自転車事故で弁護士は必要?後悔を防ぐ12の弁護士介入ケースを解説

自転車事故に遭ってしまった場合、「この先どうすればいいか」「慰謝料や賠償金の示談交渉ってどうやるか全然分からない」と不安でいっぱいな方がほとんどでしょう。

特に自転車事故の場合、加害者が自賠責保険や任意保険に入っていないケースもあるため、示談交渉をどう進めていいか悩んでしまうことがあると思います。

とはいっても、「弁護士に依頼すると結構お金がかかるんでしょう?」など費用面が気になる方も多いですよね。

結論からいってしまうと、「相手方の主張や金額に納得できない」「相手が話す気がない」「交渉がうまく進まない」というケースでは、弁護士に相談することをおすすめします。

特に、以下のようなケースはトラブルになりやすいため、早めに相談無料の弁護士に話を聞いてもらうのがおすすめです。

この記事では、自転車事故で使える「弁護士費用特約」の情報も含めて、「どのような状況だと弁護士を依頼したほうがいいのか」がわかるように解説していきます。

「保険未加入の加害者から連絡を無視されてしまった」「一方的に治療費を打ち切られた」「こちらにも過失があると、低額な慰謝料を提案された」などというトラブルにならないために、ぜひこの記事を参考にしてください。

この記事の監修者
弁護士 國田修平

弁護士法人サリュ
横浜事務所
神奈川県弁護士会

交通事故解決件数 620件以上
【出身校】
明治大学法学部法律学科
慶應義塾大学大学院法務研究科
【メディア出演実績】
西日本新聞『「ほう!」な話』(改正民法における相殺制度 など)
【弁護士國田の弁護士法人サリュにおける解決事例(一部)】
事例348:高次脳機能障害で後遺障害等級7級認定、自賠責保険金を含め損害賠償金2351万円を獲得
事例360:労災事故で死亡した被害者について、遺族2人のうち1人が、自賠責保険金及び損害賠償金を獲得
事例363:主治医とのコミュニケーションに不安を感じていたところ、サリュにご依頼。治療中でも後遺障害審査を見通したサポートで後遺障害等級14級獲得。自賠責保険金を含み、合計329万円の損害賠償金で解決
事例371:夜勤ができなかった分の手当について、綿密な調査を行い、示談交渉で獲得した事例

1. 自転車事故でも弁護士を付けた方がいいケース

「自転車事故で弁護士だなんて大げさ」と考える方もいるかもしれませんが、自転車事故であっても弁護士を付けたほうが良いケースというのは結構あります。

ここからは、自転車事故でも弁護士を付けたほうが良いケースを具体的に解説していきます。

自転車事故でも弁護士を付けた方がいいケース
①後遺障害が残っている場合
②加害者側が無保険の場合
③加害者側が自賠責保険のみ加入の場合
④保険会社が提示する慰謝料の額に納得できない場合
⑤過失割合で揉めている場合

ひとつずつ詳しく説明します。

1-1. 後遺障害が残っている場合:十分な補償を受けられないケースが多いから

自転車事故が原因で後遺障害が残っても、後遺障害認定がされにくい場合があります。このようなケースでは、早めに弁護士に相談して手続きを進めることをおすすめします。

後遺障害が認定されなければ、後遺障害に対する慰謝料がもらえない他、後遺障害を根拠とする逸失利益(事故に遭わなければ本来得られていたはずの収入)も請求できません。つまり、損害賠償金の金額がかなり少なくなってしまいます。

残念ながら、自転車事故は、以下のような理由から、後遺障害が認定されにくい特徴があります。

自転車事故で後遺障害が認定されにくい理由
・加害者が自転車や歩行者の場合、自賠責保険がないため、自賠責保険による後遺障害認定が受けられない
・加害者が自転車保険に入っている場合はその保険会社が審査してくれることがあるが、中立的な機関ではないため、審査結果に納得できないことがある
・被害者自身が人身傷害保険に入っている場合はその保険会社が審査してくれることがあるが、中立的な機関ではないため、審査結果に納得できないことがある

