交通事故の示談金相場は数万~数億円!8つの獲得事例や交渉のコツ

「交通事故に遭ってしまった……自分の場合は示談金はいくらもらえるの?」

「相手の保険会社に示談金30万円を提示されたけれど、少ない気がする」

交通事故に遭い、示談金がいくらもらえるのか気になっていませんか?
相手の保険会社に示談金を提示され、想像以上に少ない金額で驚いている方もいるでしょう。

交通事故の示談金は、数万円~数億円と相場に大きな幅があります。これは、怪我の程度によって示談金が変わるからです。擦り傷と骨折では怪我のレベルは異なります。

擦り傷で1日通院するケースより、骨折で1ヶ月通院するケースのほうが示談金は多いです。
また骨折をした場合も、1ヶ月の入院なのか半年以上の入院なのかによって、示談金に差が出る場合があります。

実は、保険会社に提示される交通事故の示談金は、不当に低いケースが多いことをご存じですか?

なぜなら、保険会社が掲示してくる金額は「自賠責基準」という最低保証ラインとほぼ同額だからです。

本来、交通事故の示談金は、それぞれの被害者が被った損害に見合った金額で提示されるべきですが、保険会社は「自賠責基準」を元に示談金を計算し被害者に少ない示談金を提示することが多いです。

実際に弁護士法人サリュでも、被害者が実際に被った損害を計算して交渉した結果、示談金が140万円から1,500万円になった事例があります。

妥当な示談金を受け取るためには、交通事故に遭ったときにすぐに弁護士に相談し、適切な対処をとらないと泣き寝入りする可能性があります。

そこで、この記事では以下について解説します。

この記事を読んで分かること
・サリュで実際に取り扱った8つの事例別の示談金
・怪我のレベルや後遺症の有無によって示談金が上がる・下がるポイント
・保険会社に提示される交通事故の示談金が不当に低い理由

この記事を読めば、自分の場合の示談金相場が分かり、納得できる示談金を受け取れます

交通事故に遭い辛い思いをしているあなたが、納得できる示談金を確実に受け取るために、まずは示談金相場から理解していきましょう!

この記事の監修者
弁護士 梅澤 匠

弁護士法人サリュ福岡事務所
福岡県弁護士会

交通事故解決件数 1,700件以上
(2024年1月時点)
【略歴】
2009年 3月 明治大学法学部 飛び級入学のため中退
2012年 3月 同志社大学司法研究科 修了
2012年 9月 司法試験合格
2013年  弁護士登録 弁護士法人サリュ入所
【公職】
同志社大学司法研究科兼任教員(民法演習担当)
-獲得した画期的判決-
【大阪高裁平成30年1月26日・判例タイムズ1454号48頁】(交通事故事件)
歩行者との非接触事故につき,自動車運転者の過失責任が認められた事例
【神戸地裁令和元年6月26日判決・自保ジャーナル2054号110頁】(交通事故事件)
転回時の衝突事故について有利な過失割合が認定された事例
【神戸地裁令和元年7月24日・交通事故民事裁判例集52巻4号913頁】(交通事故事件)
併合14級の後遺障害逸失利益の算定について、減収がなかったものの逸失利益を認定した事例
その他複数
【弁護士梅澤の弁護士法人サリュにおける解決事例の一部】
事例336:死亡事故で被害者参加制度を利用。遺族の気持ちを加害者に直接伝えたい
事例344:異議申立てで、むちうち症状の後遺障害等級を第14級9号から第12級13号へ覆した事例
事例158:後遺障害申請サポートで13級を獲得。示談交渉時256万円の提示だったが、訴訟提起で1030万円を獲得

1.交通事故の示談金相場は数万〜数億円と幅がある

交通事故の示談金相場は、数万~数億円と幅があります。

なぜなら、交通事故といっても事故の種類(自動車対自動車か、人対自動車か等)や怪我のレベル・後遺症の有無など、一人ひとり状況が全く異なるからです。

事故の種類が同じでも示談金に差があるのは、過失割合、入通院日数や後遺症の重さ・年収も示談金の決定に大きく関わるからです。

ここで、示談金相場に差が出る例を見てみましょう。以下は、人身事故で後遺障害がある場合の2人の示談金を比較した表です。

 示談金相場怪我の種類後遺障害等級入院期間通院期間年収
Aさん(35歳)2008万円骨折12級1ヶ月6ヶ月550万円
Bさん(40歳)4768万円外傷性くも膜下出血9級3ヶ月10ヶ月600万円
Aさんの示談金の計算根拠はこちら
入通院慰謝料(弁護士基準、別表Ⅰ)

