事例232:加害者の一時停止違反を証明。人差指の可動域制限の事案で約2000万円で和解。

営業職の会社員Cさんは、バイクに乗って外回りの営業をしていたところ、信号機のない十字路交差点で、交差道路を左から直進してきた乗用車に衝突されました。

Cさんは、強い衝撃ではね飛ばされ、顔面部打撲、人差し指と足(左腓骨)の骨折という重傷を負いました。そして、後遺障害はどの程度残ってしまうのか、また、適正な賠償を受けられるか不安に思い、サリュの無料相談にこられました。

サリュでは、Cさんが適正な賠償をしっかり受けることができるように事件をお手伝いすることになりました。

Cさんは、1か月強の入院生活を含む約半年間の治療を余儀なくされましたが、顔にはアザが残り、人差し指には可動域制限が残ってしまいました。

サリュはまず、Cさんに残ってしまった後遺障害を適正に評価してもらうため、自賠責保険に後遺障害の申請をしていくお手伝いをしました。

後遺障害を自賠責保険で適正に評価してもらうためには、医師に後遺障害診断書の内容を適切に記載してもらう必要があります。

医師は、医療の専門家ですが、後遺障害の評価については専門家ではないため、後遺障害診断書の記載が必ずしも十分でないことがあります。今回も、最初に作成してもらった後遺障害診断書では記載が不十分で、適正な後遺障害等級が認定されない恐れがあったため、医師と連絡を取り合う等して後遺障害診断書を修正してもらいました。

その結果、人差し指の可動域制限で12級、顔面部に残ってしまった傷跡が醜状障害として12級と評価され、併合11級が認定されました。

サリュでは、認定された後遺障害等級を基にCさんの適正な損害額を算出し、保険会社と示談交渉に入りましたが、それまで問題になってなかった過失割合と、逸失利益の考え方につき保険会社と折り合いがつかず、金額としても大幅に開きがあったため、裁判をすることになりました。

裁判では、示談交渉時、折り合いがつかなかった過失割合と逸失利益が主な争点になりました。

逸失利益は、後遺障害により将来にわたるお仕事上の支障(減収等)をあらかじめ填補してもらうための賠償費目ですが、Cさんの人差し指の可動域制限について、どの程度仕事に支障が生じているかをCさん本人から丁寧に聴取し、反論書面を作成しました。

過失割合については、刑事記録上、相手方が一時停止をしたことになっていましたが、車両の速度、バイクの損傷箇所・損傷の程度などを詳細に検討し、刑事記録に記載されている相手方の主張には無理があることを説得的に立証していきました。

その結果、裁判所は、刑事記録とは異なり相手方が一時停止をしていないとの認定をして、逸失利益についてもサリュの主張をほぼ全面的に認め、後遺障害についての慰謝料も通常の裁判所の基準よりも高く認定してくれました(合計約2000万円で和解成立)。

上記金額での和解が成立した旨をCさんに伝えると、Cさんは何度も何度も感謝を伝えてくれました。

Cさんは、まさに働き盛りの年齢でしたが、今回の事故のせいで、部署移動となり、減収してしまったため、育児やマイホームのローン等将来設計が大幅に崩れてしまいました。Cさんと打ち合わせをする際にも、ことあるごとに自分の人生はこんなはずじゃなかった、とやりきれない想いと悔しさを滲ませていました。しかし、和解が成立したことで、少しはCさんの将来に対する不安を取り除くことができたと思います。

交通事故は、時として被害者の人生を狂わせてしまいます。

サリュは、そんな被害者の不安を少しでも取り除き、適正な賠償金を受け取ってもらうことで、金銭的なものだけではなく、被害者の失ってしまったものを少しでも多く取り戻したいと思っています。