頚椎骨折の後遺症は?残る確率や症状、賠償金を解説
「交通事故で頚椎を骨折してしまった……後遺症が残るのではないか」
「頚椎骨折で後遺症が残ったら、どうなってしまうの?今後の生活は?」
このように、頚椎骨折が原因で重大な後遺症が残るのではないかと、不安を感じていませんか?
頚椎を骨折すると、次のような後遺症が残る可能性があります。
変形障害 | ・痛みを感じる ・首が動かしづらくなる ・背中が曲がる |
運動障害 | ・首がまったく動かない ・通常の半分程度しか首を動かせない |
神経障害 | ・痛みを感じる ・しびれを感じる |
後遺症が残るのではないかと不安を抱えながら治療を続けるのは、つらいことでしょう。
ただ実は、後遺症をできるだけ残さないためにできることがあります。
できるだけ後遺症を残さないためにできること |
・医師の指示通りに治療やリハビリに専念する ・手術後2~3ヶ月は安静に過ごす |
しかし、これらを徹底しても、骨折の程度や骨折箇所によっては、気になる症状が後遺症として残ってしまう場合もあります。
もし後遺症が残ってしまったら、適切な補償を受けることが大切です。
そのためには、事故による頚椎骨折が原因で後遺症が残ったことを証明する必要があり、その準備も今からしておくべきです。
後遺障害に対する適切な補償を受けるためにやるべきこと |
・頚椎骨折の後遺症を証明する検査を受ける ・自覚症状を報告して記録として残す ・交通事故に強い実績豊富な弁護士に相談する |
こうした準備を早い段階から進めれば、後遺症によって以前と同じように生活できなくなったとしても、その分の賠償金を受け取れる可能性が高まります。
もちろん、後遺症が残らないことが一番良い結果ですが、残った場合のことも考えて準備することが、何より大切なのです。
そこで本記事では、以下についてくわしく解説します。
この記事でわかること |
・頚椎骨折で見られる後遺症の症状 ・交通事故の頚椎骨折で後遺症が残る可能性がどのくらいあるか ・後遺症をできるだけ残さないためにやるべきこと ・後遺症が残った場合に請求できる慰謝料などの賠償金について |
最後まで読めば、頚椎骨折で現れる可能性がある後遺症や、今何をすべきかわかります。
事故による怪我の影響を少しでも抑えられるよう後遺症や賠償金について一緒に学んでいきましょう。
この記事の監修者
弁護士 籔之内 寛
弁護士法人サリュ
大宮事務所
埼玉弁護士会
交通事故解決件数 1,500件以上
(2024年1月時点)
【略歴】
2009年 中央大学法科大学院修了
2009年 司法試験合格
2011年 弁護士登録 弁護士法人サリュ入所
【セミナー】
・自賠責後遺障害等級認定基準の運用と裁判(暮らしの中の言語学「ことばの機能障害と言語学」国立民族学博物館主催セミナーにおける講演)
・生保代理店向け 相続、交通事故セミナー
【獲得した画期的判決】
【自保ジャーナル1966号53頁、1973号41頁に掲載】(交通事故事件)
東京高裁平成28年1月20日判決(一審:さいたま地裁平成27年3月20日判決)
【弁護士籔之内の弁護士法人サリュにおける解決事例の一部】
事例86:高次脳機能障害|約8000万円の提示を裁判で1億9000万円に増額
事例79:死亡事故 過失割合が争点 刑事記録や現地調査によりご遺族が納得できる解決に
事例208:会社役員であった被害者の休業損害が訴訟で認められた
事例66:訴訟提起により自賠責等級認定制度に一石を投じる 非該当から14級獲得!