入院1ヶ月、通院6ヶ月で149万円

後遺障害慰謝料(弁護士基準)

290万円

後遺障害逸失利益

550万円×0.14(労働能力喪失率)×20.389(就労可能年数に対応するライプニッツ係数)
=1569万円(端数省略)

合計2008万円
Bさんの示談金の計算根拠はこちら
入通院慰謝料(弁護士基準、別表Ⅰ)

入院3ヶ月、通院10ヶ月で230万円

後遺障害慰謝料(弁護士基準)

690万円

後遺障害逸失利益

600万円×0.35(労働能力喪失率)×18.327(就労可能年数に対応するライプニッツ係数)
=3848万円(端数省略)

合計4768万円

上記の2ケースの場合、示談金に2760万円の差が出ました。
後遺症が重く入院日数が長いほど、収入が高いほど、
示談金相場は上がります。

事故に遭ったらすぐに弁護士に相談しよう
交通事故に遭ったら、まずは何より先に交通事故に強い弁護士のところに行くべきです。  

交通事故に強い弁護士に相談するべき理由は、ただ病院に通うだけでは適切な後遺障害等級を獲得するための検査を実施してもらえず、症状に見合った後遺障害を獲得できない場合があるからです。
 
交通事故で負った怪我や後遺症であることを証明できなければ、適切な示談金をもらえないことがあります。

弁護士に相談するべき理由については、「6.交通事故に巻き込まれたら真っ先に弁護士に相談しよう」で詳しく紹介しています。こちらもあわせてご覧ください。

2.自分の場合はいくら?ケース別に交通事故の示談金事例を紹介

交通事故の示談金相場に、幅があることが理解できたでしょう。

とはいえ、「実際に自分の場合はいくら示談金をもらえるのか?」が、一番気になりますよね。

そこで、ここでは交通事故の種類や怪我のレベル別に、実際の示談金事例を紹介します。

私たち弁護士法人サリュの解決事例をもとに、今回は以下の8ケースを紹介します。

1.賠償金210万円・30代女性・頚椎捻挫と右肩腱板損傷・通院7ヶ月の事例
2.賠償金600万円・60代男性・右鎖骨の骨折・治療期間1年2ヶ月月の事例
3.賠償金1,000万円・30代女性・足の親指を骨折による皮膚の欠損・通院10ヶ月の事例
4.賠償金1,400円・10代男性・外傷性くも膜下出血や顔面骨折・通院約5年の事例
5.賠償金2,351万円・男性・頭部及び股関節の受傷の事例
6.賠償金540万円・30代・右手首の骨折・通院約1年の事例
7.賠償金200万円・首や左肩の打撲と捻挫・通院約半6ヶ月の事例
8.賠償金2,515万円・20代男性・腎臓や膵臓の損傷・通院期間1年以上の事例

あなたの状況に似ているケースがあれば、自分がいくらもらえる可能性があるのかイメージできるでしょう。

被害者の年収や怪我、仕事を休んだ日数なども示談金に関係することを、覚えておいてください。

2-1.【ケース1】示談金210万円・30代女性・頚椎捻挫と右肩腱板損傷・通院7ヶ月の事例

示談金額210万円
事故の状況自動車運転中、駐車場内で停車していたところに追突される
怪我の種類頚椎捻挫と右肩腱板損傷
後遺障害後遺障害非該当
通院期間7ヶ月
休業期間0日(専業主婦)

Bさんは自動車を運転中、駐車場内で停車していたところ、別の乗用車に追突されて頚椎捻挫と右肩打撲の怪我を負いました。

約7ヶ月治療を続け、Bさんの右肩に痛みが残っていたので後遺障害を申請しましたが、「後遺障害には該当しない」と判断されてしまいました。サリュは新たな証拠をもとに異議申立を行いましたが、結果が変わることはありませんでした。

その後、休業損害については示談を進めることにし、主婦業の賠償金の請求を行いました。結果、相手の保険会社は主婦業の休業損害を認めてくれました。

主婦の休業損害が認められるケースは少ないなか、サリュの積極的な交渉により210万円での示談に応じてもらえました。

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2-2.【ケース2】示談金600万円・60代男性・右鎖骨の骨折・治療期間1年2ヶ月の事例

