後遺障害7級とは?認定される症状や受け取れる賠償金について解説

「後遺障害7級が認定されるのはどのような症状?」
「自分の症状は後遺障害7級程度のもの?認定されたらどのくらいお金を受け取れる?」

このように、ご自身またはご家族が交通事故により大怪我をして、後遺障害7級が認定されるかどうか、気になっていませんか?

後遺障害は、怪我をした部位や症状の程度ごとに等級が異なります。
下記の症状に該当する場合のみ、7級が認定されます。

後遺障害が残った部位後遺障害の内容
目の障害1号:一眼が失明し、他眼の視力が0.6以下になったもの
耳の障害2号:両耳の聴力が40cm以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
3号:一耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が1m以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
神経系統や精神の障害4号:神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
内臓の障害5号:胸腹部臓器の機能に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
上肢の障害6号:一手のおや指を含み三の手指を失ったもの又はおや指以外の四の手指を失ったもの
7号:一手の五の手指又はおや指を含み四の手指の用を廃したもの
9号:一上肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの
下肢の障害8号:一足をリスフラン関節以上で失ったもの
10号:一下肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの
11号:両足の足指の全部の用を廃したもの
頭・顔・首の傷跡12号:外貌に著しい醜状を残すもの
生殖機能の障害13号:両側の睾丸を失ったもの

しかし、こうした症状により後遺障害7級が認定されたとしても、加害者側は正当な賠償金を提示してくれないケースがあることをご存じですか?

将来への影響も出るほどの後遺障害が残ったにもかかわらず、加害者側は後遺障害を軽視したり賠償金を少なく提示してきたりすることがあるのです。

もう事故前と同じ生活を送れないかもしれないのに、そのような対応をされるのは、許せないでしょう。

そこでこの記事では、後遺障害7級が認定される基準や症状、受け取れる賠償金などをくわしく解説します。

最後まで読めば、ご自身または事故に遭った家族が後遺障害7級相当の怪我をしているのか理解でき、正当な賠償金の獲得に向けて一歩踏み出せるはずです。

7級が認められた実例も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

この記事の監修者
弁護士 木村 高康

弁護士法人サリュ
萩事務所
山口県弁護士会

交通事故解決件数 400件以上
(2024年1月時点)
【略歴】
大阪大学法学部法学科 大阪大学大学院高等司法研究科
【裁判実績等】
死亡事故、高次脳機能障害や引き抜き損傷等の重度後遺障害の裁判経験
人身傷害保険や労災保険等の複数の保険が絡む交通事故の裁判経験
その他、多数
【弁護士木村の弁護士法人サリュにおける解決事例(一部)】
・信号のある交差点での出合頭事故で当事者双方が事故の対面信号が青である旨の主張をしていた事案において、裁判で当方の依頼者の対面信号が青であり過失割合は0:100である旨の判決を得た事例
・CRPSについて自賠責では非該当とされた事案で、CRPSと矛盾しない残存症状が残ったこと等を理由に慰謝料等を裁判基準から増額して和解した事例
・事故により肘関節骨折を負った被害者が、残存した膝の疼痛について人身傷害保険会社から14級9号の認定を受けた事案において、訴訟で関節面の不整等を丁寧に立証することにより、12級13号に該当することを前提に和解した事例

弁護士法人サリュは、交通事故の被害者側専門で20,000件以上の解決実績を誇る法律事務所です。

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1. 【部位別】後遺障害7級が認定される症状は?

まずは、後遺障害7級が認められる症状を、怪我をした部位別に紹介します。

後遺障害が残った部位後遺障害の内容
目の障害1号:一眼が失明し、他眼の視力が0.6以下になったもの
耳の障害2号:両耳の聴力が40cm以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
3号:一耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が1m以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
神経系統や精神の障害4号:神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
内臓の障害5号:胸腹部臓器の機能に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
上肢の障害6号:一手のおや指を含み三の手指を失ったもの又はおや指以外の四の手指を失ったもの
7号:一手の五の手指又はおや指を含み四の手指の用を廃したもの
9号:一上肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの
下肢の障害8号:一足をリスフラン関節以上で失ったもの
10号:一下肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの
11号:両足の足指の全部の用を廃したもの
頭・顔・首の傷跡12号:外貌に著しい醜状を残すもの
生殖機能の障害13号:両側の睾丸を失ったもの