事例204:自賠責14級の膝高原骨折の後遺障害について、異議申立てにより12級に等級変更。
事例209:自賠責非該当・家事労働を行う男性被害者が、賠償金270万円を獲得できた。
交通事故被害に遭われたら、できるだけ早期に、交通事故の被害者側専門弁護士に相談することをおすすめします。これは、弁護士のアドバイスを受けることで、もらえる損害賠償金が大きく変わる場合があるからです。
弁護士法人サリュは、創業20年を迎え、交通事故の被害者側専門の法律事務所として累計20,000件以上の解決実績があります。所属弁護士の多くが1人あたり500件~1000件以上の交通事故解決実績があり、あらゆる交通事故被害者を救済してきました。その確かな実績とノウハウで、あなたのために力を尽くします。
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目次
1. 頚椎骨折で見られる後遺症の症状
記事冒頭でもお伝えしましたが、頚椎は以下の役割を持つ、重要な骨です。
・頭を支える
・神経を守る
・さまざまな方向に動かす
頚椎は脳に近い位置にある神経を守っているということもあり、異常が出るとさまざまな症状が現れる可能性があります。
ここでは、頚椎骨折で見られる後遺症の症状をくわしく紹介します。
・変形障害 ・運動障害 ・神経障害 |
1-1. 変形障害
主な症状 | ・痛みを感じる ・首が動かしづらくなる ・背中が曲がる |
頚椎骨折を負うと、変形障害の後遺症が残る可能性があります。
変形障害とは、骨が元の状態に戻る前にくっついてしまい、変形することです。
特に、圧迫骨折だと押しつぶされるように骨が折れるため、元の状態に戻りにくい傾向があります。
変形障害が残ると、慢性的に痛みを感じたり、寝ている状態から起き上がるのが難しくなったりすることもあります。
1-2. 運動障害
主な症状 | ・首がまったく動かない ・通常の半分程度しか首を動かせない |
頚椎骨折により、運動障害の後遺症が残る場合があります。
運動障害とは、頚椎骨折で首が動かしづらくなったり、自力で頭を支えることができなくなったりする後遺症のことです。
重度の運動障害だと、自力では首をまったく動かせず、金属やプラスチックなどの補装具が必要となる場合があります。
【補装具が必要になった状態のイメージ】
軽度の場合でも、通常の半分程度しか首を動かせず、日常生活に支障が出ることがあるでしょう。
1-3. 神経障害
主な症状 | ・痛みを感じる ・しびれを感じる |
頚椎骨折を負ったことが原因で、神経障害が残るケースもあります。
神経障害とは、頚椎を骨折したことにより神経を損傷し、慢性的な痛みや痺れを感じる後遺症のことです。
神経障害が残ると、治療終了後も慢性的な痛みやしびれを感じることがあります。
頚椎骨折によって頚髄が損傷すると、更に重い後遺症が残る可能性がある |
頚椎骨折によって頚髄が損傷している場合は、重度の神経障害などが残る可能性が高いです。 ・手や足が麻痺する ・歩けない ・物を持てない 重度の場合、日常生活で介護が必要になったり、以前と同じ仕事に就けなくなったりする場合もあります。 現れる症状は、損傷した部位、以下全ての症状です。神経の損傷によって麻痺や呼吸困難になる恐れもあるため、注意が必要です。 以下は、骨折箇所別に、頚髄(神経)を損傷した場合に起こり得ることをまとめたものです。 C1:呼吸困難・麻痺・まったく動かせない C2:呼吸困難・麻痺・まったく動かせない C3:呼吸困難・麻痺・まったく動かせない C4:呼吸困難・首や肩を動かしづらくなる C5:肩やひじを動かしづらくなる C6:ひじや手首、指を動かしづらくなる C7:指を動かしづらくなる 事故直後は神経を損傷していなくても、折れた骨が動いて頚髄が損傷する可能性もあるため、医師の指示に従い安静にしてください。 |
2. 交通事故による頚椎骨折で後遺症が残る可能性
頚椎骨折を負った場合、変形した状態で症状が固定されたり、動かしにくくなったりする後遺症が残る可能性があることをお伝えしました。
頚椎骨折を負っても、頚髄損傷にまで至っていない場合は、常に介護が必要になるほどの後遺症が残る可能性は高くありません。
ただ、程度に関係なく、後遺症が残れば日常的に不便を感じることになります。
このため、「重大な後遺症が残るわけではないかもしれない」と、楽観視してはいけません。
