むちうちの通院交通費はどこまで請求できる?電車・自家用車・タクシー・家族送迎の扱い
「整形外科まで家族に車で送ってもらっています。ガソリン代は請求できますか」
「首が痛くて電車の乗換えが難しく、タクシーを使いました。全額認められますか」
「駐車場代や高速道路代、家族が仕事を休んだ分も通院交通費に含まれますか」
交通事故のむちうちで通院を続けると、電車・バス代、ガソリン代、駐車場代、タクシー代などが積み重なります。保険会社から交通費明細の提出を求められて初めて、領収書や経路を記録していなかったことに気づく方も少なくありません。
結論からいうと、事故によるけがの治療のために必要かつ相当な通院交通費は、損害として請求を検討できます。通院に要した「必要かつ妥当な実費」は損害として支払対象となり得ます。ただし、どの交通手段でも無条件に全額認められるわけではなく、症状、距離、地域の交通事情、通院先の選択、利用理由、実際の支出を確認します。
電車・バスは合理的な経路の運賃、自家用車は走行距離や駐車場・有料道路の必要性、タクシーは公共交通を利用しにくかった具体的事情、家族送迎は燃料等の実費と付添いの必要性を分けて整理します。家族が送迎のため仕事を休んだ場合も、その収入減が当然に全額認められるわけではありません。
この記事では、交通手段別の請求範囲、領収書がない場合の整理、家族送迎・付添費、通院交通費明細書の作り方、保険会社に否定されたときの対応を順番に解説します。
この記事でわかること
まずは、通院交通費の基本と交通手段ごとの違いを確認します。タクシー代を争われている方は第4章、家族送迎の方は第5章、明細をこれから作る方は第7章から読むと整理しやすいでしょう。
- 通院交通費が認められる「必要性・相当性」の考え方
- 電車・バス、自家用車、タクシーの請求資料
- 駐車場代・高速道路代が認められる場合
- 家族送迎の燃料費と、家族の休業損害・付添費の違い
- 遠方の医療機関へ通う場合に確認される事情
- 通院交通費明細書を作り、否定された費用を再請求する方法
ケース別の読み方
電車・バスが中心の方は第2章、自家用車で通院している方は第3章、タクシー利用の必要性を説明したい方は第4章、家族の付き添い・送迎がある方は第5章、すでに保険会社から一部否定された方は第8章を確認してください。

この記事の監修者
弁護士 山田 洋斗
弁護士法人サリュ千葉事務所
千葉県弁護士会
交通事故解決件数 1,200件以上
(2025年9月時点)
【略歴】
2014年 明治大学法科大学院卒業
2014年 司法試験合格
2015年 弁護士登録、弁護士法人サリュ入所
【獲得した画期的判決】
【2021年8月 自保ジャーナル2091号114頁に掲載】(交通事故事件)
【2022年 民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準上巻(赤い本)105頁に掲載】
会社の代表取締役が交通事故で受傷し、会社に営業損害が生じたケースで一部の外注費を事故と因果関係のある損害と認定した事例
【弁護士法人サリュにおける解決事例の一部】
事例333:弁護士基準の1.3倍の慰謝料が認められた事例
事例343:相手方自賠責保険、無保険車傷害保険と複数の保険を利用し、治療費も後遺障害も納得の解決へ
事例323:事故態様に争いがある事案で、依頼者の過失割合75%の一審判決を、控訴審で30%に覆した
1. 結論|必要かつ相当な通院交通費は請求できます
