交通事故被害者は弁護士を付けないと後悔する!メリット・時期を解説
交通事故の被害者になってしまった方の中には、以下のような悩みがあるのではないでしょうか。
「これから交渉を進めるにあたって、弁護士に依頼した方が良いのだろうか?」
「弁護士に依頼すると、どのような流れになるのだろうか?」
「依頼するとしたら、どういう弁護士が良いのだろうか?」
この記事を読んでいただければ、弁護士に依頼しようか迷っている交通事故被害者の最初の悩みはほぼ解決できるはずです!
本記事は、交通事故の被害者になってしまった方が疑問に思うであろうポイントを押さえて解説している記事となっています。
この記事を読むとわかること ・交通事故被害者が弁護士に依頼する5つのメリット(依頼すべき理由)が分かる ・弁護士に依頼するデメリット(金銭面)も心配しなくてOKなことが分かる ・弁護士に依頼するベストな時期は、早ければ早いほど良いことが分かる ・交通事故被害者が「すべきこと」「してはいけないこと」があり、正しい行動をとるために早めに弁護士に依頼した方が良い、ということが分かる |
なお、知らない方も多いかもしれませんが、加害者の保険会社から提示される示談金の金額は、任意保険基準という保険会社独自の基準により算出されており、裁判事例と照らし合わせるとかなり低額な金額となっています。
保険会社の示談を受け入れてしまうと、かなり低い金額しかもらえません。弁護士に依頼することで、裁判基準の適正な賠償金を請求・交渉するため、示談金を増額できる可能性が高くなります。これが、被害者が弁護士に依頼すべき最も大きな理由です。
また、後遺障害(交通事故による後遺症)が認定されるかどうかによって、受け取れる金額がかなり変わってきます。ケースによっては百万円単位、1千万円単位、1億円単位で賠償金に差が出ることもあります。
理不尽にも交通事故の被害に遭ってしまった方は、できるだけ適切な賠償を受け取れるよう、弁護士に依頼すべきです。ぜひこの記事で、弁護士に依頼するメリットや、早いタイミングで依頼すべき理由、弁護士に依頼した後の流れなどをお読みください。
この記事の監修者
弁護士 籔之内 寛
弁護士法人サリュ
大宮事務所
埼玉弁護士会
交通事故解決件数 1,500件以上
(2024年1月時点)
【略歴】
2009年 中央大学法科大学院修了
2009年 司法試験合格
2011年 弁護士登録 弁護士法人サリュ入所
【セミナー】
・自賠責後遺障害等級認定基準の運用と裁判(暮らしの中の言語学「ことばの機能障害と言語学」国立民族学博物館主催セミナーにおける講演)
・生保代理店向け 相続、交通事故セミナー
【獲得した画期的判決】
【自保ジャーナル1966号53頁、1973号41頁に掲載】(交通事故事件)
東京高裁平成28年1月20日判決(一審:さいたま地裁平成27年3月20日判決)
【弁護士籔之内の弁護士法人サリュにおける解決事例の一部】
事例86:高次脳機能障害|約8000万円の提示を裁判で1億9000万円に増額
事例79:死亡事故 過失割合が争点 刑事記録や現地調査によりご遺族が納得できる解決に
事例208:会社役員であった被害者の休業損害が訴訟で認められた
事例66:訴訟提起により自賠責等級認定制度に一石を投じる 非該当から14級獲得!
