事例354:逸失利益について、労働能力喪失率14%、労働能力喪失期間10年に加え、その後67歳までの27年間についても労働能力喪失率を5%として交渉。事前提示賠償額600万円から、1200万円まで増額した事例

 Aさんは、交通事故により、脳挫傷、急性硬膜下血腫のお怪我(端的に表現すると、脳に傷を負った状態です。)を負われました。
 Aさんのこのお怪我は事前認定手続きにより12級13号に該当する後遺症と認定されたものの、加害者側任意保険会社が提示してきた賠償金額は600万円と、Aさんの今後の生活に及ぶ影響を考えると僅少なものでした。
 Aさんはその金額にどうしても納得がいかず、弊社にご相談に来られました。

増額に向けてのポイント

 主なポイントとなったのは、逸失利益でした。逸失利益とは、後遺症が残ることによって、労働能力が減少するために将来生じるであろう収入の減少のことです。
 この逸失利益について、加害者側任意保険会社は、Aさんに認知障害や人格変化等がないため(脳挫傷があった際、高次脳機能障害を起こしていないかを判断するための要素です。)、影響が残るといえど10年程度であろうとの考えで計算をしていました。
 しかし、Aさんは、医師から今は問題なくても、将来的にてんかん等を発症する可能性を示唆されており、将来の生活に不安を抱えておりました。
 私達はその点を粘り強く交渉し、最終的には67歳までを稼働就労終了時期と解し、症状固定後10年間に関しては事前の提示通り労働能力喪失率を14%として計算し、その後67歳に至るまでの27年間に関しては、労働能力喪失率を5%として計算し、逸失利益を勝ち取ることができました。
 最終的に賠償金額は1200万円にのぼり、Aさんには大変ご満足いただけました。
 
 加害者側任意保険会社の算出する賠償金額は、弁護士が基準とする算定根拠により算出する賠償金額より安い場合があります。交通事故に遭われた方で、加害者側任意保険会社の提示額に納得がいかないという方は、ご相談いただければどの程度の増額が見込めるかなどのアドバイスが可能です。お気軽にご相談いただけますと幸いです。