交通事故によるけがの診察・検査・リハビリのために支出した交通費は、治療との因果関係があり、手段・経路・金額が必要かつ相当であれば請求対象になります。最も安い方法しか認められないと一律に決まっているわけではありませんが、より高額な手段を選んだ場合は、その必要性を具体的に説明する必要があります。

1-1. 「通院日」「交通手段」「経路」「金額」「理由」をそろえます
通院交通費は、医療機関の受診日と対応することが基本です。いつ、どこからどこへ、何を使い、いくら支払い、なぜその手段が必要だったのかを一覧にします。領収書、ICカード履歴、駐車券、経路検索結果などを保存しましょう。
1-2. 私用の移動や重複分は除きます
通院のついでに買い物や勤務先へ寄った場合、全区間が治療のための費用とは限りません。同じ日に電車代と自家用車代を二重に計上する、保険会社がすでに支払った分を再請求するといった重複がないか確認します。
2. 電車・バスで通院した場合
公共交通機関は、合理的な経路・運賃を示しやすい交通手段です。領収書が発行されないことも多いため、通院日と利用経路を記録します。
2-1. 原則として自宅等から医療機関までの合理的な運賃を整理します
自宅から最寄り駅、乗換駅、医療機関までの経路と往復運賃を記載します。勤務先から通院した日は、勤務先から医療機関、医療機関から自宅など実際の経路を記録します。定期券区間を利用した場合、現実に追加負担が生じたかが問題になることがあります。
2-2. ICカード履歴・交通事業者の運賃検索を保存します
ICカード履歴は一定期間で取得できなくなることがあるため、定期的に印刷・保存します。履歴だけでは利用目的が分からないため、通院日一覧と対応させます。現金利用の場合は、運賃表や経路検索結果を保存するとよいでしょう。
2-3. グリーン車・指定席等は必要性を確認します
混雑を避ける必要、長時間立てない症状、遠距離通院などの事情があれば、追加料金の必要性が問題になります。単に快適だから利用したという理由では争われやすいため、症状、医師の指示、混雑・移動時間を具体的に整理します。
3. 自家用車で通院した場合
自家用車通院では、燃料相当額、駐車場代、有料道路代などが問題になります。実際の往復距離と、車で通院する必要性を記録します。
3-1. 往復距離と合理的な経路を残します
出発地、医療機関、片道距離、往復距離、通院回数を一覧にします。自家用車の燃料費は、請求先の書式や運用で走行距離に所定の単価を掛ける方式が案内されることがあります。すべての案件に適用される法令上の一律単価と決めつけず、保険会社・自賠責保険会社へ計算方法を確認してください。
3-2. 駐車場代は通院に必要な実費を請求します
病院の駐車場、近隣の時間貸し駐車場を利用した場合は領収書を保存します。無料駐車場が利用できたのに高額な駐車場を選んだ場合や、通院時間を大きく超える駐車時間がある場合には、その全額が争われる可能性があります。
3-3. 高速道路・有料道路代は必要性を説明します
遠方の専門医療機関へ通う、一般道では症状上長時間の運転が難しい、予約時刻に間に合わないなどの事情がある場合は、利用理由を記録します。ETC利用明細、領収書、通院予約票、医師の紹介状などを保存してください。
3-4. 本人が運転する安全性も確認します
首が回らず後方確認できない、めまい・しびれがある、服薬で眠気が出る場合は、本人運転が危険なことがあります。交通費の問題だけでなく、主治医に運転の可否を相談し、公共交通・家族送迎・タクシーを検討します。
自家用車通院で残す資料
通院日一覧、地図・経路、走行距離、駐車場領収書、ETC明細、医療機関の予約・紹介状、車を選んだ理由をまとめます。
4. タクシー代はどのような場合に認められる?