※「号」は症状の程度や部位によってさらに細かく分けたものです。2号より3号が重い、というようなルールはありません。

1-1. 目の障害|7級1号

7級1号
後遺障害の内容一眼が失明し、他眼の視力が0.6以下になったもの
認定基準【失明の定義】
眼球を摘出した 光の明暗が完全にわからない
光の明暗が辛うじてわかる  
矯正後(コンタクトレンズや眼鏡使用後)の視力が0.6以下の場合のみ
検査方法視力の測定は、原則、一般的な視力検査で使用される「万国式試視力表」を用いる

目の障害で認定される可能性があるのは、後遺障害7級1号です。

事故による怪我が原因で、片方の目が見えなくなり、もう片方の目の視力が0.6以下になった方などが認定される可能性があります。

目の後遺症で後遺障害7級が認定された場合、日常生活において下記のような影響が出る可能性が高いです。

日常生活への影響
・人ごみや段差での歩行が怖くなる
・自転車や自動車の運転ができなくなる
・文字を読むのが難しくなる
・パソコンやスマートフォンを操作したりするのが難しくなる など

1-2. 耳の障害|7級2号、3号

7級2号
後遺障害の内容両耳の聴力が40cm以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
認定基準・両耳の平均純音聴力レベルが70dB以上のもの
・両耳の平均純音聴力レベルが50dB以上、かつ、最高明瞭度が50%以上のもの
検査方法病院での聴力検査 (標準純音聴力検査、語音聴力検査など)

7級3号
後遺障害の内容一耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が1m以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
認定基準・片耳の平均純音聴力レベルが90dB以上 で、かつ、もう一方の耳の平均純音聴力レベルが60dB以上
検査方法病院での聴力検査 (標準純音聴力検査、語音聴力検査など)

※平均純音聴力レベル:どのくらい小さな音が聞こえるか 
※最高明瞭度:言葉をどの程度明確に聞き取れるか

耳の障害で認定される可能性があるのは、後遺障害7級2号または3号です。

事故による怪我が原因で、

・両耳が聞こえづらくなり、40㎝以上の距離では会話するのが難しくなった方
・片耳がまったく聞こえなくなり、もう片方も1m以上の距離だと会話の内容を認識できない方

などが認定される可能性があります。

耳の後遺症で後遺障害7級が認定された場合、日常生活において下記のような影響が出る可能性が高いです。

日常生活への影響
・相手が普通の声で話してもほとんど聞こえない
・電話やテレビの音声を聞き取れない
・会話中心の業務(接客・営業など)が難しくなる
・車や自転車の接近音に気づけず、事故のリスクが高まる など

1-3. 神経系統や精神の障害|7級4号

7級4号
後遺障害の内容神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
認定基準高次脳機能障害、外傷性脳損傷、脊髄損傷などにより、  
・手足をスムーズに動かせない
・記憶障害や集中力の低下   などの症状が残り、働けるが簡単な作業しかできない状態
検査方法・MRIやCT
・記憶、注意、言語、空間認知などを評価する検査

神経系統や精神の障害で認定される可能性があるのは、後遺障害7級4号です。

事故による怪我が原因で、神経や精神に障害が残り、事故前と同じように働けなくなった方などが認定される可能性があります。

日常生活においては、下記のような影響が出る可能性が高いです。

日常生活への影響
・日常的な家事や買い物が難しくなる(すぐに忘れてしまう)
・周囲の空気が読めず、人間関係の構築が難しくなる
・ボタンをかける、階段を上るなどの動作が難しくなる など

1-4. 内臓の障害|7級5号

7級5号
後遺障害の内容胸腹部臓器の機能に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
認定基準呼吸器や循環器、消化器、泌尿器などの障害により、働けるが極めて軽い作業の仕事しかできない状態
検査方法症状に合わせた検査を行う

