事例86:高次脳機能障害|約8000万円の提示を裁判で1億9000万円に増額

相談にいらっしゃったYさんのお子様であるAさんは、事故当時小学生で集合場所に集まる際に道路を横断しようとしたところ、Aさんに気付くのが遅れた加害車両に衝突されてしまいました。

Aさんは、上記事故の結果、外傷性くも膜下出血、広範囲脳挫傷、左上腕骨骨折、右下肢骨折等の重傷を負ってしまいました。

その後、1年以上に亘り治療を続けたものの、高次脳機能障害による嚥下障害、構音障害、排泄機能障害、四肢体幹失調等の後遺障害が残存してしまいました。

結果として、Aさんには自賠責で後遺障害1級1号などの認定がされました。
当初Yさん自身で相手方の保険会社から8000万円強の賠償案の提示を受けていましたが、その金額が妥当なのか不安もあったため、インターネットでサリュを調べてご相談に来ていただきました。

サリュは、Yさんとの法律相談の中で、Yさんが今回のAさんの事故に適用できる人身傷害保険特約に加入していることを伺いました。

サリュは、今回の事故では、Aさんにも過失があるため、人身傷害保険から保険金をうまく受領することによって、Aさんの過失分についても十分な賠償を得られると判断し、まずYさんが加入している人身傷害保険会社に7000万円(自賠責保険金4000万円を含む)の請求をした上で、加害者に対し、残額を請求する訴訟を提起しました。

訴訟においては、Aさんの将来介護費用が主な争点となりました。
サリュが代理人となる前の示談交渉では、保険会社から月額10万円程度で、合計2300万円の将来介護費の提案を受けていましたが低額にすぎ、正当な金額ではありませんでした。

そこで、サリュが訴訟においてYさんら家族による実際の介護状況等に鑑み、将来における介護の必要性を強く主張しました。

裁判所における和解案においては、Aさんが養護学校に通学している間は1日当たり5000円、その後Aさんの親であるYさんが67歳となるまでは1日当たり8000円、その後については1日当たり1万8000円とされ、サリュが代理人になる前の3倍、合計で7800万円程度の将来介護費が認定されました。

将来介護費以外についても大幅に増額し、人身傷害保険金から受領した7000万円を控除した上で、更に加害者から1億2000万円程度支払われることになりました。

サリュへ依頼する前は8000万円強であった賠償額が、最終的に合計して1億9000万円に増額したことになり、Yさんらご家族の皆様に感謝のお言葉をいただきました。