事例137:高次脳機能障害の被害者の成年後見人選任までサポート。死亡後はご遺族の相談にのり、適切な賠償金を獲得

Rさんは、70代の夫と二人で老後を静かに暮らしていました。ところがある日、Rさんの夫は道路を横断中に自動車にはねられ、脳挫傷等の重傷を負って高次脳機能障害が生じてしまいました。Rさんの夫は食べることも自由にできなくなり、寝たきりになってしまいました。子供もなく、ずっと夫と二人三脚で生きてきたRさんにとっては、とても辛い日々が始まりました。

そんな中、Rさんは、加害者側任意保険会社との交渉やいろいろな手続に不安を感じ、サリュにご相談にいらっしゃいました。サリュは、賠償交渉にとどまらず、関連する諸手続もお手伝いするためRさんからご依頼を受けました。

まずサリュは、Rさんの夫の判断能力がかなり低下していたことから、今後の賠償交渉をスムーズに進めるためには後見人を付ける必要があると判断しました。そこで家庭裁判所に後見人選任審判を申し立てました。それと並行して、後遺障害認定を受けるため、後遺障害診断書やそれを補強する資料の作成等の手続も進め、自賠責に対して後遺障害の申請(被害者請求)をしました。

ところが、Rさんの夫は治療の甲斐なく事故から2年余り経って亡くなりました。
後遺障害診断書は、後遺障害等級1級が見込まれる内容でした。自賠責からは、死亡の場合3000万円、後遺障害等級1級の場合4000万円を上限として支払われます。Rさんの夫が亡くなる前に被害者請求の手続をとっていましたので、自賠責は後遺障害の判断をし、等級1級として4000万円が支払われました。

続けてサリュは、Rさんの夫の相続人を確定する作業、全国各地から戸籍謄本等を取寄せる作業を行い、相続人はRさんのほかは、夫のご兄弟だけであることが確認できました。サリュでは、ご兄弟との間で遺産分割の話し合いをするようRさんに勧めました。そして、Rさんがご兄弟と話し合った結果、ご兄弟は皆さん相続放棄し、Rさんが唯一の相続人となりました。そのため、Rさんは自賠責から支払われた4000万円全額を受け取ることができました。

Rさんの夫は高齢で、年金で生活していましたので、逸失利益等の算定額が大きくなく、損害全体が4000万円を超えませんでした。つまり、自賠責の4000万円で損害がすべて補われたことになります。しかし、加害者側任意保険会社は、それとは別に治療期間に対応する慰謝料等300万円余りを支払いました。

さらにサリュは、Rさんに代わり夫名義の財産の名義変更や預貯金解約等の相続手続を行いました。

Rさんは、いろいろ面倒な手続にわずらわされることなく全ての手続を終えることができ、サリュに依頼して良かったとおっしゃって下さいました。