後遺症が残る可能性を限りなく低くするために治療に励むことが、今のあなたにとって一番大事なことです。
具体的にどうすれば良いかは続けて解説します。
3. 頚椎骨折の後遺症をできるだけ残さないためにやるべきこと
交通事故で頚椎骨折し、神経まで損傷すると重い後遺症が残りやすいことを解説しました。
事故に遭ったあなたにとって最も良いのは、後遺症が残らず、事故前と同じ生活ができることでしょう。
3章では、頚椎骨折の後遺症をできるだけ残さないためにやるべきことを、2つ紹介します。
・医師の指示通りに治療やリハビリに専念する ・手術後2~3ヶ月は安静に過ごす |
3-1. 医師の指示通りに治療やリハビリに専念する
頚椎骨折の後遺症をできるだけ残さないために、医師の指示通りに治療やリハビリに専念しましょう。
なぜなら、受傷後すぐの治療やリハビリ内容が、症状の改善に影響する場合があるからです。
頚椎骨折の治療方法は、主に以下の2つです。
【頚椎骨折の主な治療方法】
保存療法 安静にして回復を目指す方法 | 骨折の程度が比較的低い場合 頚椎装具で首を固定し骨がくっつくのを待つ |
手術療法 手術して回復を目指す方法 | 骨がずれていたり、折れた骨の一部が 転移したりしている場合、手術をしてから 首を固定し状態が安定するのを待つ |
また、ある程度改善してきたタイミングで、首を動かしたり筋力をつけたりするために、リハビリを開始することも大事です。
あなたの怪我の程度に合う適切な治療やリハビリを行わなければ、本来治るはずの症状が治らなくなる恐れがあります。
なるべく後遺症が残らないよう、必ず医師の指示通りに通院やリハビリを行いましょう。
3-2. 日常生活のなかで無理して動かない
頚椎骨折の後遺症を残さないために、日常生活で無理して動かないことも大事です。
自分では激しい運動だと思っていない動きも、後遺症が残る原因となる場合があるため、以下のような行動も避けたほうが良いでしょう。
頚椎骨折を負った方が避けるべき日常生活の行動の例 |
・仰向けに寝る ・重いものを持つ ・かがんだり体をひねったりする |
※上記はあくまで一例です。主治医の指示に従ってください。
特に、靴を脱ぐ・呼びかけられたときに振り向く・頭を洗うなど、普段の何気ない行動が首に負担をかけることがあります。
「これくらいなら大丈夫だろう」などと思わず、医師に禁止されたことはやらないようにすれば、後遺症が残る可能性を少しでも減らせるでしょう。
4. 頚椎骨折の後遺症が残った場合は後遺症に対する慰謝料などの賠償金を請求できる
3章では、頚椎骨折の後遺症をできるだけ残さないためにあなたができることを、解説しました。
ただ、あなたがどれだけ努力をしても、骨折した箇所が悪かった・骨折の程度が重かった、などの理由で後遺症が残ることはあります。
そうなってしまった場合は、頚椎骨折を負ったことに対してはもちろん、後遺障害が残ったことに対しても慰謝料などの賠償金を請求できます。
以下は、頚椎骨折を負ったあなたが請求できる可能性がある、賠償金項目です。
治療費 | 怪我の治療にかかったお金 |
入通院慰謝料 | 怪我の治療による入通院で生じた精神的損害に対するお金 ※入通院期間や後遺症の重さで金額が変動する |
休業損害 | 怪我の治療が原因で仕事を休んだ場合に受け取れるお金 ※事故前の収入によって金額が変わる |
後遺障害慰謝料 | 後遺障害が残り、精神的苦痛を感じたことに対して支払われるお金 ※等級ごとに金額が決められている |
後遺障害逸失利益 | 事故に遭い怪我をしていなければ、本来受け取れたはずの利益 |
「後遺障害慰謝料」と「後遺障害逸失利益」は、治療しても治らなかった後遺症が、交通事故によるもの(後遺障害)だと認められた場合のみ、受け取れます。
ここでは、後遺障害慰謝料と後遺障害逸失利益がどのようなお金か解説します。
4-1. 後遺障害慰謝料
後遺障害慰謝料とは、交通事故で頚椎骨折を負い、後遺障害が残り精神的苦痛を感じたことに対して支払われるお金です。
後遺障害慰謝料は、後遺障害認定で等級を認定された場合に受け取れます。
後遺障害認定と等級について |
後遺障害認定とは、治療後に残った症状が交通事故によるもの(後遺障害)だと認めてもらうこと。症状の重さによって1~14級が認定され、数字が小さいほど症状が重いことを意味する。 |
※後遺障害認定の基本知識や、認定を受けるために必要なことは、
