事例14:死亡事故|1人で戦ってきたご遺族を訴訟から支援し、納得のいく判決
Xさんは、加害者側の賠償案の提示に納得できず、仕事のかたわら、自ら勉強し、戦っていました。
Xさんがサリュに来られたのは、示談できないまま時間が経過し、加害者側より訴訟(債務不存在確認訴訟)が提起され、当初はご自分で答弁や主張をされていたものの、ご自分の主張を法律的に通すには、交通事故の専門弁護士に依頼する必要があると考えたためです。
サリュでは、丁寧に事情と希望をお聞きし、Xさんが、今まで長い間争ってきた根本的な疑問点(中間利息控除の問題点)を明確にし、それを裁判上の争点として主張することとしました。
当該論点は、近年の最高裁判決によって実務的には決着がついている問題と思われましたので、この点を説得的な争点として主張するために、サリュでは、弁護士とスタッフを挙げて従来の判例、論文等の文献を丹念に調査しました。
最高裁判決やその下級審判決を丹念に分析し、多くの実務家の先輩方、そして心ある裁判官、学者等の法律家が、Xさんと同じような疑問を抱いてきたことを学び、Xさんの熱意と、先輩方の熱意を引き継ぐという意味でも、最高裁判決の射程外と考える主張構成を取り、主張を展開することができました。
その一方で、当該争点以外でも、賠償案を増額させるための方策、例えば過失割合を争う、慰謝料増額を主張する(本件は、道路横断の事例であり、典型的には過失割合が発生しますが、刑事記録を検討し、加害者側の過失要素が大であることを主張しました。)、既払金の充当関係の主張をする等の方策は万全を期していました(反訴提起、本訴取り下げとなっている。)。
裁判では、Xさんの尋問を行ってXさんの心情を聞いたうえで判決を迎え、残念ながら、中間利息控除の点の主張は採用されませんでしたが、過失割合、慰謝料、充当関係については全面的に勝訴し、既払金を除いた3400万円を認める判決を勝ち取ることができました。
Xさんは、長年お父様のために闘ってきた事件に決着がつき、安堵されていました。
Xさんは、ご自分でも色々調べて加害者側保険会社と渡り合って来ましたが、訴訟の場では弁護士の力を借りて、自分の思っていることを力強く、そして格調高く主張していただいて、非常に助かったとおっしゃってくださいました。
私たちとしましても、依頼者の強い信念に導かれて、学ぶことの多かった事件となりました。