保険会社に休業損害を否定されたら?「むちうちでも働けたはず」と言われたときの証明資料と対応
「首が痛くて仕事を休んだのに、“むちうちで休業は大げさ”と言われました」
「有給休暇を使ったので給与は減っていません。休業損害は請求できないのでしょうか」
「欠勤ではなく遅刻や早退、残業の減少だけでも損害として認められますか」
追突事故でむちうちや頚椎捻挫となると、長時間の運転、パソコン作業、荷物運搬、接客、夜勤などが難しくなり、欠勤・早退・業務軽減を余儀なくされることがあります。それでも保険会社から「骨折ではない」「医師から休業指示がない」「給与が減っていない」などの理由で、休業損害を否定されることがあります。
結論からいうと、むちうちという診断名だけを理由に休業損害が当然に否定されるわけではありません。確認されるのは、①事故によるけががあること、②その症状と仕事内容から休業・就業制限が必要だったこと、③実際に収入減少や有給休暇の使用、家事労働への支障などの損害が生じたことです。
一方、本人が休んだという事実だけで自動的に全日分が認められるわけでもありません。医療記録に就労への支障が残っていない、休業日と通院・症状の経過が合わない、事故前から欠勤が多い、勤務先の証明と給与資料が食い違うといった場合には争われやすくなります。
国土交通省の自賠責保険の支払基準では、休業損害は事故の傷害で発生した収入の減少を対象とし、有給休暇の使用や家事従事者も含むとされています。原則日額は6,100円で、これを超える収入減少を立証した場合には1日19,000円を限度に実額が支払われます。ただし、任意保険や裁判での算定は個別事情によって異なり、自賠責の基準だけで最終額が決まるわけではありません。
この記事では、休業損害の3要件、職業別の証明資料、有給休暇・遅刻早退・残業減少の扱い、否定されたときの対応、生活費が苦しい場合の請求方法を解説します。
この記事でわかること
- むちうちの休業損害で確認される3つの要件
- 「医師の休業指示」がない場合の考え方
- 会社員、自営業者、家事従事者、会社役員の証明資料
- 有給休暇、遅刻、早退、業務軽減、残業減少の扱い
- 保険会社が休業損害を否定しやすい理由
- 休業日と減収額を整理して再請求する手順
- 治療中に生活費が不足するときの選択肢
ケース別の読み方
会社員で休業損害証明書の書き方に悩む方は第4章、自営業者・家事従事者は第3章、有給休暇や遅刻早退が中心の方は第5章、すでに否定通知が来た方は第7章を確認してください。

この記事の監修者
弁護士 山田 洋斗
弁護士法人サリュ千葉事務所
千葉県弁護士会
交通事故解決件数 1,200件以上
(2025年9月時点)
【略歴】
2014年 明治大学法科大学院卒業
2014年 司法試験合格
2015年 弁護士登録、弁護士法人サリュ入所
【獲得した画期的判決】
【2021年8月 自保ジャーナル2091号114頁に掲載】(交通事故事件)
【2022年 民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準上巻(赤い本)105頁に掲載】
会社の代表取締役が交通事故で受傷し、会社に営業損害が生じたケースで一部の外注費を事故と因果関係のある損害と認定した事例
【弁護士法人サリュにおける解決事例の一部】
事例333:弁護士基準の1.3倍の慰謝料が認められた事例
事例343:相手方自賠責保険、無保険車傷害保険と複数の保険を利用し、治療費も後遺障害も納得の解決へ
事例323:事故態様に争いがある事案で、依頼者の過失割合75%の一審判決を、控訴審で30%に覆した
1. 結論|むちうちでも必要な休業は請求できます
1-1. 診断名だけで休業の要否は決まりません
むちうちでは画像上の骨折がなくても、首を動かせない、頭痛やめまいで集中できない、手がしびれて細かい作業ができない、運転時の後方確認が難しいといった支障が生じることがあります。仕事内容との関係で休業が必要なら、休業損害を検討できます。
たとえば、デスクワークで短時間の勤務が可能な方と、長距離運転や重量物運搬を行う方では、同じ症状でも就業への影響が異なります。傷病名ではなく、症状、診察所見、仕事内容、休業期間を具体的に確認します。
1-2. 休業日すべてが自動的に認められるわけではありません
医師から安静や就業制限を指示された期間、事故直後の強い症状で実際に勤務できなかった期間、治療のために早退した時間などは説明しやすい一方、症状が改善した後も漫然と休み続けた場合は必要性を争われることがあります。
