事例96:胎児死亡の慰謝料について、裁判所で高額な慰謝料を認めさせた
出産予定日を約2か月後に控えたOさんは事故に巻き込まれました。衝突の衝撃でハンドルに腹部を強打したOさんは救急搬送されましたが、お腹の赤ちゃんを助けることはできませんでした。また、Oさん自身も長期の通院を要する怪我を負いました。
赤ちゃんの誕生を心待ちにしていたOさん一家やOさんご夫婦のご両親は皆、悲嘆に暮れました。そこでOさん達は、加害者を相手取って裁判を起こすことを決意し、サリュを訪れました。
サリュでは、Oさんの怪我の治療と並行して刑事裁判の記録・病院のカルテ等の治療記録を取得するなどして、事故や治療の状況の分析を行いました。その上で、慰謝料等を請求する訴訟を提起したのです。
赤ちゃんの誕生を心待ちにする気持ちは、その赤ちゃんが、自分の子であろうが孫であろうが兄弟であろうが、変わりません。サリュは、加害者の不注意により、我が腕に赤ちゃんを抱く、赤ちゃんと一緒に遊ぶという楽しみを一瞬にして奪われた家族の悲しみ・苦しみを評価するよう、裁判所に強く求め続けました。
また、加害者側からは、Oさんの過失についても主張がありましたが、事故態様の分析を活かして反論を行い、加害者の主張を跳ね除けました。
その結果、裁判上での和解ではありましたが、Oさんらの慰謝料に関する主張を汲みつつ、慰謝料としては総額850万円、合計約1100万円の賠償責任が認められました。