脳挫傷の後遺症は治りづらい!具体的な症状からすべきことまで解説
「脳挫傷の後遺症は一生治らない?」
「脳挫傷の後遺症が数年後に現れることもある?」
ご自身やご家族が交通事故で頭部に強い衝撃を受けて脳挫傷を負った方で、後遺症に不安を感じている方はいませんか?
交通事故で脳挫傷の怪我を負った場合、後遺症が残り一生治らないというケースも少なくありません。
頭痛や嘔吐などすぐに出る症状もありますが、時間があいて言語障害やてんかん発作などが発症することもあります。
脳挫傷による後遺症の例 | |
高次脳機能障害 | ・会話中にうまく言葉が出ない・注意力がなくなり仕事に集中できない |
外傷性てんかん | ・日常生活のなかで痙攣を起こす |
遷延性意識障害 | ・意思疎通ができない植物状態になる |
麻痺 | ・手や足が麻痺して動かせない・手や足の感覚が鈍くなる |
脳挫傷で一生治らない後遺症が残る可能性があるのは、脳そのものが損傷してしまうからです。
脳挫傷は事故直後に問題がなくても安心するのは早いです。実は、交通事故で脳挫傷の怪我を負った場合、数年後に症状が現れるケースもあるのです。
また、何らかの不調を感じているけれど、それが脳挫傷の後遺症だと気付かずに生活している被害者の方もいます。
後遺症に気づかず放置した場合、すぐに治療やリハビリをすれば回復を目指せた症状も、治らなくなります。
そのため、脳挫傷の怪我を負ったら、病院で精密検査を受けることが大切です。
病院でしっかり検査を受けることで、隠れている後遺症を発見できるだけでなく、慰謝料や逸失利益を主張するにあたって、後遺症を証明するのに役立ちます。
そこで、この記事では、以下について解説します。
この記事で分かること |
・脳挫傷で出る可能性がある後遺症の種類と具体的な症状 ・脳挫傷の後遺症を放置する2つの注意点 ・脳挫傷による後遺症で日常生活に出る影響の具体例 ・脳挫傷に苦しむ方の家族ができること |
この記事を読めば、交通事故で脳挫傷の怪我を負った方に残る可能性のある後遺症について理解することができます。
漠然とした不安を抱えた状態を抜け出し、安心して毎日を過ごせるよう、脳挫傷についてしっかり学習していきましょう。
この記事の監修者
弁護士 栗山 裕平
弁護士法人サリュ
静岡事務所
静岡県弁護士会
交通事故解決件数 1,100件以上
(2024年1月時点)
【略歴】
2013年 京都大学法科大学院修了
2013年 司法試験合格
2014年 弁護士登録 弁護士法人サリュ入所
【獲得した画期的判決】
・平成30年01月26日大阪高裁判決
歩行者との非接触事故につき,自動車運転者の過失責任が認められた事例(判例タイムズ1454号48頁他)
・平成27年7月3日大阪地裁判決
急制動措置をとって転倒滑走した原付自転車が同交差点に進入した加害車両に衝突した事故につき、加害車両運転者に過失責任が認められた事例(交通事故民事判例集48巻4号836頁他)
【弁護士栗山の弁護士法人サリュにおける解決事例(一部)】
事例337:後遺障害併合11級の認定を獲得し、逸失利益を満額回収した建設会社経営者
事例347:異議申立により外傷性ヘルニアの後遺障害併合12級を獲得した事例
目次
1.脳挫傷の後遺症は残りやすく、一生治らないケースもある
記事冒頭でもお伝えしましたが、脳挫傷による後遺症は残りやすく、一生治らないケースもあります。
なぜなら、脳挫傷は外部からの強い衝撃が原因で、脳そのものが損傷を負った状態だからです。
脳が一時的にダメージを負う脳震盪とは違い、脳が直接衝撃を受けてダメージを負っている状態を脳挫傷といいます。
脳挫傷と診断されたということは、脳内で出血が起こったり、脳が腫れたりなど、深刻な状態だったのでしょう。
「2.交通事故による脳挫傷で残る可能性がある後遺症の種類」でくわしく解説しますが、脳挫傷による後遺症はさまざまです。
中には時間が経っても全く改善しなかったり、時間差で症状が現れる場合もあります。
そのため、脳挫傷の後遺症を甘く見てはいけません。
脳の神経細胞は自然に増殖する力を持っていないため、脳の損傷した部分が自然治癒することはありません。事故後の治療やリハビリは、あくまでも命を助けるため、少しでも後遺症が残らないための処置といえます。 しかし、脳の神経組織を再構築する技術が開発されているため、今後は脳の損傷した部分を元に戻せる治療法が出てくる可能性はありますよ。 参考:北海道大学 新規開発したゲルを用いて脳の神経組織の再構築に成功~将来の脳損傷の新治療法開発への貢献に期待~(医学研究院 教授 田中伸哉) |
2.交通事故による脳挫傷で残る可能性がある後遺症の種類
脳挫傷は脳に損傷を負う大怪我であり、後遺症が残りやすいことは理解いただけたでしょう。
次に気になるのは、今現れている症状が脳挫傷の後遺症なのか、これからどのような後遺症が残る可能性があるのか、ではないでしょうか。
交通事故で脳挫傷になった場合の主な後遺症は、以下の4つです。
交通事故による脳挫傷で出る可能性がある後遺症の種類 |
1.高次脳機能障害 2.外傷性てんかん 3.遷延性意識障害 4.麻痺 |
脳挫傷といっても、頭を打った箇所や衝撃の強さなどは人それぞれ違うため、後遺症の内容や程度にも差があります。
脳挫傷によって脳に血がたまってしまった場合や、衝撃によって脳がむくんでしまった場合などは、重度の後遺症が残る可能性も高いです。