内臓の障害で認定される可能性があるのは、後遺障害7級5号です。

事故による怪我が原因で、

・肺活量が減り、呼吸困難が現れる方
・胃の切除により、食後にめまいがする方
・尿を我慢できなくなり、終日パットの装着が必要方 

などが認定される可能性があります。

内臓の障害で後遺障害7級が認定された場合、日常生活において下記のような影響が出る可能性が高いです。

日常生活への影響
・少し歩いただけで息切れする
・動悸や息苦しさで長時間働けない
・排便のコントロールができない など

1-5. 上肢の障害|7級6・7・9号

7級6号
後遺障害の内容一手のおや指を含み三の手指を失ったもの又はおや指以外の四の手指を失ったもの

※手指を失う:根元からなくなること

7級7号
後遺障害の内容一手の五の手指又はおや指を含み四の手指の用を廃したもの                

※用を廃する:指の第1関節から先の骨の半分以上を失う、または指の付け根の関節に著しい運動障害が残る

7級9号
後遺障害の内容一上肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの                                               

※偽関節:治療を続けても骨がうまくつながらず、関節ではない部分が関節のようになってしまう状態

上肢の障害で認定される可能性があるのは、後遺障害7級6号、7号、9号です。

事故による怪我が原因で、

・片方の親指を含む3本の指、または親指以外の4本を根元から失った方
・片方の5本の指、または親指を含む4本の指の第一関節から先の骨の半分以上を失った方
・片方の腕が動かしにくく、常に補装具が必要な方

などが認定される可能性があります。

上肢の障害で後遺障害7級が認定された場合、日常生活において下記のような影響が出る可能性が高いです。

日常生活への影響
・自転車や車の運転ができない
・ペンを持ったり文字を書いたりできない
・重いものを持ったり身体を支えたりできない など

1-6. 下肢の障害|7級8・10・11号

7級8号
後遺障害の内容一足をリスフラン関節以上で失ったもの                                       

※リスフラン関節:5本の足指の骨と足の甲の骨の間にある関節

7級10号
後遺障害の内容一下肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの                         

※偽関節:治療を続けても骨がうまくつながらず、関節ではない部分が関節のようになってしまう状態

7級11号
後遺障害の内容両足の足指の全部の用を廃したもの                         

※用を廃する:指の第1関節から先の骨の半分以上を失う、または指の付け根の関節に著しい運動障害が残る

下肢の障害で認定される可能性があるのは、後遺障害7級8号、10号、11号です。

事故による怪我が原因で、

・片足の、5本の足指の骨と足の甲の骨の間にある関節から先を失った方
・片足の一部が動かしにくく、常に補装具が必要な方
・両足のすべての指の第一関節から先の骨の半分以上を失った方、すべての指が動かしにくくなった方

などが認定される可能性があります。

下肢の障害で後遺障害7級が認定された場合、日常生活において下記のような影響が出る可能性が高いです。

日常生活への影響
・歩く、座るなどをスムーズにできない
・長時間歩けない
・着替えや入浴に介助が必要になる
・歩行時に痛みを感じる など

1-7. 頭・顔・首の傷跡|7級12号

7級12号
後遺障害の内容外貌に著しい醜状を残すもの                         

頭や顔、首の傷跡で認定される可能性があるのは、後遺障害7級12号です。

事故による怪我が原因で、次のような人目に付く程度の傷跡が残った方が認定される可能性があります。

・頭部に手のひら大以上の大きさの傷跡や頭蓋骨の欠損がある
・顔面に鶏の卵大以上の傷跡や10円玉の大きさ以上の組織陥没がある
・頸部に手のひら大以上の大きさの傷跡がある

日常生活では、下記のような影響が出る可能性が高いです。

日常生活への影響
・人目が気になり外出する際にストレスを感じる
・心理的な問題により人前に立つ仕事ができなくなる
・海やプール、温泉などを楽しめなくなる など

1-8. 生殖機能の障害|7級13号

7級13号
後遺障害の内容両側の睾丸を失ったもの                         

生殖機能の障害で認定される可能性があるのは、後遺障害7級13号です。

片側の睾丸を失った場合は、7級ではなく、後遺障害13級が認められるケースがあります。

生殖機能の障害で後遺障害7級が認定された場合、日常生活において下記のような影響が出る可能性が高いです。

日常生活への影響
・子供を持てない など

2ヶ所以上怪我をした方について
2ヶ所以上怪我をしている方は、7級以上の後遺障害等級が認められる可能性があります。  

例えば、7級相当の目の障害と上肢の障害が残れば、2つの怪我を合わせて併合5級になる可能性もあるのです。  

【実際の例】
外貌醜状(7級)、右眼球障害(12級)で併合6級
高次脳機能障害(7級)、左鎖骨の変形障害(12級)、左耳難聴(12級)で併合6級
右前頭部の線状痕(7級)、骨盤骨折の変形(11級)で併合6級