上記のようなケースでは、中立的な機関に後遺障害認定の審査をしてもらうために、訴訟を起こして裁判所に後遺障害等級を判断してもらうしかありません。

自転車事故の後遺障害についての解決事例
事例218:自転車事故裁判にて、1450万円を獲得!保険会社の横暴は許さない
事例264:自転車事故で個人賠償責任保険に後遺障害を認めさせた事案
事例331:自転車事故で等級認定機関がなく、加害者後遺障害否定も、裁判で12級認定

万が一、自賠責保険による後遺障害認定に納得できない場合には「異議申し立て」を行う方法がありますが、その場合にも成功率を上げるために弁護士に依頼するのがおすすめです。

異議申し立てについては、「後遺障害 異議申し立て」の記事もぜひ参考にしてください。

1-2. 加害者側が無保険の場合:連絡の無視・示談金の踏み倒しが起こりやすいから

自転車事故で加害者が無保険(保険未加入)の場合は、早々に弁護士を付けて、しっかりと示談交渉を進めていくことが大切です。なぜならば、慰謝料などの示談金を踏み倒されやすいからです。

特に、自転車事故の加害者が自転車や歩行者の場合、保険未加入(無保険)のケースは珍しくありません。車やバイクであれば少なくとも強制加入の自賠責保険には加入しているはずですが、自転車や歩行者は加入が必須ではないため、何の保険にも入っていない可能性が高いのです。

東京都の令和3年度の調査によると、自転車を利用する都民の中で、対人賠償事故に備える保険などに加入している割合は62.8%でした。逆にいうと、約4割はそうした保険に入っていないということです。
参考:東京都|令和3年度「自転車利用中の対人賠償事故に備える保険等に関する加入状況調査」結果

加害者が任意保険に加入していれば、示談交渉の相手は保険会社の担当者なので冷静に話し合いを進めることができます。しかし無保険の場合は、保険会社に補償を求めることができないため、加害者本人に直接、補償を請求することになります。

加害者が交渉相手だと、「連絡を無視される」「自分の非を認めない」など、さまざまなトラブルが予想されます。その結果、適切な金額の示談金を受け取れない可能性が高くなります。

感情的なやり取りを避けて、スムーズに適切な損害賠償金を受けるために、弁護士に交渉を依頼することが大切です。

1-3. 加害者側が自賠責保険のみ加入の場合:補償額が低額になる可能性があるから

加害者側が車やバイクで、強制加入の自賠責保険にしか入っていない場合にも、弁護士への相談を検討するのがおすすめです。なぜならば、自賠責保険から支払われる補償額には上限があり、十分な補償を得られない可能性があるからです。

自賠責保険により補償される金額は、「障害」の場合は上限120万円まで、「死亡」の場合は上限3,000万円までと決まっています。

障害の上限120万円は慰謝料だけでなく治療費、休業損害なども含めた金額となります。自転車事故で通院・入院が長引いたり後遺障害が残ったりした場合には、とても120万円では足りません。

上限を超える分については、被害者が自己負担するか、加害者に直接請求することになります。

加害者が任意保険に入っていないケースの解決事例
事例339:無保険で資力に不安な相手方に対し裁判。200万円を回収した件

1-4. 保険会社が提示する慰謝料の額に納得できない場合:弁護士介入で金額をアップさせやすいから

加害者が任意保険に加入していれば無保険のケースよりは安心ですが、保険会社が提示した慰謝料額に納得できない場合には、弁護士を付けて交渉していくことをおすすめします。

実は、任意保険会社が被害者に提示する慰謝料は「任意保険基準」に沿って算定されたもので、裁判で個別に判断される適正な金額よりもかなり低い水準になることが多いのです。