休業期間中の診療録、通院状況、症状の推移、復職に向けた経過を残し、休業日と医学的状態が対応するようにします。
1-3. 給与が減らなくても有給休暇の使用は損害になり得ます
国土交通省の自賠責基準は、事故の傷害による収入減少に有給休暇の使用を含むと明記しています。事故がなければ別の目的に使えた有給休暇を消化したためです。
ただし、勤務先の休業損害証明書に有給使用日数が記載され、勤怠記録と一致していることが重要です。会社独自の特別休暇や給与補償がある場合は、その性質を確認します。
要点
「休んだ」という事実だけでなく、事故による症状→仕事内容上の支障→欠勤・減収という流れを資料でつなげます。
2. 休業損害で確認される3つの要件
2-1. 事故によるけががあること
まず、事故と傷病との因果関係が必要です。事故後できるだけ早く整形外科を受診し、事故日時、追突方向、症状の部位・強さを伝えます。初診が遅い、事故前から同じ症状がある、通院に長い空白がある場合は、事故との関係を説明する資料を追加します。

2-2. 休業・就業制限が必要だったこと
休業の必要性は、医師の診断・所見、症状、仕事内容、治療内容、事故後の経過から判断されます。診断書に「休業を要する」と書かれていないだけで直ちに否定されるわけではありませんが、休業が長期に及ぶ場合には、主治医へ仕事内容と支障を伝え、就業可否や制限を相談しておくことが重要です。
2-3. 現実の損害が生じたこと
会社員なら欠勤控除、日給・時給の減少、賞与・手当の減少、有給休暇の使用などです。自営業者なら売上や所得の減少、代替要員費、キャンセル損失などを確認します。家事従事者は現金収入が減らなくても、家事労働へ支障が生じたことを基礎に休業損害が認められる場合があります。
3. 職業別に異なる休業損害の考え方
3-1. 会社員・公務員
欠勤、遅刻、早退、有給休暇、減給、残業・夜勤手当の減少を確認します。月給が満額支払われても、有給休暇を消化した、賞与算定に欠勤が反映されたという損害が後から生じることがあります。
3-2. 自営業者・フリーランス
事故前後の売上だけでなく、経費、季節変動、仕事のキャンセル、外注費、代替人員費を確認します。売上が減っていなくても、家族や従業員が代わりに働いた、納期を遅らせたなど実態を説明する必要があります。
3-3. 家事従事者
専業主婦・主夫だけでなく、兼業で家事を担っている方も対象になり得ます。料理、掃除、洗濯、買物、育児、介護のうち、何ができず、誰が代わったかを具体的に記録します。
3-4. 会社役員
役員報酬は、労務提供の対価部分と利益配当的な部分が混在することがあり、減額の有無だけで休業損害が決まりません。役員報酬規程、株主総会・取締役会議事録、実際の業務内容、代替者の有無を確認します。
3-5. 学生・無職・就職予定者
事故時に収入がなければ通常の休業損害は生じにくいですが、アルバイト収入の減少、就職内定後の就労開始遅延、家事従事者としての実態など、個別事情を確認します。
4. 職業別にそろえる証明資料
| 職業 | 主な資料 | 補足資料 |
|---|---|---|
| 会社員・公務員 | 休業損害証明書、給与明細、源泉徴収票、勤怠 | 有休記録、就業規則、上司との連絡、シフト表 |
| 自営業者 | 確定申告書、青色申告決算書、帳簿、請求書 | 売上比較、予約キャンセル、代替要員費、取引先連絡 |
| 家事従事者 | 家事分担表、症状・生活記録 | 家族の陳述、外部サービス費、育児・介護記録 |
| 会社役員 | 報酬規程、議事録、法人決算書 | 実際の職務内容、報酬減額、代替者の資料 |
4-1. 休業損害証明書は勤怠・給与資料と一致させます
勤務先には、欠勤日、遅刻・早退時間、有給使用日、給与控除、賞与への影響を正確に記載してもらいます。証明書の内容が給与明細や勤怠と一致しないと、確認に時間がかかります。

会社が作成をためらう場合は、保険会社指定書式と記載例を渡し、事実の証明であることを説明します。本人が会社名義の証明書を作ることは避けてください。
4-2. 医療資料と仕事内容を対応させます
診断書の傷病名だけでなく、首の回旋制限、頭痛、しびれ、服薬の影響などが、具体的な業務にどう支障を与えたかを説明します。運転、重量物、長時間の画面作業、夜勤など、職務内容が分かる資料も役立ちます。
5. 有給休暇・遅刻早退・業務軽減の扱い
5-1. 有給休暇
事故のために有給休暇を使った日も、自賠責基準では休業損害の対象に含まれます。使用日数と理由を休業損害証明書、勤怠、休暇申請で示します。半日・時間単位の有休も、会社の制度と実際の使用時間を確認します。
5-2. 遅刻・早退・通院時間