事例204:自賠責14級の膝高原骨折の後遺障害について、異議申立てにより12級に等級変更。
事例209:自賠責非該当・家事労働を行う男性被害者が、賠償金270万円を獲得できた。
目次
1. 交通事故被害者が弁護士に依頼する5つのメリット
交通事故の被害者が弁護士に依頼した場合に得られるメリットは以下の5つです。
1-1. 弁護士基準で示談金を「増額」できる可能性が高い
交通事故被害者が弁護士に依頼する最大のメリットは、示談金を増額できる可能性が高いということです。
知らない方も多いかもしれませんが、加害者の保険会社が提案してくる示談金は「任意保険基準」という低い水準で算定した金額です。それを、弁護士が交渉に入ることで、「弁護士基準(裁判基準)」という高い適正な水準で算定した金額を請求することが可能です。
例えば、交通事故によるケガ(骨折)で6ヶ月通院した場合、加害者の保険会社から出てくる慰謝料金額は64.3万円が相場です。しかし、弁護士が入った場合の相場は116万円となります。
【骨折で6ヶ月通院した場合の慰謝料】
任意保険基準(旧任意保険支払基準) | 裁判基準(弁護士基準) |
64.3万円が相場 | 116万円が相場(1.8倍) |
後遺障害が残ったケースなどでは、保険会社の提示額と裁判基準での賠償額が1千万単位で違ってくることもあります。
裁判基準(弁護士基準)こそ、実際の判例などを基にした「適正な示談金の金額」です。一方、「任意保険基準」というのは保険会社が独自に定めた基準で、弁護士基準よりも2分の1や3分の1など、かなり低額なケースがほとんどです。
それを知らずに、保険会社が提示してくる金額で合意してしまうと、本来受け取れるはずだった金額を受け取れず大きな損失となってしまいます。弁護士が介入することで示談金を増額できるのは、大きなメリットと言えるでしょう。
1-2. 適切な後遺障害の認定を得ることができる
後遺障害等級認定が認定されやすいのも、弁護士に依頼することで得られるメリットのひとつです。
後遺障害等級認定とは、交通事故によるケガを治療しても後遺症が残ってしまったことを、自賠責保険の認定機関から認めてもらう手続きのことです。
後遺障害が認められると、後遺障害に対する慰謝料と逸失利益(将来得られたはずの収入)を請求できるため、示談金額を大幅に増額できます。後遺障害等級によっては、億単位で示談金が変わってきます。
【後遺障害等級1級の場合の損害賠償額の例】
後遺障害慰謝料 | 後遺障害逸失利益 |
2,800万円 | 1億円 |
※損害賠償額はケースバイケースであり、あくまで一例です。
後遺障害を適切に認めてもらうためには、相当する症状が残っていることはもちろんですが、必要な検査がされているか、所見が残っているかなどが申請書類から分かる必要があります。
いくら症状が残っていても、必要な時期に必要な検査が行われていなかったり、医師の診断書の書き方が悪かったりすると、適切な認定結果を受け取ることはできないのです。
後遺障害等級認定に強い弁護士に依頼することで、「どういう検査がどの時期に必要か」「治療に何回通えばいいか」など具体的なアドバイスをもらうことが可能です。これにより適切な認定結果を得やすくなります。
1-3. 法律のプロが自分の味方になって示談交渉を進めてくれる
交通事故の被害者が弁護士に依頼するメリット3つ目は、交渉に強い法律のプロが示談交渉を進めてくれるという点です。
弁護士に依頼せずに加害者側との示談交渉を進めるのは、とても根気のいる作業となります。保険会社はできるだけ示談金を安くするために、損害賠償の一部をカットしようとしたり、「あなたにも過失があります」と言ってきたりすることもあるでしょう。
被害を受けているのはこちら側なのに、さらに精神的に身を削られることになるかもしれません。
弁護士に依頼すれば、加害者側とのやりとりの一切を任せることができます。さらに、過去の判例にもとづいた適切な金額交渉をしてくれるため、示談金を増額できる可能性もあります。
1-4. 被害者側の過失を減らすことができる
示談金の交渉だけでなく、過失割合の交渉にも対応できるのが弁護士のメリットです。
過失割合とは、発生した交通事故に対する責任の割合のことをいいます。被害者からすると「加害者側が100%悪いでしょ」という気持ちですが、状況によっては保険会社から「あなたにも過失がありますよね?過失割合は7:3でどうしょう?」などと言われることがあります。
示談金の金額は、過失割合に応じて減額されてしまいます。例えば、過失ゼロだと損害賠償金が1,000万円だったケースで、被害者の過失が3割認められてしまうと、もらえる示談金は700万円になってしまうのです。
交通事故に強い弁護士に依頼すれば、さまざまな判例や証拠をもとに、被害者側の過失を減らすための交渉が可能です。
サリュが今まで被害者の過失を減らしたケースには以下のようなものがあります。
・事故の状況をもとに、被害者が事故を予見することはできなかったことを立証した
・動いている車両同士の過失割合2:8を覆して、被害者に落ち度がないことを立証した
過失割合の交渉については、実際の事例がとても参考になるのでぜひご覧ください。
・事例362:自動車と自転車の衝突事故で、自動車側7割、自転車側3割との内容で過失割合が争点となっていた事案で、裁判で自動車側の無過失を勝ち取った事例
・事例308:動いている車同士でもあきらめない!裁判で過失割合ゼロ判決を獲得!