たとえば、自転車事故が原因でケガをして1カ月入院した場合の慰謝料は、任意保険基準では25.2万円ですが、裁判基準では53万円と、2倍の金額差があります。

※算定基準による慰謝料の違いについては、「自転車事故 慰謝料」の記事もぜひ参考にしてみてください。

1-5. 過失割合で揉めている場合:賠償額が大きく変わってくるから

過失割合で揉めている場合には、弁護士に相談して、「あなたの過失の低さ」や「相手の過失の高さ」を客観的に立証することが大切です。なぜならば、過失割合によって賠償額が大きく変わってくるからです。

たとえば、自転車事故の損害額が1,000万円の場合、被害者の方にも2割の過失が認められる場合には、200万円が減額されてしまいます。

【過失割合による損害賠償額の例(損害額が1,000万円の場合)】

被害者側に過失がない場合 損害賠償額1,000万円
被害者側に2割の過失がある場合 損害賠償額800万円(200万円減額)

加害者側ができるだけ損害賠償額を低くするために、被害者側の過失を主張してくるケースがあります。また逆に、被害者側にも過失があるのに、過失はないと主張してくるケースもあるでしょう。

自転車事故で被害者に過失が認められるケース(一例)
・被害者が、赤信号や黄信号を進入していた場合・被害者が、飲酒運転や二人乗りをしていた場合など

過失割合は過去の判例を参考にして決めていきますが、どの判例をどう参考にするかの判断はとても難しいものです。さらに、過失割合を明らかにするために必要な証拠を用意するのも、専門知識がない場合には困難なことが多いでしょう。

相手方と過失割合で揉めていて、それにより損害賠償額が大きく変わる場合には、弁護士に相談して自分の利益を守ることをおすすめします。

過失割合によるトラブルの解決事例
事例146:過失があっても、損害を全額回収!人身傷害保険がポイントです
事例362:自動車と自転車の衝突事故で、自動車側7割、自転車側3割との内容で過失割合が争点となっていた事案で、裁判で自動車側の無過失を勝ち取った事例

過失割合については、「交通事故被害別の注意点>過失割合」の記事もぜひ参考にしてください。

2. 自転車事故で弁護士を付けずに後悔したケース

ここからは、自転車事故で弁護士を付けなかったために後悔する羽目になってしまったケースについて解説していきます。

2-1. 保険未加入の加害者に連絡を無視されてしまい後悔したケース

Aさんは自転車で走行中、脇道から突然猛スピードで現れた自転車に横から衝突されて骨折しました。

加害者が何の保険にも入っていなかったため、Aさんは加害者と直接やり取りをして、示談で治療費や休業損害、慰謝料の請求を行うことにしました。

しかし、ある時から相手が電話を無視し続けており、話し合いをしてくれなくなってしまいました。

2-2. 低額な慰謝料しかもらえなくて後悔したケース

Bさんは、自転車で走行中に同じく自転車で走行していた相手と接触して転倒し、運悪く打ちどころが悪く骨折してしまいました。全治2カ月で、その間は接客業の仕事に従事することができませんでした。

接触した相手はケガはしておらず、相手が「個人賠償責任保険」に加入していたため、保険会社と損害賠償の交渉をすることができました。

保険会社とのやり取りに慣れていなかったこと、こちらも「急いでスピードを出していた」自覚があったことから、補償金をいくらかもらえるだけで満足してしまっていました。

しかしその後、慰謝料の基準には3つの基準があり、自分はその当時に「自賠責保険基準」に近いかなり低い賠償金しかもらっていなかったことに気づきました。「裁判基準」で交渉できていれば、相手が提案した2倍程度の金額がもらえたことを知り、後悔しています。

慰謝料の基準については、「自転車事故 慰謝料」の記事もぜひ参考にしてください。

2-3. 一方的に治療費を打ち切られて後悔したケース

Cさんは、会社からの自転車で帰宅中に歩道を渡っていたところに、左右を確認せずに道路を左折してきた車両に追突されました。事故直後はあまり痛みを感じなかったものの、その後、首や腰、手の痛みが現れ、しびれや頭痛などの症状も現れました。