示談金額600万円
事故の状況自動車運転中、赤信号無視の自動車に追突されてアパートの外壁に突っ込む
怪我の種類右鎖骨骨幹部骨折
後遺障害後遺症あり:後遺障害12級5号
通院期間約1年2ヶ月
休業期間約5ヶ月

Hさんは自動車を運転中、十字路交差点で赤信号無視の自動車に追突され、アパートの外壁に突っ込みました。右鎖骨を骨折し、仕事は5ヶ月も休業しました。

治療期間は約1年2ヶ月。治療後も右鎖骨の変形や痛みが残っており、後遺障害等級12級が認定されました。相手の保険会社から224万円の示談金を提示されたところで、Hさんはサリュに相談しに来てくれました。

調べてみると、224万円は最低保証ラインである自賠責基準の金額でした。

そこで、サリュはHさんの治療経過や収入状況などの資料を集めなおし、再度分析しました。
分析結果をもとに保険会社と示談を進めたところ、600万円で示談成立となりました。

当初提示されていた金額の約2.6倍を短期間で示談成立させることができたのは、サリュが迅速に資料を分析したうえで保険会社と交渉したからです。

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2-3.【ケース3】示談金1,000万円・30代女性・足の親指を骨折による皮膚の欠損・通院10ヶ月の事例

示談金額1,000万円
事故の状況自転車乗車中、信号なしの交差点で自動車に衝突され足の親指をタイヤに踏まれる
怪我の種類足の親指を骨折による皮膚の欠損
後遺障害後遺症あり:後遺障害12級5号
通院期間約10ヶ月
休業期間不明

Pさんは自転車で交差点を直進中、左側から自動車に衝突されて、車に足の親指を踏まれました。足の親指は骨折と皮膚が欠損する大怪我で、入院や手術を行いました。

約10ヶ月治療しましたが、Pさんの親指には後遺症が残り、後遺障害12級が認定されました。

その後サリュは、日常生活への支障が著しいこと、加害者がブレーキを踏むのが遅かったことなどを理由に、慰謝料の増額を請求しましたが、増額はできませんでした。もっとも休業損害の増額交渉に成功したので最終的に約1,000万円で示談が成立しました。

慰謝料を増額できなくても、休業損害の増額を交渉したことで示談金が増えた事例のひとつです。

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2-4.【ケース4】示談金1,400万円・10代男性・外傷性くも膜下出血や顔面骨折・通院約5年の事例

示談金額1,400万円
事故の状況自転車乗車中、丁字路交差点で自動車に衝突される
怪我の種類外傷性くも膜下出血、外傷性硬膜外血腫、顔面骨折
後遺障害後遺症あり:後遺障害併合11級
通院期間約5年
休業期間当時大学生で事故により退学

Kさんは自転車で交差点を直進しようとしたところ、自動車に衝突されて外傷性くも膜下出血や顔面骨折などの怪我を負いました。

約5年間治療を継続しましたが、脳や目に後遺症が残りました。治療終了から約1年経った頃に相手の保険会社から提示されたのは、示談金582万円でした。

その後サリュは、資料の収集や調査を進め、Kさんの交通事故による損害を丁寧に算出しました。集めた情報をもとに保険会社と示談を行った結果、1,400万円で示談を成立させることができました。

当初保険会社から提示された金額より、818万円増額できたケースです。

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2-5.【ケース5】示談金2,351万円・男性・頭部及び股関節の受傷の事例

示談金額2,351万円
事故の状況歩行中、横断歩道で前方不注視の自動車に跳ねられる
怪我の種類頭部及び股関節の受傷
後遺障害後遺症あり:後遺障害7級
通院期間不明
休業期間1年間

Pさんは、横断歩道を横断中に前方不注意の自動車に跳ねられ、頭部や股関節を受傷しました。

事故後、Pさんは2つの病院で経過観察やリハビリを行い、後遺障害等級7級が認められて自賠責保険金を1,051万円受け取りました。

その後、サリュは休業損害について保険会社に交渉し、示談金1,300万円が成立。

ご依頼から解決まで2,048日と長期に渡りましたが、Pさんは合計2,351万円を受け取ることができました。

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2-6.【ケース6】示談金540万円・30代・右手首の骨折・通院約1年の事例

示談金額540万円
事故の状況バイク運転中、右交差道路から出てきた自動車に追突され転倒する
怪我の種類右橈骨遠位端骨折
後遺障害後遺症あり:後遺障害12級13号
通院期間約1年
休業期間不明