このため、あなたが思っているよりも高い等級に該当するケースもあります。 はじめから7級だと決めつけず、等級の詳細については、交通事故に詳しい弁護士や医師に確認することをおすすめします。

2. 交通事故による怪我で後遺障害7級が認められた事例

1章では、後遺障害7級に該当する基準や症状を紹介しました。ご自身が7級に当てはまりそうか、見当がついた方もいらっしゃるでしょう。

ただ、どのような怪我を負った場合に7級に認定されるのか、7級に認定されるとどうなるのか、より詳しく実情を把握しておきたいところです。

そこでここでは、当弁護士事務所サリュが過去に対応した案件のなかから、後遺障害7級が認定された事例を5つご紹介します。

1.【賠償金2,351万円】高次脳機能障害が残った男性のケース
2.【賠償金3,150万円】両上肢のしびれ・頚椎運動制限が残った男性のケース
3.【賠償金2,900万円】顔面に複数の傷跡が残った女性のケース
4.【賠償金3,600万円】顔面の傷跡やしびれなどが残った女性のケース
5.【賠償金5,075万円】高次脳機能障害が残った男性のケース

どのような怪我や後遺障害で7級が認められるのか、どのくらいのお金を受け取れる可能性があるのかなど、ご自身と似たようなケースがあればぜひ参考にしてください。

2-1. 【賠償金2,351万円】高次脳機能障害が残った男性のケース

賠償金額2,351万円
事故の状況横断歩道付近を横断中に前方不注視の自動車にはねられる
怪我の種類頭部及び股関節を受傷

Pさんは通勤途中、横断歩道付近を横断中に、前方不注視の自動車にはねられ、頭部及び股関節を受傷しました。

2つの病院で、高次脳機能障害と左腸骨骨折のリハビリを行っていました。

サリュの弁護士は、2つの病院にそれぞれ後遺障害診断書等作成願を送付し、主治医に後遺障害診断書等を作成してもらいます。その後、後遺障害認定を申請したところ、Pさんの後遺障害で7級が認められました。

後遺障害等級が認められた後も、後遺障害逸失利益などの交渉が続きましたが、サリュの弁護士が粘り強く対応しました。

最終的にPさんは、自賠責保険金を含め損害賠償金2,351万円を受け取ることができました。

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2-2. 【賠償金3,150万円】両上肢のしびれ・頚椎運動制限が残った男性のケース

賠償金額3,150万円
事故の状況自転車を運転中に自動車と接触し転倒
怪我の種類頚髄損傷

40代のHさんは、自転車を運転中に自動車と接触して転倒し、頚髄損傷を負いました。

両手のしびれがひどく、仕事も休まざるを得ませんでしたが、加害者側の保険会社が休業の必要性を認めてくれなかったため、サリュに相談しに来てくださいました。

その後、Hさんはサリュの弁護士とともに加害者側と交渉。結果、事故発生から1年分の休業損害を受け取ることができたのです。

そして両上肢のしびれ・頚椎運動制限の症状については7級が認められ、最終的に3,150万円の賠償金を受け取ることができました。

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2-3. 【賠償金2,900万円】顔面に複数の傷跡が残った女性のケース

賠償金額1,100万円→2,900万円
事故の状況知人の運転する自動車の後部座席に乗車中、別の自動車と衝突
怪我の種類窓ガラスによって顔に傷がつく

10代のSさんは、知人の運転する自動車に乗車中、別の自動車と衝突しました。事故の際、窓ガラスが割れてSさんの顔に飛んできたため、顔に傷を負ってしまいました。

1年以上治療しましたが、複数の線状痕及び傷跡が顔に残り、後遺障害7級が認められます。

しかし、相手保険会社は、顔の傷は仕事に影響を与えないとして、賠償金1,100万円しか支払わないと主張してきたのです。

サリュの弁護士は、顔面の傷でも逸失利益は認められるべきだと考え、訴訟を起こしました。
弁護士はSさんに一切責任がないこと、今後の対人関係への影響などを主張します。

結果、裁判所がこちらの主張を受け入れ、2,900万円以上の賠償金で和解することができました。

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2-4. 【賠償金3,600万円】顔面の傷跡やしびれなどが残った女性のケース