自動車を運転していた加害者は任意保険に加入していたため、慰謝料や治療費などの示談交渉はスムーズに進みました。しかし、首・腰・手の痛みやしびれが残っているのにもかかわらず、相手方の保険会社は治療費を一方的に打ち切ってきました。

結局Aさんは、実際には1年ほど通院したにもかかわらず、4カ月分の治療費しかもらうことができませんでした。

3. 自転車事故で弁護士を付けて成功したケース

ここからは逆に、自転車事故で弁護士に依頼することで賠償請求を有利に進めることができたケースを紹介します。

3-1. 保険会社からの低い提示額から500万円以上増額した事例

Yさんは自転車で走行中に、対向車だった加害車両に巻き込まれ、腰椎の圧迫骨折を負いました。半年通院した後に後遺障害11級が認定されましたが、保険会社からの示談金額は460万円という低い金額でした。

Yさんは示談額が適正か判断したいと、サリュに問い合わせいただきました。

示談額の内容を確認したところ、自賠責保険が定める最低限度の基準で計算されていました。そこでサリュからは裁判基準(弁護士を入れた場合の基準)で金額を計算し直し、保険会社と交渉を行いました。

結果、当初の提示額から500万円以上増額し、1,000万円で示談を成立させることができました。

更に詳しい事例内容は「事例345:相手方保険会社の提示額から500万円以上増額し、スピード解決」をご覧ください。

3-2. 後遺障害を認めさせて裁判で1,450万円を獲得した事例

Fさん(女性・主婦)は、青信号の横断歩道を渡っていたところ、信号を無視して右折してきた自転車から衝突されて跳ね飛ばされてしまい、頬骨及び上顎骨骨折・右足挫傷等の大怪我を負いました。

Fさんは、1年以上の入通院治療と2度にわたる顔の手術を受け、さらには家事ができないほどの痛みなどの後遺障害が残存してしまいました。

ところが加害者の保険会社は、自動車事故の場合の自賠責保険による認定が無いのを良いことに、一方的にFさんの後遺障害を否定し、わずかな慰謝料の支払いで解決しようとしてきました。

納得できなかったFさんは当事務所(弁護士法人サリュ)にご相談いただき、裁判所に訴訟提起を行いました。裁判では、顔の傷跡や顔のシビレ感の症状に12級、右足の痛みに対して14級が認定され、休業損害も認められたことにより、損害賠償金として1,450万円を獲得することができました。

さらに詳しい事例内容は、「事例218:自転車事故裁判にて、1450万円を獲得!保険会社の横暴は許さない」をご覧ください。

3-3. 加害者が保険未加入でも適切な賠償を勝ち取った事例

Aさん(50代女性)は、買い物に向かう途中、見通しの悪い交差点から、減速しないまま右折してきた自転車と衝突する事故に遭いました。相手は、保険に加入していない無保険の状況でした。

相手方には代理人が付いており、高圧的な物言いで治療の必要性を否定され、精神的に追い詰められていたAさん。相手が保険未加入ということもあり、いくつもの法律事務所から断られたのちに、当事務所(弁護士法人サリュ)にご相談いただきました。

Aさんの代わりに示談交渉を開始しましたが、相手方代理人は賠償に応じる意向が無かったため、早々に訴訟提起し、納得できる和解案を裁判所から引き出すことに成功しました。

高圧的な代理人とのやり取りを引き受けたことにより、Aさんは治療に専念でき、精神面でもとてもメリットがある結果になったと考えています。

さらに詳しい事例内容は、「事例346:保険のない自転車事故でも泣き寝入りせず、適切な賠償を勝ち取った事例」をご覧ください。

4. 自転車事故で弁護士を付けるか判断チャート

あらためて、自転車事故に遭った時に弁護士を依頼するかどうかについて解説していきます。

自転車事故で弁護士を依頼するかしないか迷ったら、以下のフローチャートを参考にしてください。

相手方との示談がスムーズに進み、なおかつその内容に納得できるならば、弁護士に依頼しなくても良いでしょう。

一方で、「相手方の主張や金額に納得できない」「相手が話す気がない」「交渉がうまく進まない」というケースでは、弁護士の無料相談を利用することをおすすめします。

特に、1章で解説したような以下のようなケースは、できれば弁護士に依頼することをおすすめします。

①後遺障害が残っている場合
②加害者側が無保険の場合
③加害者側が自賠責保険のみ加入の場合
④保険会社が提示する慰謝料の額に納得できない場合
⑤過失割合で揉めている場合