Sさんはバイク運転中、自動車に衝突されて転倒。病院で右手首の骨折と診断されました。

約1年間治療を続けましたが、右手の関節の痛みが残ったので後遺障害認定を申請しましたが、「後遺症には該当しない」と判断されてしまいました。

そこで、サリュは主治医の記載したカルテの内容を分析し、異議申立をしたところ、後遺障害12級が認定されました。

さらに交渉を進めた結果、Sさんは最終的に540万円の賠償金を受け取れました。

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2-7.【ケース7】示談金200万円・首や左肩の打撲と捻挫・通院約半6ヶ月の事例

示談金額200万円
事故の状況自動車で交差点を右折中、赤信号無視の自動車に衝突される
怪我の種類首や左肩の打撲と捻挫
後遺障害後遺症あり:後遺障害14級9号
通院期間約6ヶ月
休業期間不明

Bさんは自動車運転中、赤信号無視の自動車に衝突されて、首や左肩の打撲と捻挫の怪我を負いました。

約半年間治療を続けて後遺症が残ったにもかかわらず、後遺障害認定は非該当とされてしまいました。保険会社から提示された賠償額は、35万円でした。

サリュはまず、顧問医師にMRIの画像を確認してもらい、更に入念な調査・異議申立を行ったところ、後遺障害14級が認定されました。その結果、Bさんは賠償額200万円を受け取ることができました。

賠償額を165万円も増額できたのは、サリュが入念に調査したからです。

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2-8.【ケース8】示談金2,515万円・20代男性・腎臓や膵臓の損傷・通院期間1年以上の事例

示談金額2,515万円
事故の状況バイク運転中、対向車線の自動車が突然右折してきたため急ブレーキをかけ転倒
怪我の種類左腎損傷、脾損傷、開放性腰椎左横突起骨折
後遺障害後遺症あり:後遺障害併合10級
通院期間1年以上
休業期間不明

Aさんはバイク運転中、対向車線の自動車が突然右折してきたため急ブレーキをかけ、転倒しました。転倒後自動車に衝突し、腎臓や膵臓の損傷などの大怪我を負いました。

約1年間入通院をして怪我の状態が良くなってきたタイミングで、Aさんは後遺障害認定に不安を感じてサリュにご相談くださりました。

サリュは、後遺障害認定の申請前に診断書の内容を徹底的にチェックしました。記入漏れがないことを顧問医師に確認したうえで後遺障害申請をしたところ、併合10級が認定されたのです。

最終的に、Aさんは約2,515万円の賠償金を受け取ることができました。

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3.交通事故の示談金が上がる・下がる5つのポイント

自分の状況に似ている事例があれば、自分の示談金を予測しやすいですよね。

しかし、交通事故の示談金は事故の状況や怪我のレベルによって変わります。

また、過失割合が、相手が100%悪い0対10の事故なのか、自分にも原因がある1対9の事故なのかによっても金額は変わります。

そこで、ここでは交通事故の示談金が上がる・下がるポイントを紹介します。

交通事故の示談金が上がる・下がる5つのポイント
1.事故で負った怪我のレベル(死亡も含む)
2.後遺障害の有無と重さ
3.通院日数、入院期間
4.事故に遭った人(被害者)の年収
5.算定基準(自賠責基準・任意基準・弁護士基準)
6.過失割合

ただし、あなたの示談金の正確な金額を知るためには、交通事故に強い弁護士に相談することが1番の近道です。

ポイントはあくまで参考程度にしていただき、正確な金額を知りたい場合は私たち弁護士へご相談ください。

3-1.事故で負った怪我のレベル(死亡も含む)

事故で負った怪我や後遺症が重ければ重いほど、示談金は高くなります。

例えば、自動車同士の事故でも、擦り傷程度で済んだ人と腕を粉砕骨折して通院に半年以上かかった人を比較すると、後者のほうが示談金は高いです。

怪我なし<軽い怪我(すり傷・むちうち・打撲など)<重い怪我(骨折・脊髄損傷・手足の欠損など)

また、次の章でも説明しますが、上記は「後遺症があるかどうか」によってさらに示談金が変動します。

3-2.後遺症の有無と重さ

後遺症があると示談金は上がります。

さらに、後遺症が重ければ重いほど示談金は上がります。
同じ重症のケースでも、後遺症の有無で示談金が100万円~数千万円変わることもあるでしょう。

【例:右腕を粉砕骨折した】

後遺症なし<後遺症あり(例:治療したのに手首の動かしにくさが残った)