1-5. 治療費の打ち切りにも適切に対処できる
交通事故被害者が弁護士に依頼することで、保険会社からの治療費の打ち切り連絡に対しても適切な対処が可能です。
交通事故により被害を受けた方は、一般的には加害者の保険会社の負担により治療を受けることができます。しかしながら、理不尽にも保険会社から一方的に「治療費を打ち切ります」といわれてしまうケースは多くあります。
このようなケースの場合でも、弁護士に依頼することで、治療を続けて正当な賠償金を受け取れる可能性があります。
例えばサリュが担当した以下のケースでは、4か月で治療費が突然打ち切られたものの、後遺障害等級認定14級を獲得して症状固定までの7か月の正当な賠償金を手にすることができました。
事例173:4か月で治療費打切りも、サリュが7か月まで伸ばし14級も獲得!
対応はケースバイケースになりますが、弁護士に依頼することで、状況ごとに最も被害者の利益になるようなアドバイスをもらうことが可能です。
2. 交通事故被害者が弁護士に依頼するデメリット
1章では「交通事故被害者が弁護士に依頼するメリット」を伝えましたが、ここからは反対にデメリットについてお伝えしていきます。
交通事故被害者は弁護士に依頼することで、示談金を増額できる可能性が高く、自分で面倒な交渉に時間を割く必要もなくなり、精神的な負担も少なくなります。つまり、デメリットといえるデメリットはほとんどありません。
弁護士に依頼するデメリットがあるとすると、「弁護士費用がかかるケースがあること」のみです。
ただし、弁護士費用がネックになるのは、一部のケースのみです。
自動車保険に加入している人の約6割が「弁護士費用特約」を付けていると言われており、弁護士費用特約があれば基本的には弁護士に依頼しても費用はかかりません。
また、仮に弁護士費用特約を利用できないケースでも、示談金を増額できれば、結果としては弁護士に依頼することでプラスになるケースが大半です。
※ただ、ケガが軽症で後遺症も残らないケースや明確に被害者の過失割合が認められるケースなどの事情がある場合には、弁護士に依頼することで赤字になってしまう「費用倒れ」となる可能性は存在します。
費用倒れになってしまうケースを除けば、交通事故被害者が弁護士に依頼するデメリットはほとんどありません。むしろ、弁護士に依頼しないと加害者側の保険会社が提示する低額な示談金しかもらえないのはデメリットとなるでしょう。費用倒れになるかどうかについてもお気軽にご相談ください。
なお、弁護士費用特約は、契約者以外の一定のご家族にも適用されます。適用される弁護士費用特約がないか念のため調べてみましょう。
交通事故の被害に遭ったことに対して正当な賠償金を受け取りたい方は、弁護士に依頼することをおすすめします。サリュは、交通事故の場合、弁護士特約がなくても原則として着手金をいただいておりません。
3. 交通事故被害者が弁護士に依頼するベストな時期
ここからは、交通事故被害者が弁護士に依頼するベストな時期について解説していきます。
結論から言うと、交通事故被害者は、早ければ早いタイミングで弁護士に相談・依頼することをおすすめします。ベストは「事故直後」や「治療が始まる前」です。
弁護士に依頼するおすすめのタイミングTOP5 1位:事故直後(治療前) 2位:治療中・通院中 3位:症状固定・治療終了後(保険会社から「打ち切り」された時) 4位:後遺障害等級認定後(認定が「非該当」になった時) 5位:示談交渉開始後 ※示談成立後の追加請求や撤回は、原則としてできません。 |
特に、被害者が自動車保険の弁護士費用特約を付けている場合には、通常300万円までは保険がカバーしてくれるため、その枠内に収まる場合は、早く依頼しても遅く依頼しても被害者の費用負担にならないケースが多いです。300万円を超える弁護士費用がかかるケースは、一部の重症事故だけで、多くのケースでは300万円の枠内に収まります。