タクシーは電車・バスより高額になるため、保険会社から必要性を詳しく確認されやすい交通手段です。領収書を保管するだけでなく、その日にタクシーを使わざるを得なかった事情を記録します。

4-1. 症状・医師の指示・公共交通の利用可能性を確認します
歩行や乗換えが困難、強いめまい・痛みがある、深夜・早朝で公共交通がない、地域に公共交通が乏しい、家族送迎ができないなどの事情が考えられます。医師から移動制限・安静等の指示があれば、その内容も資料になります。
4-2. 毎回同じ理由で利用できるとは限りません
事故直後はタクシーが必要でも、症状の改善後は電車・バスへ切り替えられることがあります。利用日ごとの症状や時間帯を記録し、漫然と全期間利用したと評価されないようにします。
4-3. 通院先が遠い場合は医療上の必要性を確認します
自宅近くに同等の医療機関があるのに、特段の理由なく遠方へ通うと、交通費の一部が争われる可能性があります。専門治療、転院経緯、主治医の紹介、継続治療の必要性などを確認します。
タクシー領収書の保存方法
領収書に通院日、出発地・到着地、片道・往復、利用理由をメモし、診療明細と同じ日付で整理します。アプリ配車は利用履歴・経路も保存してください。
5. 家族送迎・付添いの扱い
家族が車で送迎した場合、燃料・駐車場・有料道路等の実費と、家族自身の時間・収入減を分けて考えます。すべてを「家族送迎代」とまとめると、損害項目が不明確になります。
5-1. 家族の車でも通院に必要な実費を整理します
本人の自家用車通院と同様に、往復距離、通院日、駐車場代、有料道路代を記録します。家族が別の場所から迎えに来た回送分については、その必要性・合理性が問題になることがあります。
5-2. 家族が仕事を休んだ分は自動的に認められません
家族の収入減を請求するには、被害者の症状・年齢等から家族の付添い・送迎が必要だったこと、他の手段が難しかったこと、実際に収入が減ったことを示す必要があります。単に家族が親切で同行したというだけでは、休業損害が認められにくい場合があります。
5-3. 通院付添費は看護料として別に検討されることがあります
多くは12歳以下の子どもへの近親者付添いや、医師が看護の必要性を認めた場合の通院看護料等が案内されています。成人のむちうちで常に家族付添いが必要と認められるとは限りません。症状、医師の指示、公共交通の利用能力を個別に確認します。
| 家族に関する費用 | 主な内容 | 確認する資料 |
|---|---|---|
| 送迎実費 | 燃料相当額、駐車場、有料道路等 | 通院日、距離、領収書、経路 |
| 付添費 | 症状・年齢等から必要な付き添い | 医師の指示、診療録、具体的支障 |
| 家族の収入減 | 送迎・付添いのための欠勤等 | 休業証明、給与資料、代替手段の有無 |
6. 通院先・通院経路が争われるケース
交通費の金額だけでなく、「その医療機関へ通うこと自体が必要だったか」が争われることがあります。治療の必要性と通院先の合理性を分けて整理します。
6-1. 自宅や勤務先から遠い医療機関へ通う場合
専門医、紹介先、事故前からの主治医、転院が医学的に難しいなどの理由があれば、その事情を示します。単に評判がよい、待ち時間が短いという理由だけでは、遠距離交通費の全額が認められない可能性があります。
6-2. 整形外科と整骨院の両方へ通う場合
同じ日に両方へ通った交通費を請求する場合、施術の必要性、医師の同意・指示、移動経路を確認します。整骨院通院に関する治療費自体が争われると、交通費も争われることがあります。
6-3. 転居・出張・帰省中の通院
事故後の転居や出張で通院経路が変わった場合は、住所・勤務先の変更日、転院先、紹介状、治療継続の必要性を記録します。帰省先から遠方の元の病院へ通う場合などは、合理的な選択だったかを検討します。
| サリュは交通事故の被害者専門の弁護士事務所です |