また、後遺症が認められた場合は、後遺障害等級が認定されます。

後遺障害等級は、後遺症が比較的重い「1級」~比較的軽い「14級」まであり、等級によって示談金の相場が変わります。
2つ以上の後遺症が出た場合は、1つの等級にまとめて「併合〇級」と認定されることもあります。

各等級の後遺症レベルがどのくらいか気になる方は、以下の表も参考にしてください。

1級のケース・高次脳機能障害が原因の意識障害や麻痺等
2級のケース・左片麻痺や高次脳機能障害により、日常生活の介護が必要になった
3級のケース・高次脳機能障害や動眼神経麻痺を発症し、一人での日常生活が困難になった
・失語症を発症して、以前のように働けなくなった
4級のケース・胸椎破裂骨折により脊髄を損傷し、両下肢に麻痺が残った
5級のケース・胸椎破裂骨折により、下肢のしびれや歩行困難・排尿困難などの症状が残った
6級のケース・全身の骨折や様々な内臓の損傷し、重い症状が残った
7級のケース・一眼が失明し、他眼の視力が〇・六以下になった場合等
8級のケース・片足の指を全て失った場合等
9級のケース・脳挫傷及び外傷性くも膜下出血の影響で、記憶力が低下した等
10級のケース・前歯を3本失った
・右鎖骨の骨折や頚椎捻挫により、肩が事故前の半分程度しか動かなくなった
11級のケース・脊柱圧迫骨折となった場合等
12級のケース・右ひじ骨折により腕を伸ばしづらい・痛みが残っている
13級のケース・足が1センチ短くなった場合等
14級のケース・頚椎捻挫により首の痛みが残った(頚部の神経症状)

後遺障害等級別の症状についてもっと詳しく知りたい方は、国土交通省の「後遺障害等級表」も確認してみてください。

以下は、後遺障害等級別の示談金(後遺障害慰謝料)の相場一覧です。

※単位=万円

等級示談金の慰謝料の相場
(自賠責基準)
示談金の慰謝料の相場
(弁護士基準)
1級1,1502,800
2級9982,370
3級8611,990
4級7371,670
5級6181,400
6級5121,180
7級4191,000
8級331830
9級249690
10級190550
11級136420
12級94290
13級57180
14級32110

自賠責基準と弁護士基準の違いについては、「3-5.算定基準(自賠責基準・任意基準・弁護士基準)」で解説します。

3-3.通院日数・入院期間

通院日数や入院期間が長いほど、示談金は上がります。

例えば、軽傷(すり傷や打撲・むちうちなど)で入院せずに1ヶ月通院する場合の示談金(入通院慰謝料)の相場は19万円、1ヶ月入院+2ヶ月通院の場合は69万円です。

以下に、骨折(重傷)で治療する場合の、通院・入院期間別の示談金(入通院慰謝料)の相場をまとめました。

【骨折の場合(重傷)】

 1ヶ月3ヶ月6ヶ月12ヶ月
通院期間28万円73万円116万円154万円
入院期間53万円145万円244万円321万円

※あくまで参考程度にお考えください

交通事故と慰謝料に関しては「交通事故慰謝料の相場と計算|通院日数1ヶ月・3ヶ月・6ヶ月の場合」の記事もご覧ください。

3-4.事故に遭った人(被害者)の年収

示談金には、休業損害も含まれています。そして、休業損害は、通常、収入をもとに算出されます。

そのため、交通事故による怪我が原因で仕事を休んだ場合は、被害者の収入も示談金が上下するポイントになります

例えば、年収300万円(月給25万円、月の平均稼働日数20日) の会社員が10日間仕事を休んだ場合の休業損害は、12万5000円です。

また、年収600万円(月収50万円、月の平均稼働日数20日) の会社員が20日間仕事を休んだ場合の休業損害は、50万円です。

金額は給料の日割りで計算されますが、職業によって計算方法が変わる場合もあります。

休業損害=事故前の収入(日額)×休業日数

年収300万円・休業日数10日間のケース12万5000円
年収600万円・休業日数20日間のケース50万円

3-5.算定基準(自賠責基準・任意基準・弁護士基準)

示談金の変動は、算定基準(自賠責基準・任意基準・弁護士基準)も大きく影響します

示談金を決める際の基準3つ
1.自賠責基準:自賠責保険で採用されている基準。3つの中で最も低い。
2.任意基準:保険会社ごとに定められている。示談金の相場は自賠責基準と同じくらいか、+α程度
3.弁護士基準:過去の裁判例をもとに定められている。3つの中で最も高額な基準。

