事例61:高次脳機能障害 将来の介護費に過失割合 難題山積も示談交渉により解決

Bさん(30代・男性・会社員)が、自転車に乗車し交差点に進入したところ、黄色信号で交差点に進入してきた加害車両に衝突され、Bさんは、脳挫傷、急性硬膜外血腫、頭蓋骨骨折等の傷害を負い、合計約9か月間の入院と1年半の通院を余儀なくされました。

Bさんは、怪我が大きく、記憶障害等の症状が見受けられたことから、今後について、不安を抱いたご家族が、サリュに相談に来られました。

サリュは受任後、Bさんが、高次脳機能障害の診断を受けていたことから、高次脳機能障害に関する書類も添付したうえで、後遺障害等級申請を行い、高次脳機能障害について、3級の認定を受けました。

示談交渉においては、将来の介護費、過失割合等が主な争点になりました。
将来の介護費については、当初、相手方は一切認めない旨の回答をしてきました。
サリュは、将来の介護費を一切認めないことは、Bさんの現在の生活状況等を考慮しておらず妥当でないと考え、将来の介護費を認めさせるべく、Bさんの症状について、医師への医療照会を行ったり、保険会社の担当者に直接Bさんに会っていただく等して、Bさんの窮状を訴えました。
その結果、相手方は、将来の介護費を一定額支払う旨の回答をしてきました。
過失割合については、Bさんには事故時の記憶がなく、刑事記録や過去の裁判例からすると、Bさんには、30%の過失が認められてもやむを得ない状況でした。もっとも、交差点に進入してきた際、相手方が速度超過であったっことを踏まえ、Bさんの過失割合を、25%とすることで話がまとまりました。

Bさんのご家族からは、自分たちの力では、満足いく解決を得ることはできなかったと思いますと感謝のお言葉をいただきました。