また、もし特約が使えない(加入していない)ケースでも、 早期に弁護士が介入することにより示談金を増額できたり後遺障害の認定を得たりすることができれば、デメリットとはならないこともあります。
もしも「費用倒れ(赤字)」が不安な場合は、初回相談無料の法律事務所を利用して今後の見通しについて質問してみることをおすすめします。サリュは初回相談無料です。
早期に相談すればするほど、「次のステップまでにしておくべきこと(例えば後遺障害認定を勝ち取るための準備)」が分かり、また「被害者がしてはいけないこと(例えば勝手に整骨院に通うなど)」が分かります。そのため、示談交渉も有利に進めることができるのです。
4. できるだけ早く相談するべき4つの理由
交通事故被害者ができるだけ早くに弁護士に相談・依頼すべき理由には、以下の4つがあります。
・対策が早いほど後に有利になる行動を取ることができるから ・示談に不利になるような行動を制限できるから ・弁護士費用特約なら早期依頼にデメリットはないから ・弁護士費用特約がなくても初回相談だけなら無料でできるから |
4-1. 対策が早いほど後に有利になる行動を取ることができるから
できるだけ早く弁護士に依頼すべき理由の一つ目は、早期に依頼することで「後に有利になるような行動」を取っておくことができるからです。
例えば、交通事故が原因で後遺症が残っていても、MRI画像の撮影時期が遅かったことにより「交通事故との因果関係が認められない」と、後遺障害が認められないケースがあります。
もし弁護士に早めに相談していれば、疾病名に応じて適切な検査を受けるようアドバイスを受けられたはずです。できるだけ早期に弁護士に相談した方が、先を見越した対策を早めに打っておくことができます。
4-2. 示談に不利になるような行動を制限できるから
早期に弁護士に依頼すべき理由として、4-1の逆で、示談に不利になるような行動を控えられるから、という点もあります。
実は、交通事故被害者が注意すべきこととして、示談金額の減額や後遺障害が非該当になるような「やってはいけない行動」があります。
例えば、自己判断で治療をやめたり通院回数を少なくしてしまったりすると、入通院慰謝料が低くなったり、後遺障害が認められなかったりすることがあります。
また、相手の保険会社からの「健康保険を使ってほしい」という依頼に応じないことで、早めに医療費の支払いを打ち切られたり、自分にも過失があるケースで示談金が少なくなったりするケースもあります。
示談に不利になる行動を防ぎたいならば、弁護士に早めに依頼して、注意点を先に聞いておくことをおすすめします。
4-3. 弁護士費用特約なら早期依頼にデメリットはないから
できるだけ早めのタイミングで依頼すべき理由の3つ目は、弁護士費用特約が使える場合、多くのケースでは費用面でもデメリットにならないから、といえます。
弁護士費用特約とは、自動車保険(任意保険)の特約で、万が一の場合に弁護士費用を負担してくれるものです。この特約は、自動車保険の加入者の約6割が付けているといわれています。自分がこの特約を付けているか一度確認してみてください。
着手金や報酬金が300万円までカバーできる弁護士費用特約が多く、その範囲内であれば、どのタイミングで依頼しても依頼者(交通事故被害者)の負担は変わらないことが多いです。つまり、「弁護士に早く依頼した分、費用が余計にかかってしまう」のようなデメリットはありません。
弁護士費用特約を付けている方の多くは、費用負担なく弁護士に依頼することが可能です。
ただし、賠償金が1,600~1,800万円を超えるようなケースでは、特約でカバーできる範囲を超えてしまうことがございます。
早く依頼した方が有利な行動を取ることができるため、できるだけ早く弁護士に依頼することをおすすめします。