欠勤しなくても、通院や症状のために遅刻・早退し、給与控除や時間給の減少があれば、その時間を整理します。月給制で控除がなくても、有休・代休の消化や残業機会の喪失がある場合は別途検討します。
5-3. 業務軽減・配置転換
同僚が重量物を代わりに持った、運転業務から内勤へ変更した、勤務時間を短縮したなど、給与にすぐ表れない支障もあります。休業損害として直ちに金額化できるとは限りませんが、後遺障害逸失利益や休業の必要性を説明する資料になります。
5-4. 残業・夜勤・手当の減少
事故前に恒常的な残業や夜勤があり、症状や就業制限で実施できず手当が減った場合、現実の収入減として検討できます。事故前の実績、事故後の勤務、会社の支給規程をそろえます。
6. 保険会社が休業損害を否定しやすい理由
| 保険会社の説明 | 主な争点 | 確認する資料 |
|---|---|---|
| 「むちうちで休む必要はない」 | 症状と仕事内容から見た休業の必要性 | 診療録、医師の所見、職務内容 |
| 「医師の休業指示がない」 | 医学的裏付け、休業期間 | 診断書、診察記録、相談経過 |
| 「給与が減っていない」 | 有給休暇、賞与・手当、将来の控除 | 勤怠、給与・賞与明細、就業規則 |
| 「休みが長すぎる」 | 症状推移、復職可能時期 | 通院経過、治療効果、復職記録 |
| 「事故前から欠勤がある」 | 事故による追加休業の範囲 | 事故前後の勤怠比較 |
保険会社に理由を尋ねるときは、「休業の必要性を否定しているのか」「減収額だけを争っているのか」「一部期間だけ認めないのか」を分けて確認します。
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7. 否定されたときの6ステップ
STEP1. 否定理由と対象期間を確認します
口頭で「認めない」と言われたら、理由、対象日、根拠資料をメールや書面で求めます。全期間か一部期間か、欠勤か有休か、日額か日数かを分けます。

STEP2. 休業・遅刻早退・有休を一覧にします
事故日から現在まで、日付、勤務予定、実際の勤務、通院、症状、給与控除を表にします。休日や事故前からの欠勤を混在させないようにします。
STEP3. 主治医へ仕事内容と就業支障を伝えます
「首が痛い」だけでなく、後方確認ができない、30分以上座れない、薬で眠気が出るなど具体的に伝えます。休業や段階的復職の必要性を相談します。
STEP4. 会社資料・収入資料をそろえます
休業損害証明書、給与明細、勤怠、源泉徴収票、有休記録、賞与明細を確認します。会社の記載ミスがあれば訂正してもらいます。
STEP5. 日額・時間・手当を計算します
基本給だけでなく、事故前に通常受けていた残業代、夜勤手当、賞与への影響を確認します。自営業者は売上ではなく所得・経費も考慮します。
STEP6. 医療・勤務・収入資料を添えて再請求します
資料番号を付け、事故による症状、休業の必要性、減収の流れを短い説明書にまとめます。保険会社が再度否定する場合は、理由書、紛争解決手続、訴訟を検討します。
8. 治療中に休業損害を受け取る方法
8-1. 任意保険会社へ途中請求を相談します
休業が長期化し生活費が不足する場合、最終示談前でも、確定した期間の休業損害を内払いしてもらえるか相談します。支払対象期間と計算を確認し、「最終示談」ではなく一部支払いであることを明確にします。
8-2. 自賠責の被害者請求
加害者側から賠償を受けられない場合、被害者が加害車両の自賠責保険会社へ直接請求できます。国土交通省は、総損害額が確定する前でも、限度額の範囲内で複数回請求できる場合があると案内しています。必要書類と時効を確認します。
8-3. 業務中・通勤中は労災保険
仕事中や通勤途中の事故では、労災保険の休業補償給付等を検討します。加害者側からの休業損害との二重取りはできず、給付と損害賠償の調整があります。勤務先・労働基準監督署へ相談してください。
8-4. 仮渡金制度
自賠責保険には、傷害の程度に応じ5万円、20万円、40万円の仮渡金制度があります。休業損害だけを精算する制度ではありませんが、当面の費用が必要な場合の選択肢です。
9. 自賠責基準・任意保険基準・裁判上の算定
9-1. 自賠責基準
国土交通省の案内では、休業損害は原則1日6,100円です。これ以上の収入減少を立証した場合には、1日19,000円を限度として実額が支払われます。有給休暇の使用、家事従事者も対象に含まれます。
9-2. 任意保険・示談交渉