賠償金額3,600万円
事故の状況歩道を歩いている際、バイクと乗用車の衝突によって飛んできた物体が顔面に当たる
怪我の種類顔面多発骨折等

20代のJさんは、歩道を歩いている際、バイクと乗用車の衝突によって飛んできた物体が顔面に当たり、顔面多発骨折等の大怪我を負いました。

Jさんは救急搬送され、緊急手術も行いましたが、頬骨や鼻の骨は折れ、右眼も陥没してしまいました。

その後もJさんは何度も手術を受け、少しずつ日常生活を取り戻します。
事故から1年半が経ちましたが、顔面には醜状痕や複視、しびれなどが残りました。

そこでJさんはサリュに相談に来てくださり、弁護士が後遺障害診断書の準備からサポートした結果、後遺障害7級が認められます。

しかし、相手保険会社は「逸失利益は必要ない」という考えを主張してきたのです。

サリュは保険会社と交渉を続け、顔の傷跡でも労働能力の喪失に影響があると主張。

最終的に、Jさんは治療費以外に3,600万円の賠償金を受け取ることができました。

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2-5. 【賠償金5,075万円】高次脳機能障害が残った男性のケース

賠償金額5,075万円
事故の状況信号機のない交差点を横断していたところ、進行方向左側から右折してきた加害車両と衝突
怪我の種類脳挫傷、外傷性くも膜下出血、右脛骨高原骨折等

40代のEさんは、信号機のない交差点を横断していたところ、進行方向左側から右折してきた加害車両と衝突し転倒しました。Eさんは、脳挫傷、外傷性くも膜下出血、右脛骨高原骨折等の傷害を負いました。

骨折についてはある程度回復しましたが、Eさんの家族は、事故後Eさんが怒りっぽくなったと感じるようになったり、仕事でミスをしたりしたため、サリュに相談に来てくださいました。

サリュの弁護士は、Eさんが高次脳機能障害であると考え、専門医のいる病院へ連れていき、必要な検査を行います。

そして後遺障害認定を申請した結果、後遺障害7級が認められたのです。

その後の示談交渉もスムーズに進めることができ、Eさんは5,075万円を受け取ることができました。

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3. 後遺障害7級の方が受け取れる慰謝料を含む賠償金

2章では、当弁護士事務所で後遺障害7級が認められた事例を、賠償金の金額と共に紹介しました。

次に気になるのは、「7級が認められた場合、どのようなお金をどれくらい受け取れるのか」という点ではないでしょうか。

そこで3章では、後遺障害7級の方が受け取れる慰謝料を含む賠償金について解説します。

後遺障害7級の方が受け取れる賠償金は、

・怪我をして治療を要する場合に受け取れるお金
・後遺障害が残った場合に受け取れるお金

の大きく2つに分類できますが、今回は後遺障害に対する賠償金について詳しく見ていきましょう。

怪我をして治療を要する場合に受け取れる・治療費
(怪我の治療にかかったお金)
・入通院慰謝料
(怪我の治療による入通院で生じた精神的損害に対するお金)
・休業損害
(怪我の治療が原因で仕事を休んだ場合に受け取れるお金) など
後遺障害が残った場合に受け取れる・後遺障害慰謝料
(後遺障害が残り、精神的苦痛を感じたことに対して支払われるお金)
・後遺障害逸失利益
(事故に遭い怪我をしていなければ、本来受け取れたはずの利益)
・その他
(将来の治療費など)

