事例134:顧問医の協力で自賠責12級を獲得後、裁判で過失割合と逸失利益について丁寧に主張・立証した

Kさん(男性)は、原動機付自転車に乗って走行中、道路外の店に入るためふいに左折した前方走行中の自動車に進路を妨害されて衝突し、右足関節外果骨折及び頚椎捻挫等の傷害を負いました。

Kさんは、右足首や、頸から肩にかけての強い痛みがあり、リハビリ治療の必要がある状態が長く続きました。そうしたところ、加害者側の保険会社は、弁護士を間に立てて、一方的に治療費の支払いを打ち切ってきました。

保険会社とその弁護士の対応の不誠実さに憤りを感じたKさんは、サリュの無料法律相談にお越しになり、保険会社側の弁護士との対応や、後遺障害等級認定の申請、その後の損害賠償請求の示談交渉も含めて、ご依頼いただくことになりました。

ご依頼後、サリュでは、Kさんのお怪我について顧問の医師に相談し、適切な後遺障害等級認定が受けられるよう、後遺障害診断書作成時にアドバイスをしました。

その結果、自賠責の後遺障害等級認定にて、Kさんの右足関節外果骨折後の可動域制限(健康な左足関節の可動域の4分の3以下)につき、12級7号に該当するとの判断がなされました。

サリュは、上記の後遺障害等級認定結果をふまえ、Kさんの適正な損害額を保険会社側に請求しました。

しかし、これを受けた保険会社側の弁護士は、過失割合について、本来10%程度であるKさんの過失割合を、20%であると主張してきました。Kさんは重傷で、賠償額が高額になるため、10%の違いも大きく影響します。また、通院による慰謝料や逸失利益についても、不当に低く算定し、全体として約415万円というかなり低い金額を提示してきました。

そこで、サリュは、適正な損害賠償額を獲得するため、裁判所に訴えを起こしました。

裁判の中で、保険会社側は、示談交渉のときと同様に、過失割合、治療期間、逸失利益等について、Kさんにとって不当に不利な主張をしてきたうえ、医療記録を取り寄せて、カルテの記載に後遺障害診断書の記載と齟齬がある旨の指摘をしてきました。

サリュは、後遺障害診断書と一見矛盾するカルテの記載について、診断書を作成した医師と面談して説明を受け、意見書にしてもらい、矛盾しない旨の反論をしました。また、過失割合、治療期間、逸失利益の労働能力喪失期間等についても、適切な主張・反論を徹底的に突きつけました。

その結果、過失割合は10%、通院による慰謝料も請求どおりの金額、逸失利益も後遺障害等級の認定結果に応じた適正な金額で、全体として1130万円(自賠責保険金として別途224万円を受け取り済み)という裁判所の和解案どおりに和解が成立し、Kさんからも感謝のお言葉をいただくことができました。