自賠責基準は、示談金の中でも最低保証ラインの最も低い金額です。
任意基準は、自賠責基準とほぼ同じくらいです。

弁護士基準は最も高額になる基準です。本来、交通事故の示談金は弁護士基準によるべきなのです。

しかし、相手の保険会社から提示される示談金は、自賠責基準か、それに近い金額であることがほとんどです。
自賠責基準は示談金の相場が低いだけでなく、上限(傷害による損害では120万円等)があるため一定以上は受け取れない一面もあります。
そのため、弁護士基準で計算すれば、提示された金額の倍以上を受け取れる場合もあります。

算定基準は、後遺障害等級や入院日数、休業損害などの全てに関係があります。
入通院慰謝料を例に挙げて、自賠責基準と弁護士基準でどのくらい差が出るのか比較してみましょう。

例えば、むちうちで1か月間(30日)に、週2回程度のペースで合計8回整形外科に通院した場合、それぞれの基準で算出される慰謝料は以下の通りです。

自賠責基準68,800円
弁護士基準190,000円

このように、入通院慰謝料だけをとってみても、自賠責基準と弁護士基準とで倍以上の違いがあります。

3-6.過失割合

相手が100%悪い事故なのか、自分にも過失があるのかなど、過失割合も示談金が変動するポイントになります。

過失割合は0対10、1対9のように表します。

例えば、「横断歩道で信号待ちをしていたときに自動車が突っ込んできた」のように、あなたが全く悪くない状況の事故なら相手の過失が100%となるので、過失割合は0対10です。

仮に損害額が500万円で過失割合1対9なら、あなたが受け取れる示談金の目安は450万円になります。

▼過失割合で受け取れる金額(示談金が500万円の場合)

あなた相手受け取れる金額
010500万円
19450万円
28400万円

4.交通事故の示談金を受け取るまでの流れ

交通事故の示談金が上がる・下がるポイントを理解できたでしょう。

続いて、交通事故の示談金を受け取るまでの流れを解説します。

以下は、交通事故にあってから示談金を受け取るまでの基本の流れです。

示談交渉を始めるのは、一般的に交通事故で負った怪我の治療が終わったタイミングです。

なぜなら、怪我の治療がすべて終わらなければ、治療費や入通院日数に応じた慰謝料額を算定し、正しく示談金を計算できないからです。

後遺症が残る怪我の場合は、後遺障害等級が認定されてから示談交渉を開始します。

死亡事故の場合は多くの場合は、四十九日が過ぎてから示談交渉を開始するケースが多いでしょう。

5.保険会社に掲示された交通事故の示談金は不当に低いケースが多い!

交通事故に遭ってから、示談金を受け取るまでの流れをイメージできましたか?

実は、示談交渉において相手の保険会社から提示される示談金は、不当に低いケースが多いです。

保険会社は、それが妥当かどうかは別として、各保険会社の支払基準で勝手に計算した示談金を提示してきます。

この事実を知らずに自力で解決しようとすると、保険会社の担当者に言いくるめられてしまい、納得できない示談金で交渉が成立して泣き寝入りすることになるでしょう。

また、示談金を受け取るためには、被害者側において、怪我や後遺症によって発生した損害が交通事故によるものだと証明する必要があります。

自分で事故に関する証拠を集めないと、後遺症を認めてもらえない・示談金をもらえないなどの状況になる可能性もあるため、注意が必要です。

6.交通事故に巻き込まれたら真っ先に弁護士に相談しよう

不当に低い示談金で合意しないために、交通事故に巻き込まれたら真っ先に弁護士に相談してください

これは、下記の2つの理由があるからです。

交通事故に巻き込まれたら真っ先に弁護士に相談するべき理由
・本来もらえるはずの示談金を獲得するための証拠集めをサポートできるから
・保険会社が提示する示談内容の不備や穴を見つけて交渉することができるから

「弁護士に相談すると高額な費用がかかるのでは……」と不安を感じる方もいますが、弁護士費用特約に加入しているなら弁護士に相談・依頼する際の費用を補償してもらえます。
法律事務所の中には、初回の法律相談が無料となる事務所もあります。

弁護士特約に未加入でも、まずは弁護士に相談するべき理由を解説します。

6-1.本来もらえるはずの示談金を獲得するための証拠集めをサポートできるから

弁護士は、本来もらえるはずの示談金を獲得するための、証拠集めをサポートします。

例えば、示談金の交渉に必要な診断書には、事故による怪我だと証明するために書くべき内容や、書かないほうが良い内容があります。さらに、示談交渉が始まる前に受ける必要がある検査もあります。