の記事でくわしく解説しています。
頚椎骨折が原因で首の痛みやしびれが残るのは、つらいことでしょう。
後遺障害等級が認められれば、そのつらい思いに対する賠償金を受け取れるのです。
4-2. 後遺障害逸失利益
後遺障害逸失利益とは、頚椎骨折を負って後遺症が残っていなければ、本来受け取れたはずの収入のことです。
・事故前の収入
・年齢
・どのくらいの労働能力を失ったか
・何年分の収入を失う可能性があるのか
・後遺障害等級
などの要素をもとに、計算されます。
後遺障害逸失利益の計算式 |
基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に相当するライプニッツ係数 |
後遺障害逸失利益は、被害者一人ひとり金額が異なるものです。
後遺障害逸失利益をしっかり請求して受け取ることができれば、頸椎骨折による後遺症が残り、以前のように働けなくなっても、安心して過ごせるでしょう。
後遺障害逸失利益に関するくわしい解説は
の記事をご覧ください。
5. 頚椎骨折の後遺症に対する慰謝料などの賠償金は後遺障害等級に左右される
頚椎骨折で後遺症が残った場合に受け取れる賠償金項目が、どのようなものかお分かりいただけたでしょう。
実は、後遺障害慰謝料や逸失利益を含む賠償金は、後遺障害と等級に大きく左右されます。
頚椎骨折を負った方の後遺障害等級は、6・8・11・12・14級です。
以下のように、残った症状の程度によって、等級が認定されます。
【変形障害】
6級 | 脊柱に著しい変形又は運動障害を残すもの |
8級 | (脊柱に運動障害を残すもの) |
11級 | 脊柱に変形を残すもの |
【運動障害】
6級 | 脊柱に著しい変形又は運動障害を残すもの |
8級 | 脊柱に運動障害を残すもの |
【神経障害】
12級 | 局部に頑固な神経症状を残すもの |
14級 | 局部に神経症状を残すもの |
※脊髄を損傷し、麻痺や歩行障害などの後遺症が残った場合は、12級以上の等級を認定される可能性が高いです。
後遺障害認定では、症状が重いほど等級が上がり、請求できる金額が多くなります。
以下に、後遺障害等級別の、後遺障害慰謝料金額をまとめました。
【等級別の後遺障害慰謝料】
等級 | 後遺障害慰謝料 (弁護士基準) |
6級 | 1180万円 |
8級 | 830万円 |
11級 | 420万円 |
12級 | 290万円 |
14級 | 110万円 |
等級によって、数百~数千万円の差が出る場合もあることがお分かりでしょう。
また、後遺障害逸失利益も、等級が高いほうが金額は上がります。
例えば、同じ頚椎骨折でも、6級と11級では以下の通り金額が変わるのです。
【後遺障害逸失利益の一例】
後遺障害等級 | 25歳男性 後遺障害逸失利益 | 25歳女性 後遺障害逸失利益 |
6級 | 8812万 | 6262万 |
11級 | 2630万 | 1869万 |
上記表は、
上記表は、 ・25歳男性 基礎収入5,549,100円 ・25歳女性 基礎収入3,943,500円 の条件の場合の一例です。 基礎収入は、令和4年の全学歴、年齢別、男女別の平均収入を前提としています。 |
このように、後遺障害等級によって、賠償金の金額は大きく左右されます。
そのため、自分の症状に応じた適正な等級を認定してもらうことが重要です。
6. 頚椎骨折の後遺障害は症状により様々!自分で進めると不当に低い等級を認定されるリスクあり
5章までの解説をお読みいただき、後遺障害等級で賠償金が左右されることをご理解いただけたのではないでしょうか。
大事なのは、頚椎骨折によって後遺症が残ったら、適正な等級を受けることです。
ただ、自分だけで準備を進めると、不当に低い後遺障害等級を認定されるリスクがあるため注意してください。
自分だけで後遺障害認定の準備を進めるべきではない理由は、以下の通りです。
自分だけで後遺障害認定の準備を進めるべきではない理由 |
・等級の幅が広いから ・全等級の違いを把握し、自分に該当する等級の申請をするのは難しいから |
頚椎骨折によって認定される可能性がある等級は、6~14級と幅広いです。
「5.頚椎骨折の後遺症に対する慰謝料などの賠償金は後遺障害等級に左右される」でも解説した通り、等級がひとつ変わるだけで、賠償金が数百万円も上下することもあります。
頚椎骨折によって骨が変形しているのに、6級になる場合もあれば、8級になる場合もあるということです。