※交通事故の被害者の方が受け取れるお金の全体像をお知りになりたい場合は以下の記事も合わせてご覧ください。

3-1. 後遺障害慰謝料

交通事故による怪我で、治療したにもかかわらず後遺障害が残り、後遺障害7級が認められた方は、後遺障害慰謝料を受け取ることができます。

後遺障害慰謝料とは
後遺障害が残り、精神的苦痛を感じたことに対して支払われるお金
※等級(症状の重さ)によって金額が変わる

後遺障害7級の後遺障害慰謝料相場は、419万~1,000万円です。

相場に差がある理由は、計算基準によって算出される金額が異なるからです。

【計算基準別|後遺障害7級の後遺障害慰謝料相場】

自賠責基準弁護士基準
419万円1,000万円

交通事故の慰謝料を計算する際の基準は、以下のように3つあります。

実は、加害者側の保険会社は、「最低保証ライン」である自賠責基準で計算した金額(419万円)を提示してくることが多い傾向にあります。

もし、保険会社に1,000万円より低い後遺障害慰謝料を提示されたらそのまま受け入れず、必ず弁護士に相談しましょう。

後遺障害慰謝料の金額や計算方法については以下の記事でくわしく解説しています。

3-2. 後遺障害逸失利益

交通事故による怪我で後遺障害7級が認められた方は、後遺障害逸失利益を受け取れます。

後遺障害逸失利益とは
事故に遭い怪我をしていなければ、将来受け取れたはずの利益に対する補償。
後遺障害が原因で以前と同じ職に就けなくなったり、仕事を失ったりした場合に受け取れる。

後遺障害逸失利益の金額は、次の計算式をもとに算出します。

【計算式】
1年あたりの基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数  

※1年あたりの基礎収入とは:
被害者が事故に遭う前の年収などから算出する  

※労働能力の喪失割合:
後遺障害の影響で事故前と比べて「労働能力がどの程度失われたか」という割合。7級の場合は一般的に56%で計算される。  

※ライプニッツ係数:
将来もらえたはずのお金を現在の価値に直すための係数

以下に、後遺障害7級が認定された方の後遺障害逸失利益の一例を、男女別にまとめました。

後遺障害等級2535455565
男性7841万 6734万 6102万 4581万 1988万
女性5567万 4949万 4134万 2852万 1550万

※上記は以下の基礎収入を仮定し算出した金額です。具体的な金額はケースにより異なります。  

25歳:男性5,908,100円・女性:4,194,400円
(※令和6年の全学歴、全年齢、男女別の平均収入を前提)
35歳:男性5,897,800円・女性4,334,500円
45歳:男性6,837,700円・女性4,629,200円
55歳:男性7,242,100円・女性4,508,600円
65歳:男性4,162,800円・女性3,246,800円
(※令和6年の全学歴、年齢別、男女別の平均収入を前提)

ただ、後遺障害逸失利益は、年齢や事故前の収入などによって大きく変動するもののため、上記はあくまで一例です。

後遺障害逸失利益について、より詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

3-3. その他(将来の治療費など)

後遺障害によって将来発生する可能性があるお金も、加害者側に請求できます。

認められる可能性があるのは、下記のような費用です。

・将来発生する治療費
・将来発生するリハビリ代
・将来発生する手術費
・将来発生する装具費(めがね代、コンタクト代、義歯代など) など

実際の事例でも、次のような費用が賠償金として認められています。

【1.将来発生するお金が賠償金として認められた事例】

左目失明(8級)、無数の顔面醜状(7級、併合5級)の家事手伝い兼スナックホステスの女性につき、  
・将来の顔面形成手術費  

について250万円が認められた。  

(京都地判・平成12年1月20日)

【2.将来発生するお金が賠償金として認められた事例】

頚髄不全損傷による、精神・神経障害(7級4号)の男性につき、  

・痛み緩和目的で受けているブロック注射の治療  

を今後も続けるとして、月額1万5000円の28年分、268万円が認められた  

(東京地判・平成16年12月8日)