後遺障害認定や交渉前に必要な検査を受けていない場合、十分な示談金がもらえないかもしれません。

事故による怪我や後遺症なのに、それが認められないのは悲しいですよね。自分一人で漏れなく証拠集めをしたり、必要な検査を受けたりするのは難しいでしょう。

示談金交渉が始まってから後悔しないためにも、迷わず弁護士に相談してください。

6-2.保険会社が提示する示談内容の不備や穴を見つけて交渉するから

弁護士は、保険会社が提示する示談内容の不備や穴を見つけて、保険会社と対等に交渉します。

保険会社が自賠責基準をベースに示談金を提示してくることは既に説明しましたが、他にも様々な穴があるケースが多いです。

例えば、後遺障害等級が認定されるレベルの怪我なのに、「事故による後遺症ではないでしょう」と決めつけられる場合もあります。

また、保険会社は以下のようなポイントを見逃し、示談金の計算に組み込んでいない場合もあります。

・年収をいつの年度を基準に提出するか
・休業損害の日額の計算において、月給を30日で割って算出し、実際の稼働日数をベースに計算しない
・将来の収入減少に関する損害(後遺障害逸失利益)について、労働能力喪失期間を短く算出する

弁護士なら、一度示談金の増額を断られた場合でも、不備や穴を見つけて徹底的に調べ上げます。

そして証拠を揃えた状態で保険会社に再交渉するので、最初に提示された示談金よりも多く受け取れる可能性が高くなるのです。

7.示談金に不安を抱えているなら被害者側専門の弁護士法人サリュがおすすめ

交通事故の被害者になり示談金に不安を抱えているなら、弁護士法人サリュにお任せください。

弁護士法人サリュは、解決実績が20,000件以上もある、交通事故被害の相談に強い弁護士事務所です。

相談料や着手金は原則0円なので、費用を気にせず誰でも相談できます。

弁護士法人サリュならではの魅力をまとめたので、詳しく解説します。

弁護士法人サリュの3つの魅力
1.交通事故の解決実績数が豊富である
2.顧問ドクターによる診断を受けられる
3.事故直後から示談交渉までのどのタイミングでも相談できる

7-1.交通事故の解決実績数が豊富である

1つ目は、交通事故の解決実績数が豊富なところです。

交通事故の案件は特殊なため、知識や経験が示談金の獲得に大きく影響します。弁護士であれば誰でも良い、どこでも良いわけではないのです。

弁護士法人サリュは、事務所全体で交通事故の解決実績が約20,000件あります。さまざまな事例と向き合い解決してきた弁護士が多いため、これまでの経験をもとにしてあなたを徹底的にサポートします。

7-2.顧問ドクターの意見を聞くことができる

顧問ドクターがいるのも、弁護士法人サリュの大きな魅力です。

適切な示談金を獲得するには、示談金を受け取る権利があることを証明する必要があります。

交通事故による怪我であること、交通事故による怪我の後遺症であることを証明できないと、示談金が下がる場合もあるのです。

弁護士法人サリュではそのような事態にならないよう、顧問ドクターによる画像診断や必要な検査方法のアドバイスなどを徹底しています。

7-3.事故直後から示談交渉までのどのタイミングでも相談できる

事故直後では相談できない法律事務所もありますが、弁護士法人サリュなら事故直後から、示談交渉までのどのタイミングでも無料相談が可能です。

以下のような状況になり悩んでいる方も、まずは現時点の症状や提示されている示談内容などを相談してください。

・主治医のもとで治療を受けたが診断書の記録に不備があって後遺障害を認めてもらえなかった
・事故後に後遺症があるのに病院の検査では異常を見つけてもらえなかった

弁護士法人サリュでは、豊富な実績や経験のある弁護士が、現在の状況から求める示談金を獲得するためのアドバイスをします。

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8.交通事故の示談金に関する4つのQ&A

最後に、交通事故の示談金に関するよくある疑問にお答えします。

示談金は人生に関わる重要なものなので、少しでも気になることは解決しておきましょう。

交通事故の示談金に関するQ&A
Q1.示談が成立してから再交渉はできる?
Q2.提示された示談金の倍以上を受け取れる可能性もある?
Q3.示談金はいつもらえるの?
Q4.自分で保険会社と示談交渉して上手くいく場合もある?

