事例100:死亡事故で、示談交渉段階の保険会社主張の過失割合を裁判で覆した

Iさんはバイクで走行中、交差点で対向右折車と衝突し、不幸にもお亡くなりになられました。

ご遺族にとって、突然一家の柱を失った悲しみの中で、加害者との間の示談交渉に当たることは大変な苦痛を伴うものです。サリュは、Iさんのご遺族の事務的なご負担だけでなく、心情的なご負担も軽減するお手伝いをするため、示談交渉をお引き受けしました。

 ところが、示談交渉において、加害者が、『自分は、右折信号に従って交差点に進入したから、Iさんは、黄色か赤信号で交差点に進入していたはずだ。』といい、Iさんの過失が8割だと主張したため、双方が交差点に進入したときの信号の色が問題になりました。当然、Iさんのご遺族が、このような言い分に納得できるはずもなく、示談交渉は難航しました。

死亡事故においては、被害者が亡くなっていますので、事故の状況を証言することができません。加害者が事実と異なる自分に有利な証言をしても、それに異を唱えることができないのです。加害者の言い分がそのまま認められることになれば、ご遺族は悲しみの上に更に無念の思いを重ね、賠償金額も非常に低額になってしまいます。

そこで、サリュは、取り寄せた刑事裁判の記録から双方の走行速度を割り出し、事故現場の信号サイクルと照らし合わせるなど、客観的な情報を詳細に検討しました。そして、双方とも交差点に進入したときの信号は黄色だった、という確信を抱いたため、加害者との示談に応じることなく、これを裁判で主張しました。
その結果、裁判所から、信号の色は双方とも黄色で、Iさんの過失は 2割である、とする和解案を勝ち取り、その内容で和解することができました。

当初の加害者主張の過失割合とは全く正反対の過失割合で解決したことで、Iさんのご遺族が受け取る賠償金を大幅に増額させることができました。