手方のどちらも交渉先にすることが可能です。