8-1.【Q1】示談が成立してから再交渉はできる?

A.原則としてできません。双方が示談書に署名捺印すると、示談交渉は終了となります。

「この金額では納得がいかない」と思っても手遅れです。そのため、示談内容に少しでも不満があるなら、交渉を続ける必要があります。

※ただし、示談後であっても、その交通事故と因果関係のある後遺障害が後日認定された場合や、後遺障害が悪化し、より上位の後遺障害等級が認定された場合は、再交渉により追加の賠償金をもらえる場合があります。

8-2.【Q2】提示された示談金の倍以上を受け取れる可能性もある?

A.あります。実際に、弁護士法人サリュには、保険会社に提示された示談金の倍以上を受け取れた事例が多数あります。

誰にも頼らずに自力で増額させるのは難しいですが、弁護士に依頼すれば専門知識を活かして保険会社と対等に交渉できるので、増額が期待できるでしょう。

提示された示談金が倍以上になった事例
・224万円→後遺障害12級が認定されて600万円に
・582万円→後遺障害併合11級が認定されて1,400万円に
・35万円→後遺障害14級9号が認定されて200万円に

8-3.【Q3】示談金はいつもらえるの?

A.示談金は、示談が成立してから約1~3週間で振り込まれるのが一般的です。

示談交渉が長期化すると、示談金を受け取るまでに時間がかかるケースが多いです。

8-4.【Q4】自分で保険会社と示談交渉して上手くいく場合もある?

A.法律に詳しくない人が自分で保険会社と示談交渉しても、上手くいくケースはあまりないでしょう。

保険会社の担当は交渉のプロなので、交通事故や法律に詳しくない人が交渉しても、うまくいかないことが多いっです。

弁護士基準で示談金を請求するには、専門的な知識を持って保険会社の担当者と交渉する必要があるので、弁護士への相談・依頼がおすすめです。

9.まとめ

本記事では、交通事故の示談金の相場について詳しく解説しました。

交通事故の示談金は数万円~数億円と幅があり、事故の状況や怪我のレベルによって変わります。後遺症の有無も示談金に大きく影響します。

また、示談金が上がる・下がるポイントは、主に以下の5つです。

交通事故の示談金が上がる・下がる5つのポイント
・事故で負った後遺症の程度(死亡も含む)
・通院日数、入院期間
・事故に遭った人(被害者)の年収
・算定基準(自賠責基準・任意基準・弁護士基準)
・過失割合

事故の状況や怪我のレベルが同じでも、入通院日数や年収、算定基準によって示談金は変動します。自分のケースの示談金を知りたいなら、似たような事例がないか確認してみてください。

1.賠償金210万円・30代女性・頚椎捻挫と右肩腱板損傷・通院7ヶ月の事例
2.賠償金600万円・60代男性・右鎖骨の骨折・治療期間1年2ヶ月月の事例
3.賠償金1,000万円・30代女性・足の親指を骨折による皮膚の欠損・通院10ヶ月の事例
4.賠償金1,400円・10代男性・外傷性くも膜下出血や顔面骨折・通院約5年の事例
5.賠償金2,351万円・男性・頭部及び股関節の受傷の事例
6.賠償金540万円・30代・右手首の骨折・通院約1年の事例
7.賠償金200万円・首や左肩の打撲と捻挫・通院約半6ヶ月の事例
8.賠償金2,515万円・20代男性・腎臓や膵臓の損傷・通院期間1年以上の事例

また、保険会社に提示される示談金は不当に低いことを覚えておきましょう。保険会社は、最低保証ラインの最も低い自賠責基準をベースに示談金を提示してきます。

そこで「自分がもらえる示談金はこんなものなんだ」と受け入れてしまうと、本来もらえるはずの金額をもらえなくなる可能性があります。

交通事故に遭ったら、相手とトラブルになったり大きな怪我をしていなくても、まずは弁護士に相談することが大切です。交通事故の解決実績が豊富な弁護士に頼れば、専門知識を使って保険会社と対等に交渉できます。

交通事故に巻き込まれたら真っ先に弁護士に相談するべき理由
・本来もらえるはずの示談金を獲得するための証拠集めをサポートできるから
・保険会社が提示する示談内容の不備や穴を見つけて交渉することができるから

弁護士事務所サリュは、既に治療を受けた後でも無料相談を受け入れているので、ぜひ私達にお任せください。

あなたが納得する示談金を受け取れるよう、全力でサポートいたします。