5. 自転車事故を弁護士に依頼する場合の費用相場

ここからは、自転車事故の示談交渉を弁護士に依頼する場合の費用相場について解説していきます。

【自転車事故を弁護士に依頼する場合の費用相場】

相談費用30分5千円程度(無料の事務所もあり)
着手金10万円〜20万円程度(無料の事務所もあり)
成功報酬経済的利益の10%~15%程度

加入している保険の「弁護士費用特約」を使いたいと考えている方は、次章「6. 自転車事故では弁護士費用特約を使えるケースと使えないケースがある」もぜひお読みください。

なお、経済的に余裕がなくて弁護士費用を支払えないなどの場合には、法テラスの「民事法律扶助制度」をご活用ください。

5-1. 相談費用:30分5千円程度(無料の事務所もあり)

自動車事故に遭ってしまって「自分ではどうしたらよいか分からない」という場合に、弁護士に相談するための費用は、30分5,000円程度が相場です。1時間なら1万円が目安です。

ただし、最近では、無料で相談に乗ってくれる法律事務所もあります。

法律相談をするだけでも、自身の置かれている状況が明確になり、何をすべきか、解決のための道筋が見えてきます。まずは、弁護士に依頼したほうが良い状況なのかどうかだけ相談してみるのもおすすめです。

交通事故トラブルに強い当事務所(弁護士法人サリュ)の場合には、相談料は無料で自転車事故のトラブル解決のお手伝いをさせていただいています。着手金もゼロなので、初期費用なしで自転車事故の解決に取り組むことが可能です。

5-2. 着手金:10万円〜20万円程度(無料の事務所もあり)

自転車事故について弁護士に依頼した場合の着手金の目安は、10万円〜20万円程度が相場となります。ただし最近では、「着手金無料」としている法律事務所も増えてきました

着手金は、弁護士が交渉などの業務を始めるときに発生する費用で、結果がどうであれ「戻ってくることのない」お金です。これからの生活を考えると、できるだけ依頼時に負担の少ない法律事務所を選択すると良いでしょう。

5-3. 成功報酬:経済的利益の10%~15%程度

自転車事故のトラブルを弁護士に依頼した場合の成功報酬は、経済的利益の10%〜15%が相場です。

・着手金ありの場合:経済的利益の10%~15%程度
・着手金なしの場合:経済的利益の10%~15%程度+10万円~20万円程度(着手金の代わり)

経済的利益とは、弁護士に依頼することで増額できた賠償金などをいいます。たとえば、弁護士に依頼することで300万円の賠償金を獲得した場合、成功報酬は30万円〜45万円程度が相場です。

弁護士事務所によって成功報酬のパーセンテージが異なるので、かならず事前に確認することをおすすめします。

6. 自転車事故では弁護士費用特約を使えるケースと使えないケースがある

自転車事故で弁護士に依頼する場合に、「自身が加入している保険の弁護士費用特約が使えないか?」と考える方は多いでしょう。

弁護士費用特約とは、自動車保険に付けられる特約で、弁護士への相談費用や委任費用を補償してくれるものです。

しかしながら、自転車事故の場合には、この弁護士費用特約が使えるケースと使えないケースがあるので注意しましょう。

弁護士費用特約が使えるケース
・自分が自転車で、相手が自動車か二輪車である場合
・日常事故弁護士費用特約に加入している場合(自動車事故限定ではない)
弁護士費用特約が使えないケース
・自分も相手も自転車など、自動車・二輪車がからなまない事故の場合
・自分が完全な加害者(過失割合が10:0)の場合
・事故の原因が自然災害である場合など