任意保険会社は独自の算定や自賠責基準を基礎に提示することがあります。給与所得者で実際の減収が6,100円を超える場合、資料に基づく実額を請求します。家事従事者や自営業者は基礎収入の算定が争点になりやすいです。
9-3. 裁判上の算定
裁判では、事故がなければ得られたはずの収入を、証拠に基づき個別に算定します。固定給、残業・手当、賞与、自営業所得、家事労働などを検討します。休業の必要性・期間も争点になります。
10. 弁護士法人サリュの解決事例から分かる証明の重要性
以下の事例は、休業損害の証明と交渉が実務でどのように行われるかの参考になります。休業損害の期間・金額は傷病、仕事内容、収入、医師の判断、会社資料によって異なり、同じ結果を保証するものではありません。
解決事例は結果を保証するものではありませんが、証拠の集め方と交渉の進め方を知る具体的な手がかりになります。
10-1. 休業の必要性を否定された後、約1年間の休業損害を受け取った事例
事例305:頚椎損傷で7級4号認定、休業の必要性を認めさせた事例
事例の概要:頚髄損傷で両手のしびれが強く、溶接工の仕事ができなくなった方について、保険会社が休業の必要性を認めなかったものの、証拠資料を提出し交渉を継続した結果、事故から約1年間の休業損害を受け取った事例です。
本記事との関係:傷病の重さはむちうちと異なりますが、第2章・第4章で説明した「仕事内容・症状・減収を証拠でつなげる」必要性がよく分かる例です。保険会社の当初判断が資料と交渉で変わり得ることも参考になります。
10-2. むちうちで約1か月半の休業が生じ、治療と並行して手続を進めた事例
事例173:4か月で治療費打切りも、サリュが治療費対応を継続させ14級9号認定
事例の概要:停車中の追突事故で頚椎捻挫となり、症状のため仕事を約1か月半休まざるを得なかった方について、治療費対応の交渉、通院アドバイス、後遺障害申請を行い、14級9号が認定された事例です。
本記事との関係:むちうちでも仕事内容と症状によって休業が現実に生じること、治療経過と休業を同じ時系列で管理することの大切さが分かります。第7章のSTEP2(休業と通院の一覧化)の実例といえます。
10-3. 主婦の休業損害を、実通院日数の全てについて認めさせた事例
事例368:主婦の休業損害を、すべての治療期間で認められた件
事例の概要:駐車場内で停車中に衝突され、頚椎捻挫・右肩腱板損傷を負った主婦の方の事例です。事故によるけがで家事等の日常生活に大きな影響があったことを踏まえ、実通院日数の全てにおいて主婦業の休業があったと算定して請求し、交渉の結果、全ての実通院日数に関する主婦の休業損害が認められ、約210万円で示談に至りました。
本記事との関係:第3章で説明した家事従事者の休業損害の実例です。現金収入がなくても、家事への具体的な支障を説明できれば休業損害の対象になり得ることが分かります。
10-4. 本業を休めなくても、副業の休業損害が認められた事例
事例355:本業の休業がなくても、副業を全休し収入が減少。訴訟手続きにより、副業の休業損害の多くを判決で勝ち得た事例
事例の概要:追突事故で左肩関節挫傷等を負った方が、責任の重い本業は休めなかった一方、週3日行っていた副業を一切できなくなった事例です。保険会社は事故当初の1週間分しか認めませんでしたが、裁判でけがが副業に及ぼす影響を詳しく主張立証し、判決では約4か月半分の休業損害が認定されました。
本記事との関係:第1章で説明したとおり、「本業を休んでいない=休業損害なし」ではありません。症状と仕事内容の関係を具体的に立証すれば、副業分の損害も認められ得ることが分かります。
10-5. 夜勤手当の減少分を、勤務先への聴取と陳述書で立証した事例
事例371:夜勤ができなかった分の手当について、綿密な調査を行い、示談交渉で獲得した事例
事例の概要:衝突事故で頚椎捻挫・腰椎捻挫を負い14級9号が認定された方が、首と腰の痛みで夜勤対応ができなくなった事例です。事故前の夜勤状況の整理、勤務先上司へのヒアリングと陳述書の作成により、事故がなければ夜勤を行っていたことを立証し、休業損害に加えて夜勤手当分の請求が満額認められました。
本記事との関係:第5章で説明した「残業・夜勤・手当の減少」の実例です。認定されにくいとされる手当分も、事故前の実績と勤務先の協力による立証で認められ得ることが分かります。
解決事例を読むときの注意
解決結果は、事故態様、傷病、医療記録、年齢、仕事、相手方の対応などによって異なります。公開事例は対応の考え方を知る参考であり、同じ等級・金額・治療費の支払を保証するものではありません。
11. よくある質問
11-1. 医師の休業診断書がなければ請求できませんか?