![]() サリュは、被害者側専門の弁護士事務所です。 解決実績は業界トップクラスの26,000件以上あり、多くの被害者を救ってきました。 サリュには、経験豊富な弁護士が在籍しています。 本記事でお伝えしてきたとおり、車の損傷が軽いことを理由に、治療費や慰謝料が争われるケースは少なくありません。 「治療費の打ち切りを予告された」「提示された慰謝料が正当かどうか確かめたい」など、どのようなことでもかまいません。 治療費や慰謝料に不安を抱えている方は、ぜひ一度ご相談ください。 |
電話で無料相談する方は、下記をクリックしてください。
メールで無料相談する方は、下記をクリックしてください。
7. 通院交通費明細書の作り方
自賠責の被害者請求では、通院交通費明細書が必要書類として案内されています。任意保険会社への請求でも、同様の一覧を作ると確認しやすくなります。

7-1. 医療機関の受診日を基準にします
診療明細書や領収書から受診日を一覧にし、交通手段を対応させます。リハビリのみの日、検査日、薬だけ受け取った日も、実際に通院した場合は記録します。
7-2. 交通手段・経路・金額を具体的に記載します
「電車」だけでなく、○○駅から△△駅、片道○円、往復○円と記載します。車は往復距離、タクシーは乗降地と領収書番号、家族送迎は運転者と実費を記録します。
7-3. 特別な費用には理由を付けます
タクシー、高速道路、遠距離医療機関、付添いなど、通常より高額・特別な費用には理由欄を設けます。診療録、紹介状、勤務・家族事情などの根拠資料を対応させます。
| 通院日 | 医療機関 | 交通手段・経路 | 金額 | 理由・資料 |
|---|---|---|---|---|
| 4月10日 | ○○整形外科 | ○○駅-△△駅 往復 | 1,020円 | IC履歴No.1 |
| 4月18日 | ○○整形外科 | 家族送迎 往復18km | 請求先方式で算定 | 距離図No.2・駐車券 |
| 4月25日 | △△病院 MRI | タクシー 自宅-病院 | 3,800円 | 強いめまい・領収書No.3 |
上表は書き方の例です。金額・計算方法は実際の支出と請求先の書式に合わせ、架空の数字をそのまま使用しないでください。
8. 保険会社に交通費を否定・減額されたときの対応
交通費の一部が否定されたときは、手段、経路、期間、理由のどこが問題かを確認します。領収書があるかどうかだけで終わらせず、必要性と実費を分けて整理します。
STEP1. 否定された日・費用・理由を確認します
タクシー全期間なのか、特定日なのか、遠方通院なのか、駐車場・高速代なのかを分けます。保険会社に、代替手段や認める範囲を尋ねます。
STEP2. 通院日と医療記録を照合します
医療機関の受診日、治療内容、症状を確認し、交通費明細と一致させます。受診記録がない日、キャンセル日、私用分が混じっていないかを点検します。
STEP3. 手段を選んだ理由を具体化します
公共交通の時刻、乗換回数、歩行距離、症状、医師の指示、家族送迎の可否、地域事情を整理します。タクシーを利用した日ごとに理由が異なる場合は分けて説明します。
STEP4. 領収書・距離・経路資料を追加します
タクシー領収書、IC履歴、駐車券、ETC明細、地図、経路検索、紹介状などを追加します。領収書がない場合は、他資料で実際の利用・金額をできるだけ補います。
STEP5. 合理的な範囲で再計算して再請求します
全額を維持できない事情がある場合、公共交通相当額、必要な期間のみ、合理的な経路などに整理し直すことがあります。請求を水増しせず、根拠のある範囲を明確にします。
STEP6. 他の損害と合わせて専門家へ相談します
交通費だけでなく治療の必要性、通院先、休業損害、後遺障害も争われている場合は、全体を通じて検討します。請求額と手続費用のバランスも考え、弁護士や紛争解決機関への相談を検討します。
領収書がない場合
領収書がないから直ちに請求できないと決まるわけではありませんが、実際の利用・金額を説明しにくくなります。IC履歴、配車アプリ履歴、カード明細、経路・運賃資料で補えるか確認します。
9. 治療費の一括対応終了後も交通費は請求できる?