自動車保険の一般的な「弁護士費用特約」は、自動車(二輪車を含む)がからむ事故にしか対応していません。自転車同士の事故や自転車と歩行者の事故など「自動車がからまない事故」は対象外になるので注意しましょう。

また、上記以外にも、故意や重大な過失がある状態で起きた自転車事故には弁護士費用特約が利用できないケースがあります。

自分のケースで弁護士費用特約が使えるか迷った場合には、加入している保険会社に連絡して確認してみましょう。

7. 自転車事故は弁護士の手腕でかなり結果に差が出る

ここまで解説したとおり、自転車事故は、交通事故の中でも過失割合や賠償金の金額のトラブルになりやすく、相手の保険加入状況によっては交渉をスムーズに進めるのすら難しいこともあります。

交渉の難しさを感じた場合には、すぐに弁護士に相談しましょう。無料相談を受け付けている事務所ならば、無料でまずは話だけ聞いてもらい、これからどう進めていくか整理するだけでも活用できるでしょう。

また、保険会社が提案してくる示談金は、適正な金額よりもかなり低い場合が多いです。これは、弁護士が慰謝料の基準とする裁判基準(弁護士基準)よりも、保険会社が用いる基準が低く設定されているからです。

たとえば自転車事故で被害者が死亡した場合の死亡慰謝料は、裁判基準では2,000万円〜2,800万円ですが、任意保険会社は400万円〜1,350万円などかなり低い金額を提案してくることがあります。

弁護士であれば、その慰謝料が低すぎることを指摘し、判例に基づいて適正な慰謝料額を提案することができ、相手方との交渉を進めていくことができるのです。

そして、弁護士の選び方はとても重要です。弁護士なら誰でも良いという訳にはいきません。なぜならば、弁護士次第で、最終的にもらえる金額がかなり変わってくるからです。

依頼する弁護士によって、賠償金の金額が2〜3倍になったり、金額が一桁変わってきたりすることもあります。相手方との交渉力や証拠の収集能力、後遺障害が残った場合の診断書の書き方など、さまざまな要因によって、慰謝料などの損害賠償金の金額は大幅に変わります。

相手方から提案される損害賠償金の金額に納得できない場合には、ぜひサリュにご依頼ください。

サリュは、業界トップクラス20,000件以上の解決実績を持っている交通事故救済のプロです。それでいて、相談料の自己負担はありません。「まずは話を聞くだけ」のような気軽な相談が可能で安心できる弁護士法人です。

交通事故の中でも慰謝料のトラブルに発展しやすい自転車事故だからこそ、できれば早い段階から我々に気軽にご相談いただければ幸いです。

8. まとめ

本記事では「自転車事故に遭った場合の弁護士」について解説してきました。最後に、要点を簡単にまとめておきます。

自転車事故でも弁護士を付けた方がいいケースとして、以下の5つを解説しました。

①後遺障害が残っている場合
②加害者側が無保険の場合
③加害者側が自賠責保険のみ加入の場合
④保険会社が提示する慰謝料の額に納得できない場合
⑤過失割合で揉めている場合

自転車事故で弁護士を付けずに後悔したケース

・保険未加入の加害者に連絡を無視されてしまい後悔したケース
・低額な慰謝料しかもらえなくて後悔したケース
・一方的に治療費を打ち切られて後悔したケース

自転車事故で弁護士を付けて成功したケース

・保険会社からの低い提示額から500万円以上増額した事例
・後遺障害を認めさせて裁判で1,450万円を獲得した事例
・加害者が保険未加入でも適切な賠償を勝ち取った事例

「相手方の主張や金額に納得できない」「相手が話す気がない」「交渉がうまく進まない」というケースでは、弁護士に相談することをおすすめします。交通事故に強い弁護士に依頼することで、損害賠償額の金額がかなり変わってきます。

弁護士に迷ったら、自転車事故の事例も豊富に持ち、相談料の自己負担額0円のサリュに、ぜひご相談ください。