また、後遺障害等級の認定を受けるには、自分がなぜ〇級相当の後遺障害だといえるのか、証拠を集めて書類上で証明しなければなりません。
そのためには、全等級の違いを把握する必要があります。
これらを行ったうえで後遺障害認定を申請しなければ、結果的にあなたの症状に該当する等級より低くなってしまう可能性があるのです。
等級の幅が広く、自分に該当する等級を見極めて証拠を集めるのが難しいため、後遺障害認定の申請を一人で進めることはおすすめできません。
7. 後遺障害認定を受けるために今からあなたができること
6章では、後遺障害認定の申請準備を自分だけで進めると、不当に低い等級を認定されるリスクがあることを解説しました。
では、自分の症状に見合う後遺障害等級を認定してもらうためには、どうすればよいのでしょうか。
ここでは、後遺障害認定の申請に向けて、あなたが今からできることをお伝えします。
・頚椎骨折の後遺症を証明する検査を受ける ・後遺症について細かく記載された後遺障害診断書を用意する ・交通事故に強い実績豊富な弁護士に相談する |
7-1. 頚椎骨折の後遺症を証明する検査を受ける
後遺障害認定を受けるために、頚椎骨折を証明する検査を受けましょう。
頸椎骨折の後遺症を証明するには、
・レントゲン
・CT
・MRI
などの精密検査が欠かせません。
運動障害があらわれている場合は、どの程度動かないのかを証明するために、関節可動域(Rangeof Motion: ROM)の測定が必要となるケースもあります。
後遺障害認定は、後遺症を証明する検査結果がないと認められづらい傾向にあるものです。
例えば、「首が左に動かせない」「慢性的な痛みが続いている」などの症状があるなら、その症状が現れていることを画像などで証明する必要があるのです。
そのため、後遺症が残る可能性があるのに精密検査や可動域の測定を行っていないのであれば、医師に相談してみましょう。
7-2. 自覚症状を報告して記録として残す
治療中でも、気になる症状があるなら主治医に逐一報告し、記録として残しましょう。
後遺障害認定の申請時に提出する診断書には、自覚症状を記載する欄があります。
自覚症状は、後遺障害等級を決める際に重視される部分でもあるため、今のうちから細かく記録しておくべきです。
我慢できないほど痛むわけではないから……などと遠慮して報告しないようなことはせず、どのような小さな症状でも必ず伝えておきましょう。
7-3. 交通事故に強い実績豊富な弁護士に相談する
後遺障害認定を申請して正当な等級を認めてもらうために、弁護士に相談することも、あなたができることです。
特に、交通事故に強い実績豊富な弁護士は、以下について理解しています。
・交通事故で頚椎骨折を負った方の後遺症
・頚椎骨折で後遺症が残った方が該当する後遺障害等級
・後遺障害等級が認められるために必要な証拠や検査
後遺障害認定は、専門知識がないと後遺症を証明できる診断書を用意できず、申請しても非該当となったり低い等級が認定されたりするリスクがあります。
法律や医療の知識が豊富な弁護士がいれば、後遺障害認の申請前からサポートしてもらえるため、弁護士への相談も検討してみてください。
8. まとめ
本記事では、頚椎骨折の後遺症や、後遺症が残った場合の準備について解説しました。
重要なポイントをまとめます。
〇頚椎骨折の後遺症
変形障害 | ・痛みを感じる ・首が動かしづらくなる ・背中が曲がる |
運動障害 | ・首がまったく動かない ・通常の半分程度しか首を動かせない |
神経障害 | ・痛みを感じる ・しびれを感じる |
〇頚椎骨折を負っても、神経を損傷していない場合は、介護が必要になるほどの後遺症が残る可能性は高くない
〇頚椎骨折の後遺症をできるだけ残さないためにやるべきこと
・医師の指示通りに治療やリハビリに専念する ・手術後2~3ヶ月は安静に過ごす |
〇頚椎骨折の後遺障害に対する賠償金は後遺障害等級に左右される
〇後遺障害認定を受けるために今からあなたができること
・頚椎骨折の後遺症を証明する検査を受ける ・頚椎骨折の後遺症を証明する検査を受ける ・交通事故に強い実績豊富な弁護士に相談する |
もし後遺症が残っても、本記事の内容を参考に今から準備すれば適正な補償を受けられるため、まずは後遺症が残らないよう治療に集中しましょう。
あなたにつらい後遺症が残らないことを、祈っています。