事例207:ペットによる醜状障害。調停により1.5倍に慰謝料が増えた。

Mさんは近所の同じ犬に2回噛まれるという悲劇に見舞われました。
1回目の受傷は当事者間で示談をし、飼い主に対して鎖できちんとつないでおくように求めたものの改善されない中での2回目の受傷でした。
顎に2か所の深い傷を負った痛みとまったく誠意のない飼い主の対応によりMさんの日常から笑顔が消えました。Mさんは2回目の受傷後、サリュを訪れました。

Mさんの顎には見るからに痛々しい傷がくっきりと残っていました。これまでの経緯をお伺いして、治療を続けながら飼い主の対応をみていくことになりました。
飼い主は治療費とごくわずかの慰謝料をもとに債務確認調停の申立をしてきました。Mさんは、サリュの相談を受けながら、ご自身でその調停に臨まれましたが、その調停において想定外のストレスを味わうことになったのです。
それは、信頼をおけるものと認識していた調停委員の対応に対する不信感でした。
調停委員は第1回の調停において、いわゆる「赤い本」の基準をベースにして損害額を算定すると明言されたのに、第2回の調停では「赤い本」の基準は取れないと180度方針を覆すなどといった迷走する姿勢に対する不信感でした。
そのような不信感を抱いた中、相手方の弁護士から解決金の提示がありました。
その話を聞いたサリュは、このままではMさんの苦しみは伝わらないと考え、調停の途中より代理人として全面的に支援することにしました。

サリュでは、Mさんの損害は飼い主が主張しているものにとどまらないと考えましたので、資料をそろえ、入通院慰謝料、休業損害、後遺障害慰謝料を算定し、飼い主に適正と思われる損害額の提示をしました。
後遺障害慰謝料については、自賠責の認定がなされていたわけでなかったのですが、顔面部3センチメートルの線条痕として12級相当の後遺障害ということを前提に算定しました。
サリュより具体的な提案を示したことで、その次の調停期日では建設的な話し合いがもてました。Mさんに言わせれば、サリュが代理人として全面的に支援するようになったことで、調停の雰囲気も一変したとのことです。
サリュが調停に出頭したことで、結果として相手方弁護士からの提示額の1.5倍の金額での和解となりました。

Mさんは金額面での納得よりも、いつになったら終結するのか先が見えない状況にあったものが、サリュを通したことで迅速な解決へと導かれたことに対して満足されていました。
Mさんは顔の痛み、飼い主の不誠実な対応、調停委員への不信感という苦しみで日常から笑顔が消えてしまったとおっしゃられましたが、サリュの客観的かつ迅速な処理と被害者に親身に寄り添う姿勢に厚い信頼と親近感を抱くようになられました。
事件終了のご挨拶をしたときに「サリュのファンになりました。勤務先の同僚にもサリュのこと話しているんです」と言われたときのMさんの笑顔はたいへん印象的でした。