事例224:赤字申告(自営業)であった被害者の休業損害と逸失利益が訴訟で認められた

Aさんは、事故当時、自営業兼アルバイトに従事していまいた。
赤信号で停車していたところ、後ろから自動車に追突され、頚椎捻挫、腰椎捻挫、右肩関節捻挫、左大腿部筋挫傷などを受傷しました。
事故から約7ヶ月半後、Aさんは、治療を続けていましたが、今後のことが気にかかり、サリュへ相談に来られ、事件の解決を依頼されました。

サリュでは、それまでの治療経過や症状の推移などを把握し、Aさんと話し合いながら、事故から約8ヶ月経過した時点で「症状固定」をし、後遺障害等級認定の手続きをとりました。その結果、頚部と腰部の神経症状で併合第14級が認定されました。
その後、サリュでは相手方保険会社と示談交渉を進めましたが、相手方保険会社は、Aさんが赤字申告をしているため(アルバイトで得ていた収入は無視し)、休業損害は発生しておらず、逸失利益も認められないというスタンスで、最終回答として130万円の提示を出してきました。

サリュは、この回答には承服しかねると判断し、Aさんの了承を得て、裁判をすることにしました。訴訟において、相手方は「Aさんの治療経過からして、そもそも休業の必要性に疑義があるから、アルバイトで得た収入の休業損害は認められないし、アルバイトを辞めたことと事故との因果関係はない。また、Aさんは赤字申告していたのだから、自営業者としての休業損害も逸失利益もない。」との主張を展開してきました。
サリュでは、Aさんの治療経過を丹念に精査し、アルバイトの休業の必要性とアルバイトを辞めたことと事故との因果関係を丁寧に主張しました。
また、逸失利益については、事故前3年間と事故後2年間の自営業の申告内容を分析し、その内容とAさんのそれぞれの年度の仕事の状況を詳細にまとめ、主張しました。

裁判所は、サリュの主張立証を受け止め、Aさんの休業損害および逸失利益を認める判断を示し、裁判所の和解案として250万円の提示を出し、相手方保険会社も渋々これに応じました。

Aさんは、示談交渉の際に相手方保険会社が提示した賠償額と比べ、約2倍の賠償額を受け取る結果となり、大いに満足して下さいました。
サリュでは、赤字申告をしていたからといって休業損害や逸失利益はないなどと安易に考えず、その方の申告内容と当時の仕事の実態を正確に把握することに努め、交通事故に遭われた被害者の損害を少しでも回復されるよう、日々努力を重ねています。