これらのお金は、こちらから請求しなければ支払ってもらえないケースがほとんどです。

そのため、後遺障害によって発生する可能性があるお金は漏れなくチェックし、加害者側に請求しましょう。

4. 後遺障害7級が認定されても、加害者側は正当な賠償金を提示してくれないことが多い

3章では、後遺障害7級が認定された方が受け取れる可能性がある賠償金について、お伝えしました。

ただし、ここで注意していただきたいのは、後遺障害7級が認定されても、適正な賠償が受けられるとは限らないという点です。

特に、顔や首に傷跡が残る「外貌醜状」の後遺障害では、見た目以外に明確な機能障害がないとされ、加害者側の保険会社が過小評価してくるケースが少なくありません。

例えば相手の保険会社に、

「顔に傷があっても仕事は続けられるから、休業損害は出せない」
「労働能力が失われたわけではないので、逸失利益は認められない」

などと言われることも、珍しくないのです。

実際、以下の事例でも、後遺障害7級が認められるほどの症状があったにもかかわらず、保険会社からは適切な賠償が提示されませんでした。

2-3.【賠償金2,900万円】顔面に複数の傷跡が残った女性のケース
2-4.【賠償金3,600万円】顔面の傷跡やしびれなどが残った女性のケース

※最終的には弁護士の介入により、正当な賠償金を獲得できています。

以上のことから、後遺障害7級が認められれば、怪我に見合う適正な対応をしてもらえるというわけではないとご理解いただけるでしょう。

そのため、後遺障害7級相当の症状に悩んでいる方は、交通事故にくわしい弁護士の力を借りることを強くおすすめします。

5. 後遺障害7級程度で適正な賠償金を請求するために弁護士が力になれる

4章でもお伝えした通り、後遺障害7級は重い後遺障害が残った方が認定される等級ですが、相手の保険会社に不当な賠償金を提示される可能性があります。

そのため、後遺障害7級程度の症状があると自覚している方は、適正な賠償金を請求するために、弁護士のサポートを受けることが大切です。

ここではその理由を2つ紹介します。

1.正当な賠償金を受け取るための準備を任せることができるから
2.弁護士に依頼しても費用倒れになるリスクが低いから

弁護士がいるかどうかで、受け取れる賠償金が数百万円以上変わるケースも少なくありません。
一人で解決しようとするのはやめましょう。

5-1. 正当な賠償金を受け取るための準備を任せることができるから

弁護士に依頼すれば、正当な賠償金を受け取るための準備を任せられます。

適正な賠償金を受け取るには、まず症状に見合った後遺障害7級の認定を受けることが前提です。
そのうえで、正当な後遺障害逸失利益や休業損害などを具体的に証明しなければなりません。

これには、専門的な知識と細かな証拠集めが欠かせません。

例えば、外貌醜状(顔や首の傷跡)の場合には、傷の大きさや場所がわかる写真や、医師の所見が必要です。
それ以外の障害についても、以下のような検査が必要となります。

必要な検査の例
目の障害:視力検査
耳の障害:聴覚検査(標準純音聴力検査・語音聴力検査など)
神経系統・精神の障害:MRI、SPECT、心理検査(WAIS、WMS-Rなど)
上肢や下肢の障害:可動域測定、X線やMRIの画像診断
内臓の障害:肝機能・腎機能などの血液データ、呼吸機能検査
生殖機能の障害:泌尿器科や婦人科での診断結果・検査所見

事故の知識がない方が、どの検査が必要か判断するのは、難しいものです。
弁護士であれば、症状と等級の関係、必要な検査結果を知っているため、認定されやすい証拠集めを的確にサポートしてくれます。

後遺障害7級を受けるには、客観的な証拠をどれだけ集められるかにかかっています。

そのため、交通事故に強い弁護士に相談しましょう。

5-2. 弁護士に依頼しても費用倒れになるリスクが低いから

2つ目の理由は、後遺障害7級に認定されるほどの怪我を負った場合は、費用倒れになるリスクが低いからです。

例えば、賠償金のうち後遺障害慰謝料について、弁護士が介入しない場合に保険会社から提示されるのは、最低限の基準で計算された419万円に近い金額である可能性が高いです。