保険会社の一括対応が終了しても、その後の治療が医学的に必要かつ相当で、事故との因果関係が認められれば、立て替えた治療費と通院交通費を後から請求できる場合があります。ただし、必ず全額回収できるわけではありません。
9-1. 主治医と治療継続の必要性を確認します
保険会社の支払方法が変わったことと、医学的に治療が不要になったことは同じではありません。症状、治療効果、今後の見通しを主治医に確認し、健康保険等を利用する場合の手続も行います。
9-2. 立替期間の領収書・交通費をすべて保存します
治療費、診療明細、薬代、交通費を日付ごとに保存します。後から事故との因果関係や期間の相当性が争われる可能性があるため、通院の必要性を説明できる医療記録が重要です。
9-3. 自賠責の被害者請求も検討します
加害者側から賠償を受けられない場合、加害車両の自賠責保険会社へ被害者請求をする方法があります。傷害部分は治療費、通院交通費、休業損害、慰謝料等を含め被害者1人につき120万円が限度です。既払額と限度額を確認します。
10. 弁護士法人サリュの事例から分かる治療継続と資料保存
通院交通費だけの認定結果を公表した事例ではありませんが、治療費の負担が問題になる中で必要な通院を継続した事例は、交通費を含む立替資料を保存する重要性の参考になります。
解決事例は結果を保証するものではありませんが、証拠の集め方と交渉の進め方を知る具体的な手がかりになります。
10-1. 一括対応終了後、健康保険で治療を継続し立替分も回収した事例
事例352:治療が打ち切られても、健康保険で治療を継続。後遺障害認定を受けにくい若年者でも、治療実績を重ねたことで後遺障害認定を受けた事例
事例の概要:追突事故後の治療費対応が約3か月半で終了しましたが、その後約2か月、健康保険を使って治療費を立て替えながら通院し、症状固定後の申請で14級9号が認定された事例です。立て替えた治療費も後の交渉で支払われました。
本記事との関係:第9章で説明したとおり、一括対応終了後も主治医と相談して必要な治療を続け、領収書・通院記録を残すことが重要です。交通費についても、同じ期間の通院日・経路・実費を記録しておく必要があります。
10-2. 治療費の支払が滞る状況を打開し、治療に専念できるようにした事例
事例361:加害者が任意保険の使用を拒否していた状況から任意保険を使用させ、適切な損害賠償を実現した事例
事例の概要:加害者が任意保険の使用を拒否し、被害者が治療費を自ら支出しかねない状況だった事例です。弁護士が加害者へ通知し保険使用を求めた結果、治療へ専念できる状態になり、適切な損害賠償の実現につながりました。
本記事との関係:治療費や交通費の支払が滞る場合は、早い段階で請求先・立替方法を確認することが大切です。第9章で触れた被害者請求などの選択肢と合わせて検討する場面の参考になります。
10-3. 治療費対応の延長交渉と通院管理を並行して行った事例
事例173:4か月で治療費打切りも、サリュが治療費対応を継続させ14級9号認定
事例の概要:停車中の追突事故で頚椎捻挫となり、保険会社から早期の治療費打切りを示された方について、治療費対応の交渉、通院に関するアドバイス、後遺障害申請を行い、14級9号が認定された事例です。
本記事との関係:第7章・第9章で説明したとおり、通院日と治療内容の記録は、交通費の明細作成にも治療の必要性の説明にも使われます。通院管理を丁寧に行うことが複数の請求を支えることが分かります。
10-4. 日常の通院に関する対応をサポートし、損害全体を整理して解決した事例
事例377:Aさん(60代・家事従事者)停車中の追突事故で併合14級、270万円を獲得
事例の概要:家事従事者の方が停車中に追突され、頚椎捻挫・腰椎捻挫の症状が残った事例です。日常の通院に関する対応や後遺障害診断書作成時の準備をサポートし、併合14級の認定と、主婦休業損害・主婦逸失利益を含む270万円での示談につながりました。
本記事との関係:通院交通費は単独ではなく、治療費・休業損害・慰謝料と合わせて損害全体の中で整理されます。第8章のSTEP6のとおり、複数の損害項目をまとめて検討することが解決への近道です。
10-5. 立て替えた治療費を、自賠責への被害者請求で回収した事例
事例343:相手方自賠責保険、無保険車傷害保険と複数の保険を利用し、治療費も後遺障害も納得の解決へ
事例の概要:加害者が自賠責保険にしか加入しておらず、治療費を自身で立て替えるしかなかった方の事例です。相手方自賠責への後遺障害申請でこれまでの治療費等を回収するとともに併合12級を獲得し、無保険車傷害保険との交渉も行って総額1,300万円を超える保険金の受領につながりました。
本記事との関係:第9章で説明した自賠責の被害者請求の実例です。立替を余儀なくされた場合も、領収書や通院記録を保存しておけば、複数の保険を組み合わせて回収できる場合があることが分かります。
解決事例を読むときの注意
解決結果は、事故態様、傷病、医療記録、年齢、仕事、相手方の対応などによって異なります。公開事例は対応の考え方を知る参考であり、同じ等級・金額・治療費の支払を保証するものではありません。
11. よくある質問
11-1. 領収書がない電車・バス代も請求できますか?
