事例233:自動車事故から1か月後に肺炎で死亡。医師との連携で因果関係の証明に成功。

70代の男性Gさんは、夕飯の買い物をして、介護を必要とする妻の待つ自宅へ帰る道すがら、道路の横断中に自動車に轢かれる事故に遭いました。Gさんは転倒し、頭部を路面に打ち付け、脳挫傷の大怪我を負ってしまいますが、自分が帰宅しなければ、寝たきりの妻を介護する人がいなくなってしまうとの強い想いで、周囲の制止を振り切って帰宅します。

しかし、その数日後、Gさんは、帰省した息子さん(Aさん)に、自宅で意識を失って倒れているところを発見され、緊急入院となりました。約1ヶ月後、Gさんは、意識が回復しないまま、肺炎に罹患し、帰らぬ人となってしまいます。

息子のAさんは、Gさんの入院中にサリュの無料相談に訪れました。Aさんは、元気だったGさんが突然の交通事故で倒れ、深い悲しみに暮れているところで、保険会社とのやりとり等煩雑な事務に煩わされたくないというお気持ちでしたので、Aさんと共に保険会社と戦っていくため、サリュがお力添えすることになりました。

Gさんの場合、上記の事情で、事故直後の受診がなく、受傷から死亡に至るまで約1ヶ月ほど期間が経過していました。さらに死因が肺炎ということで、交通事故による直接の外傷が死因ではなかったため、サリュでは、示談交渉において因果関係が否定される可能性を懸念しました。そこで、サリュは、交通事故との因果関係を立証するため、判例調査を行った上で、まずは主治医と面談し、交通事故がなければ、肺炎は発症しなかったと判断してもらいました。また、Gさんの死体検案をしてもらった医師からも交通事故と死亡の因果関係を肯定する意見書を作成してもらい、示談交渉に備えました。

Gさんは、生前、奥様を介護しつつ、家事全般をこなしていたため、男性の家事従事者として逸失利益の請求を立てるとともに、Gさんは年金受給者でもあったため、年金分も併せて逸失利益の請求を立てました。逸失利益とは、本来得られるべきだったにもかかわらず、この事故によって得られなくなってしまった利益のことをいいます。

示談交渉では、サリュの事前準備と粘り強い交渉が功を奏し、因果関係を認めさせるとともに、上記逸失利益も含めサリュの請求をほぼ認めてもらい、訴訟に至ることなく約3000万円で示談交渉をまとめることができました。

Gさんが自らの怪我も省みず帰宅したのは、妻のために普段通り夕食の買い物をして帰宅しようとした夫としてのGさんの姿です。大怪我を負ってでも、なんとか妻の元に帰ろうとした夫婦の絆です。奥様が頼れる人はGさんしかいなかったのです。Gさんもそれをわかっていたからこそ帰宅したのです。Gさんの気丈なふるまいが原因で、賠償における因果関係を否定されるようなことがあってはいけないという気持ちからサリュは因果関係の立証に全力で取り組みました。Gさんの無念を晴らし、夫婦の絆が否定されるなんてことがないように。

サリュは、被害者のお気持ちや依頼者の思いを受け止め、最大限のお力添えをさせていただきます。

法律論の前に立ちはだかるのは人の気持ちです。それを汲み取れてこそ、真のリーガルサービスが提供できると考えています。

依頼者のお気持ちに沿い、最善のご提案をさせていただきます。まずはご相談ください。