必ずしもそれだけで決まりませんが、休業期間が長いほど医学的裏付けが重要です。主治医へ仕事内容と支障を伝え、就業可否を相談しましょう。
11-2. 有給休暇を使い給与が減っていなくても請求できますか?
自賠責基準では有給休暇の使用も休業損害に含まれます。使用日数・理由を勤怠や休業損害証明書で示します。
11-3. 通院のための早退だけでも対象ですか?
給与控除、時間給減少、有休使用など現実の損害があれば検討できます。早退日、時間、通院記録を一覧にします。
11-4. 休まず働いたので休業損害はありませんか?
欠勤や減収がなければ休業損害は生じにくいですが、残業・夜勤手当の減少、業務軽減による損失、後遺障害逸失利益は別に検討します。
また、本来休業することが相当であったにもかかわらず、被害者本人の特別の努力によって損害を回避したという事情が認められれば、実質的には損害が発生していたと評価して休業損害が認められる可能性は少ないですがあります。
11-5. 会社が休業損害証明書を書いてくれません
書式と記載例を渡し、事実証明であることを説明します。勤怠・給与明細等で補える場合もありますが、会社の証明が重要です。
11-6. 自営業で売上が減っていません
売上だけでなく、所得、経費、代替要員費、キャンセル、家族の代替労働を確認します。実損がなければ認められない場合もあります。
11-7. 家事従事者は現金収入がなくても請求できますか?
家事労働に現実の支障があれば休業損害が認められる場合があります。家事内容、支障期間、家族の補助を具体的に記録します。
11-8. 休業損害を受け取ると慰謝料が減りますか?
休業損害と慰謝料は別の損害項目です。ただし、自賠責の傷害限度額120万円の中では、治療費・休業損害・慰謝料等が同じ枠に含まれます。
12. まとめ|医療・勤務・収入の資料をつなげましょう
むちうちでも、事故による症状と仕事内容から休業が必要で、現実の収入減少や有給休暇の使用などが生じた場合には、休業損害を請求できます。診断名だけで否定されるものではありません。
一方、休んだ日数だけを示しても、休業の必要性や減収が確認できなければ争われます。事故後の早期受診、主治医への仕事内容の説明、勤怠・給与資料、会社の休業損害証明書をそろえましょう。
否定された場合は、何を争っているのかを確認し、休業日、症状、通院、給与減少を同じ時系列に並べて再請求します。
大切なポイント
休業損害は、医療資料だけでも給与資料だけでも足りません。事故による症状、仕事を休む必要性、現実の損失を一つの流れとして示しましょう。
| サリュは交通事故の被害者専門の弁護士事務所です |
![]() サリュは、被害者側専門の弁護士事務所です。 解決実績は業界トップクラスの26,000件以上あり、多くの被害者を救ってきました。 サリュには、経験豊富な弁護士が在籍しています。 本記事でお伝えしてきたとおり、車の損傷が軽いことを理由に、治療費や慰謝料が争われるケースは少なくありません。 「治療費の打ち切りを予告された」「提示された慰謝料が正当かどうか確かめたい」など、どのようなことでもかまいません。 治療費や慰謝料に不安を抱えている方は、ぜひ一度ご相談ください。 |
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