請求を検討できます。通院日、乗車区間、運賃を一覧にし、IC履歴や運賃検索で補います。ただし、定期券区間など現実に追加負担がない部分は扱いを確認します。
11-2. ガソリンのレシートを全部出せばよいですか?
給油したガソリンには通院以外の走行分も含まれるため、レシート総額をそのまま請求する方法は通常分かりにくくなります。通院日、往復距離、請求先が用いる計算方法で整理します。
多くのケースでは、1キロ15円程度のガソリン代を前提に、病院までの往復距離と通院日数を乗じて算出します。
11-3. タクシー代を保険会社が途中から否定しました
いつまで認め、なぜそれ以降を否定するのかを確認します。症状の改善、公共交通利用の可否、医師の指示、地域事情を期間ごとに整理して再請求します。
11-4. 家族送迎に謝礼を払いました。請求できますか?
家族への任意の謝礼が、そのまま必要な実費として認められるとは限りません。燃料・駐車等の実費、付添いの必要性、家族の現実の収入減を分けて検討します。
11-5. 通院のために有料駐車場しかありません
通院に必要な合理的費用として請求を検討できます。領収書を保存し、利用時間が通院時間と整合するようにします。
11-6. 通院交通費にも過失割合が影響しますか?
事故について被害者にも過失がある場合、最終的な損害賠償額では通院交通費を含む損害全体に過失相殺が行われることがあります。自賠責では重大な過失がある場合の減額ルールなど別の取扱いがあります。
12. まとめ|通院日と移動の記録を、領収書・経路と一緒に残しましょう
むちうちの通院交通費は、治療のために必要かつ相当な実費であれば請求を検討できます。電車・バスは合理的経路と運賃、自家用車は距離・駐車場・有料道路、タクシーは公共交通を利用しにくい事情、家族送迎は実費と付添いの必要性を分けて整理します。
領収書だけでなく、通院日、出発地・到着地、交通手段、経路、金額、利用理由を記録し、医療機関の受診日と対応させましょう。保険会社に否定された場合は、どの日・費用・理由が問題かを確認し、症状・地域事情・代替手段・資料を追加して再請求します。
大切なポイント
交通費の資料は、IC履歴や配車アプリの保存期間を過ぎると取得しにくくなります。月ごとに明細を作り、領収書を撮影・保存してください。
| サリュは交通事故の被害者専門の弁護士事務所です |
![]() サリュは、被害者側専門の弁護士事務所です。 解決実績は業界トップクラスの26,000件以上あり、多くの被害者を救ってきました。 サリュには、経験豊富な弁護士が在籍しています。 本記事でお伝えしてきたとおり、車の損傷が軽いことを理由に、治療費や慰謝料が争われるケースは少なくありません。 「治療費の打ち切りを予告された」「提示された慰謝料が正当かどうか確かめたい」など、どのようなことでもかまいません。 治療費や慰謝料に不安を抱えている方は、ぜひ一度ご相談ください。 |
電話で無料相談する方は、下記をクリックしてください。
メールで無料相談する方は、下記をクリックしてください。



