事例118:左足小指の可動域制限。異議申立てで14級8号認定。裁判で賠償金増額
Kさんの左足の小指は、骨がついたあとも変形して十分動かせなくなってしまいました。Kさんの仕事は高い所に登ることが必要で、足の指が元に戻らなかったことで非常に不自由な思いをすることになりました。
ところが、Kさんは最初の後遺障害認定では、足の指の痛みは神経障害の後遺障害等級14級9号として認められたものの、動きにくくなった点については後遺障害が認められませんでした。今後のKさんの仕事にずっと影響が出ることは間違いないのに、損害賠償を請求するにあたって、神経障害の認定だけでは後遺障害の影響が及ぶ期間は原則として5年間しか認められません。
そこでサリュは、主治医の先生に怪我をした指が動く角度を正確に測り直してもらい、異議申立をして再度後遺障害の認定を求めました。その結果、Kさんの左足の小指について機能障害の後遺障害等級14級8号が認められました。
しかし、加害者側から示された示談の内容は、後遺障害の影響を6年間とするもので、賠償額は280万円に過ぎませんでした。この結果にKさんはもちろん、サリュとしても納得できるものではありません。
そこでサリュは訴訟を提起し、Kさんの後遺障害は、就労可能な67歳まで影響が出ることを前提として損害賠償を求めました。これに対し加害者側は、足の小指が動かなくても仕事への影響がほとんどないはずだ、影響が出たとしても5年程度だとして争ってきましたが、裁判所からは後遺障害の影響が67歳までの25年間であることを前提とした和解案が提示され、これをもとに420万円余りで和解が成立しました。
Kさんの大切な体の一部に残った後遺障害の影響を正当に評価してもらい、当初より大幅に増額した賠償金を得ることができて、Kさんにとっても納得できる解決となりました。