4-4. 弁護士費用特約がなくても初回相談だけなら無料でできるから
「弁護士費用特約を付けていなかった」など特約が使えないケースでも、初回相談だけであれば無料でできる法律事務所もあるので、できれば早くに相談に行くことをおすすめします。
※サリュは初回相談料が無料ですが、弁護士事務所によっては相談料がかかるところもあるので注意しましょう。
できるだけ早い段階で、今後の見通しについて相談することをおすすめします。
5. 交通事故被害者が弁護士に依頼した場合の費用
ここまでお読みいただき、「交通事故被害者はできるだけ弁護士に依頼すべきこと」、そして「タイミングはできるだけ早めが良いこと」を理解していただけたと思います。
ここからは、「弁護士に依頼するといくらかかるのか?」について解説していきます。
5-1. 弁護士費用特約が使える場合
弁護士費用特約が使える場合には、特約の限度額までの弁護士費用は保険から支払われるため、被害者が負担する費用はかかりません。
弁護士費用特約の限度額は、契約内容によりますが、多くの場合、着手金・報酬金などが300万円、法律相談費用などが10万円です。これを上回った場合のみ、依頼者が負担することになります。
例えば、弁護士に依頼したことで示談金が200万円増額したケースなどは、弁護士費用特約から弁護士費用が支払われるため、依頼者側の負担はありません。
一方、弁護士が介入することで数千万円の示談金が得られた場合には、一定の弁護士費用を依頼者も負担することになります。しかしながら、高額な示談金を得られているため、依頼者の損にはなりません。
5-2. 弁護士費用特約が使えない場合
交通事故被害者が「任意保険の弁護士費用特約」に加入していなかった場合には、特約が使えないため、弁護士依頼費用がかかります。
弁護士依頼費用は弁護士事務所によって異なりますが、以下のような項目がかかります。
【交通事故の弁護士費用の相場】
(1)相談料 | 30分あたり5,000円〜1万円程度が相場 サリュの場合は、初回相談無料 |
(2)着手金 | 22万円〜55万円程度が相場 サリュの場合は、着手金はありません |
(3)成功報酬 | 弁護士に依頼することで獲得した金額×【11%〜22%】程度が相場 サリュの場合は、獲得金額の11%+22万円 |
(4)日当 | 裁判になった場合など、1日あたり5万円〜10万円が相場 |
(5)実費 | 交通費や切手代、収入印紙代など実際にかかった金額 |
費用倒れ(赤字)になるのが不安な方は、サリュのように、初回相談無料かつ着手金が無料の弁護士事務所を選ぶのがおすすめです。
6. 交通事故被害者が弁護士に依頼した場合の流れ
ここからは、実際に交通事故の被害者となった方が弁護士に依頼した場合に、どのような流れになるかを解説していきます。
これからどうなるか不安という方がほとんどだと思いますので、この章で今後の流れを事前に把握することで、心づもりを作っておくことをおすすめします。
6-1.【事故発生】警察による現場検証などが行われる
交通事故が発生し、人身事故の届出を警察に提出したら、まず行われるのが警察による現場検証や実況見分です。被害者や加害者へのヒアリングも行われます。
ここで作成される実況見分調書は、加害者と被害者の過失割合を決定する上でもとても重要なものになります。また、事故態様(事故がどのように起きて、どのような大きさだったかなど)を証明する証拠にもなります。
被害者は、この時点でなるべく事故直後の状況を写真に撮っておいたり、加害者との会話を録音したりしておくと良いでしょう。
6-2.【初回相談】できるだけ早い段階で弁護士事務所に初回相談をする