一方、より正当な基準で算出された後遺障害慰謝料の相場は1,000万円です。弁護士が用いるのはこちらの計算基準です。

つまり、弁護士が介入することで、後遺障害慰謝料だけでも500万円程度増額できる可能性があります。

このように、重い後遺障害が認定されると、大きく慰謝料を増額できる場合があり、弁護士費用がその増額分を上回りづらくなるのです。

また、弁護士費用特約を利用することができるのであれば、さらに費用倒れのリスクは低くなるでしょう。

そのため、後遺障害7級相当の症状に苦しんでいる方は、実際に依頼した場合の費用についても、一度弁護士に相談してみてください。

6. 後遺障害7級が認定されるか不安な方は被害者専門の弁護士事務所「サリュ」にご相談ください

サリュは、交通事故の被害者専門の弁護士事務所です。

解決実績は業界トップクラスの20,000件を超えており、経験豊富な弁護士が多数在籍しています。

今この記事をご覧いただいているあなた、またはご家族は、後遺障害7級が認定される可能性があるほどの大怪我を負い、つらい症状に苦しんでいることでしょう。

しかし、本記事でお伝えしてきたように、加害者側は正当な賠償金を提示してくれないことが多いです。

お金がすべてではありませんが、今後安心して生活していくためにも、被害者の方は後遺障害が残った分の正当な賠償金を受け取るべきなのです。

サリュは、原則相談料や着手金のご負担がありません。

「後遺障害7級が認定されるかわからない」
「自分はどのくらいのお金を受け取れるのか知りたい」

など、どのようなことでも構いませんので、お気軽にご相談ください。

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7. 後遺障害7級に関するよくある質問

最後は、後遺障害7級に関するよくある質問にお答えします。

【Q1】後遺障害7級が認定されたら障害者手帳ももらえますか?
【Q2】労災で後遺障害7級が認められたら自賠責保険でも7級になりますか?

7-1. 【Q1】後遺障害7級が認定されたら障害者手帳ももらえますか?

後遺障害7級が認められた方は、障害者手帳をもらえる可能性があります。

障害者手帳は、身体障害者障害程度等級表によって7つに分類された障害者等級のうち、6級以上の方が受け取れるものです。

後遺障害等級と障害者手帳の等級の認定基準は異なりますが、後遺障害7級は障害者手帳の発行が認められる6級になる可能性があるのです。

ただ、後遺障害7級といっても残っている症状は人それぞれのため、申請してみないと確実な結果はわからないのが実情です。

障害者手帳の発行を検討している方は、お住まいの市町村の担当窓口に相談することをおすすめします。

7-2. 【Q2】労災で後遺障害7級が認められたら自賠責保険でも7級になりますか?

労災で後遺障害7級が認められたら、自賠責保険の後遺障害も7級が認定される可能性が高いです。

なぜなら、労災と自賠責保険の後遺障害等級が認定される基準はそのほとんどが同じだからです。

ただ、必ず同じ等級が認められるとは限りません。

自賠責保険への後遺障害認定を申請する際、自賠責が独自に求める症状を証明する診断書や検査結果を提出しなければ、労災で認定された等級よりも低くなる可能性もあります。

そのため、労災で7級が認められたからと安心せず、自賠責保険に後遺障害認定を申請する際も、漏れなく証拠を集めてから申請することが大切です。

8. まとめ

本記事では、後遺障害7級の内容や認定基準などを解説しました。

最後に、重要なポイントをおさらいしましょう。

〇【部位別】後遺障害7級が認定される症状

後遺障害が残った部位後遺障害の内容
目の障害1号:一眼が失明し、他眼の視力が0.6以下になったもの
耳の障害2号:両耳の聴力が40cm以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
3号:一耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が1m以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
神経系統や精神の障害4号:神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
内臓の障害5号:胸腹部臓器の機能に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
上肢の障害6号:一手のおや指を含み三の手指を失ったもの又はおや指以外の四の手指を失ったもの
7号:一手の五の手指又はおや指を含み四の手指の用を廃したもの
9号:一上肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの
下肢の障害8号:一足をリスフラン関節以上で失ったもの
10号:一下肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの
11号:両足の足指の全部の用を廃したもの
頭・顔・首の傷跡12号:外貌に著しい醜状を残すもの
生殖機能の障害13号:両側の睾丸を失ったもの

〇後遺障害7級の方が受け取れる慰謝料を含む賠償金

怪我をして治療を要する場合に受け取れる・治療費
(怪我の治療にかかったお金)
・入通院慰謝料
(怪我の治療による入通院で生じた精神的損害に対するお金)
・休業損害
(怪我の治療が原因で仕事を休んだ場合に受け取れるお金)    など
後遺障害が残った場合に受け取れる・後遺障害慰謝料
(後遺障害が残り、精神的苦痛を感じたことに対して支払われるお金)
・後遺障害逸失利益
(事故に遭い怪我をしていなければ、本来受け取れたはずの利益)
・その他
(将来の治療費など)

〇後遺障害7級が認定されても、加害者側は正当な賠償金を提示してくれないことが多い

〇後遺障害7級程度で適正な賠償金を請求するには弁護士のサポートが必要な理由

1.正当な賠償金を受け取るための準備を任せることができるから
2.弁護士に依頼しても費用倒れになるリスクが低いから

交通事故によって後遺障害が残ってしまった方は、症状に見合う等級を獲得し、正当な賠償金をもらうべき立場にあります。

本記事の内容を活用して準備を行い、後遺障害7級を認めてもらいましょう。