交通事故の被害者になった場合、できるだけ早い段階で弁護士事務所の初回相談に行くのがおすすめです。もちろん、症状固定(治療終了)になった時や示談交渉が始まった時など、それぞれのタイミングでできることはありますが、前述した通りベストタイミングは事故直後です。
ただし、相談料がかかってしまう弁護士の場合には、当然ながら相談料が発生しますので注意しましょう。サリュの場合は、初回相談無料です。
交通事故に強い弁護士を見つけて、弁護士事務所の公式サイトから、電話や依頼フォームで相談予約を行いましょう。初回相談では、今後どう進めていけばいいか、治療はどのように受けるべきかなど、具体的なアドバイスをもらえるはずです。
6-3.【治療中】事故で負ったケガの治療を行う
交通事故で負ったケガの治療を行う段階では、後遺症が残るケースにも備えて、適切な治療を受ける必要があります。
1章でも解説した通り、後遺障害等級が適切に認定されるためには、適切な検査を受けて、交通事故が原因で症状が残っていることを明らかにする必要があります。適切なタイミングで適切な検査を受けていなければ、後遺障害が認められない危険性があるのです。
治療中に交通事故の弁護士に依頼していれば、「どのように治療を受けるべきか」具体的なアドバイスを受けることができます。
6-4.【症状固定後】医師に後遺障害診断書を書いてもらう
交通事故で受けたケガが完全に治らずに後遺症が残ってしまった場合には、医師に後遺障害診断書を書いてもらい、それをもとに後遺障害等級認定の手続きを進めていくことになります。
後遺障害が認められると、後遺障害に対する慰謝料や逸失利益(将来得られたはずの収入)を請求できるため、示談金額を大幅に増額できます。後遺障害等級によっては、億単位で示談金が変わってきます。
後遺障害が認定されるためには「後遺障害診断書の書き方」がとても重要です。しかしながら、医師によっては「診断書を書くのが得意ではない」「診断書を書きたがらない」などのケースがかなりあります。
ここでも弁護士が介入し、医師とコミュニケーションをとることによって、適切な認定結果を得やすくなります。
正しい認定結果を得やすい後遺障害診断書の書き方については、「後遺障害診断書の書き方|等級認定に有利な記載例を弁護士が紹介 」の記事も参考にしてください。
6-5.【後遺障害の認定申請】後遺障害等級認定の手続きを進める
医師に後遺障害診断書を書いてもらったら、それをもとに後遺障害等級認定の申請手続きを進めていきます。
通常は、診断書を加害者の保険会社に渡して申請してもらう「事前認定」という方法で手続きをします。しかしながら、後遺障害等級を認めてもらうには、「被害者請求」という申請方法の方がおすすめです。
【事前認定と被害者請求の比較表】
事前認定 通常の流れは こちら | 被害者請求 認定を勝ち取るには こちらがおすすめ | |
申請先 | 加害者の任意保険会社経由で、 認定機関に申請 | 加害者の自賠責保険に 自分で申請 |
メリット | 診断書だけ用意すれば、 手続きを任せられる | 自分で有利な書類を選んで 提出できる |
デメリット | 任意保険会社がハンドルを握るので、 信用して良いか不安が残る | 書類の準備や手続きを進めるのに手間がかかる |
通常の後遺障害等級認定は、加害者側の任意保険会社に診断書を渡して、以降の手続きは一任します。この方法だと、診断書だけ用意すれば手続きできるためラクなのがメリットです。
しかしながら、自分に有利な書類を選んで提出ができないため、後遺障害が認定されやすいとは言えないのがデメリットです。
適切な認定結果をもらうには自分で直接申請する「被害者請求」がおすすめですが、書類を準備したり手続きを行ったりするのに結構手間がかかるのがデメリットです。
弁護士に後遺障害等級認定の手続きを依頼することで、この手間の部分を任せることが可能です。
6-6.【示談交渉】裁判基準をもとに適切な示談金を交渉してくれる
ケガの治療が終わって「治癒」または「症状固定」(これ以上治療しても良くならない状態)となったタイミングから、加害者側との示談交渉が本格化します。
示談が成立してしまうと、特別な事情がない限り、一切やり直しができません。後から「もっと示談金は多くもらえたはずだ」と言っても、それ以上もらうことは難しくなります。
保険会社が提案してくる示談金は、裁判基準(弁護士基準)と照らし合わせると半額以下の低額なケースもあります。あとで悔やむことにならないよう、弁護士を介入させて、適正な金額の示談金を請求することをおすすめします。
6-7.【裁判】交渉決裂の場合には裁判に移行して決着を付ける
示談がまとまれば晴れて「示談成立」となりますが、交渉がもつれる場合には、裁判に移行して決着を付けることになります。
裁判では、法律にもとづいた主張を行う必要があり、またその主張を裏付ける証拠の準備が必要となります。
例えば、「1億円の示談金を請求する」という場合、なぜその示談金を請求するのかを明確な根拠とともに説明しなければなりません。このあたりはまさに弁護士の得意分野となります。
交通事故に強い弁護士に依頼することで、過失割合や請求する金額の根拠などを、交通事故の状況や過去の判例から主張することができます。結果として、加害者側の提示額よりも高い適正な損害賠償金を獲得することができます。
7. 交通事故の被害者が後悔しない弁護士の選び方
交通事故被害者が弁護士に依頼すべき理由や流れなどがイメージできたところで、最後に、とても重要な「後悔しない弁護士の選び方」について解説していきます。
交通事故の被害者が後悔しない弁護士の選び方 (1)【重要】交通事故の被害者救済に力を入れている弁護士を選ぶ (2)示談金の増額や後遺障害認定の実績が多い弁護士を選ぶ (3)初回相談で「相性の良さ」もしっかりチェックする |
7-1.【重要】交通事故の被害者救済に力を入れている弁護士を選ぶ
交通事故の被害者が弁護士に依頼する場合には、交通事故に強く「被害者救済」に力を入れている弁護士を選ぶことをおすすめします。
例えば、保険会社から紹介される顧問弁護士は、交通事故には詳しくても、保険会社側の顔色をうかがって十分な交渉ができないことがあります。同様に、交通事故に詳しくても、交通事故の加害者の弁護を多く行っている弁護士は、被害者を救済する方法に詳しくない可能性があるのです。
サリュは「交通事故の被害者の救済」にこだわり続け、解決実績2万件以上、年間相談件数3000件以上の実績があります。サリュのように、被害者の立場に立って示談金増額や後遺障害等級認定を有利に進めることができる弁護士を選びましょう。
7-2. 示談金増額や後遺障害認定の実績が多い弁護士を選ぶ
弁護士を選ぶ際には、弁護士事務所の実績として、実際に「示談金を増額した事例があるか」「後遺障害等級認定を勝ち取った事例があるか」をしっかり確認することも大切です。
「交通事故被害者の救済に強い」と公言していても、目に見える実績がなければ信頼できないからです。
できれば初回相談の前に、弁護士事務所の公式サイトをチェックし、解決事例を紹介しているコンテンツがあるか確認してみましょう。
そこから自分の状況に近い事例を読んで、どのように依頼者のトラブルを解決したかも詳しく確認することをおすすめします。
例えばサリュの場合は、解決事例ページにて過去の300件以上の事例を紹介しています。後遺障害別、受傷部位別、解決ポイント別に事例を探すこともできます。
本当に交通事故に強い弁護士なら、異議申し立てや裁判で後遺障害等級認定の結果を変更した事例も掲載しているはずなので、ひとつの基準としてチェックしてみてください。
7-3. 初回相談で「相性の良さ」もしっかりチェックする
交通事故被害者が納得する結果を得るためには、初回相談での「相性の良さ」も重要です。いくら弁護士の腕が良くても、相性が良くなければコミュニケーションが不足し、良い結果を得られないからです。
また、「弁護士が高圧的だった」「説明が難しくて分かりづらかった」という印象も、依頼後に後悔する原因となります。
初回相談では、以下の項目をチェックして、依頼後に後悔が残らないようにしましょう。
初回面談でチェックすべき項目 (1)親身になって話をよく聞いてくれたか (2)高圧的な態度を取られなかったか (3)説明が難しくて分かりづらくなかったか (4)目指すべきゴールについて説明してくれたか (5)弁護士費用についてわかりやすく説明してくれたか (6)依頼するとどのような利益につながるか説明してくれたか |
もしも、少しでも違和感を覚えた場合には、別の弁護士事務所にも相談に行きましょう。できれば複数の事務所の無料相談を利用して、比較・検討することをおすすめします。
8. ぜひ早い段階でサリュの初回無料相談をご活用ください
ここまで解説した通り、交通事故の被害者が弁護士に依頼することで得られるメリットが大きいため、できるだけ早期に依頼することをおすすめします。
「弁護士に依頼しないことによるデメリットの方がとても大きい」と考えるべきです。
保険会社が提示する示談額が低い事実を知らないまま、法律に詳しくない方が交渉を進めてしまうと、被害者の不利になるような提案を受け入れざるを得ないことがほとんどです。
どれだけ後悔しても交通事故に遭ってしまった事実は変えられませんので、せめて適正な示談金を手にすることは、被害者にとってとても大切なことです。
そして、弁護士の選び方はとても重要となります。弁護士なら誰でも良いと考えるのは危険です。なぜならば、弁護士次第で、最終的にもらえる金額がかなり変わってくるからです。
依頼する弁護士によって、賠償金の金額が2〜3倍になったり、金額が一桁変わってきたりすることもあります。相手方との交渉力や証拠の収集能力、後遺障害が残った場合の診断書の書き方など、さまざまな要因によって、慰謝料などの損害賠償金の金額は大幅に変わるのです。
相手方から提案される損害賠償金の金額に納得できない場合には、ぜひサリュにご依頼ください。
サリュは、業界トップクラスの2万件以上の解決実績を持っている交通事故救済のプロです。それでいて、弁護士費用特約がなくても、初回相談は無料で、依頼時の着手金はいただかない安心の料金体系を採用しています。
「まずは話を聞くだけ」のような気軽な相談が可能で安心できる弁護士法人です。できれば早い段階から我々に気軽にご相談いただければ幸いです。
まとめ
本記事では、「交通事故被害者は弁護士に依頼すべきか」などについて解説してきました。最後に、要点を簡単にまとめておきます。
交通事故被害者が弁護士に依頼する5つのメリット
・弁護士基準で示談金を「増額」できる可能性が高い ・適切な後遺障害の認定を得ることができる ・法律のプロが自分の味方になって示談交渉を進めてくれる ・被害者側の過失を減らすことができる ・治療費の打ち切りにも適切に対処できる |
交通事故被害者が弁護士に依頼するデメリット
・デメリットは、「弁護士費用がかかるケースがあること」のみ ・ただし、弁護士費用特約を付けていれば費用負担がないケースが多い ・特約がなくても、示談金が増えればデメリットには感じない方が多いはず |
交通事故被害者が弁護士に依頼するベストな時期
・ベストは「事故直後」や「治療が始まる前」 ・その他、できるだけ早いタイミングがおすすめ |
弁護士に依頼すれば示談金を増額できる可能性が高いことを考えると、「弁護士に依頼しないことによるデメリット」の方が大きいという考え方もできます。ぜひ早い段階で弁護士に相談することをおすすめします。
もし「交通事故に強い弁護士がどこにいるか分からない」という方がいたら、ぜひサリュにご連絡ください。