2-1.高次脳機能障害
脳挫傷による後遺症の一つに、高次脳機能障害があります。
事故の衝撃で前頭葉が損傷すると、言語や記憶、学習などの知的な機能に後遺症が出ます。
以下のような症状が事故後に現れている場合、脳挫傷が原因で高次脳機能障害になった可能性があります。
高次脳機能障害の症状 | |
言語障害 | ・会話中にうまく言葉が出ない |
記憶障害 | ・新しいことを覚えられない |
注意障害 | ・常に頭がボーっとする ・注意力がなくなって仕事に集中できない ・同じ作業を長時間続けられない |
遂行機能障害 | ・人に指示されないと行動できない |
社会的行動障害 | ・感情をコントロールできず常にイライラする ・人格、性格が変わる |
高次脳機能障害であることに自信で気付くことができる場合もあれば、周囲の人に言われて初めて気付く場合もあります。
高次脳機能障害は目に見える後遺症ではないため、「以前の自分と何かが違う」と感じているけれど、違和感の原因が分からず被害者が苦しい思いをするケースも多いのです。
【高次脳機能障害に苦しむ方や家族のブログ・動画】 ・交通事故にあってから奇跡の社会復帰までの道のり ・【KTN】高次脳機能障害 子どもと家族の会が発足~「見えない障害」悩みを共有 ・トラックに跳ねられた日、その2 『アナタは高次脳機能障害です』 |
2-2.外傷性てんかん
脳挫傷により広範囲にわたって脳が損傷した場合の後遺症に、外傷性てんかんがあります。
外傷性てんかんは、外傷により生じるてんかん発作のことで、事故から1年以内に50%、2年目以内に80%程度が発症するといわれています。
脳挫傷の怪我を負った後に意識を失ったり、痙攣があった方は、外傷性てんかんの後遺症が残る可能性が高いです。
外傷性てんかんの特徴 |
1.意識を失って体が硬くなり、細かなけいれんが10秒程度続く 2.その後、リズミカルな動きに変わり30秒以上痙攣が続く |
事故前に発作を起こしたことがない方や、発作を起こす可能性がある疾患を持っていない方が、上記のような痙攣を起こした場合、外傷性てんかんと診断されることが多いです。
【外傷性てんかんの後遺症に苦しむ家族のブログ】 ・脳挫傷から外傷性てんかん、遷延性意識障害の母との287日。 |
参考:桑名眼科脳神経クリニック 頭部外傷-各論(外傷後てんかん)-
2-3.遷延性意識障害
交通事故による脳挫傷の後遺症に、遷延性意識障害があります。
遷延性意識障害とは植物状態のことで、脳挫傷の後遺症のなかで最も重いものです。
事故による強い衝撃で脳の広範囲が損傷することで、意識障害が起こります。
以下の状態が3ヶ月以上続いた場合、遷延性意識障害と診断されます。
遷延性意識障害だと診断される基準 |
・自力で移動できない ・自力で食事ができない ・自力で排泄できない ・意味のある言葉を話せない ・意思疎通ができない ・動くものを目で追えない |
脳挫傷の後遺症で遷延性意識障害なってしまったら、事故前の状態に回復する可能性は低くなります。
【遷延性意識障害の後遺症に苦しむ家族のブログ・動画】 ・遷延性意識障害になった息子 ・全国遷延性意識障害者・家族の会 |
2-4.麻痺
脳挫傷の後遺症に、麻痺もあります。
脳の損傷により手や足が動かせなくなったり、感覚が鈍くなったりすることがありますが、損傷箇所によってどの部位に麻痺が起こるか変わります。
脳挫傷によって麻痺が起こるのは、脳の損傷により、手足を動かしたいという指令が神経から筋肉へ伝わらなくなるからです。
【麻痺の後遺症に苦しむ方や家族のブログ・動画】 ・交通事故で車椅子生活〜また歩ける日まで〜リハビリ,歩行,治療日記〜 |
3.脳挫傷の後遺症について知っておくべき注意点
脳挫傷の後遺症にはどのようなものがあるか、理解できたでしょうか。
事故後の小さな体の不調や違和感が後遺症である可能性もあるため、少しでも「おかしいな」と感じたら病院を受診しましょう。
「違和感はあるけれど大したことはないだろう……」
「もっと大きな症状が現れてから病院に行けばいいか」
などと考えて放置すると、取り返しのつかないことになる場合があるため注意が必要です。
ここでは、脳挫傷の後遺症について知っておくべき注意点を解説します。
・本人が後遺症に気付かない場合がある ・数年後に後遺症が現れる可能性がある |
3-1.本人が後遺症に気付くことができない場合がある
まず、脳挫傷になった場合、本人が後遺症に気付かない場合がある点に注意が必要です。
特に、高次脳機能障害の症状は、事故が原因だとすぐに結びつかないケースが多い傾向にあります。
高次脳機能障害の症状 | |
言語障害 | ・会話中にうまく言葉が出ない |
記憶障害 | ・新しい出来事を覚えられない |
注意障害 | ・常に頭がボーっとする ・注意力がなくなって仕事に集中できない ・同じ作業を長時間続けられない |
遂行機能障害 | ・人に指示されないと行動できない |
社会的行動障害 | ・感情をコントロールできず常にイライラする ・人格、性格が変わる |
頭がボーっとする、集中できない、などと感じても、「最近疲れているのかも」「寝不足が原因かも」などと考えてしまう方も多いでしょう。
そのため、違和感があっても脳挫傷の後遺症だと気付くことができないのです。
脳挫傷の後遺症に気付かない場合、以前とは違う自分にイライラしたり気分が落ち込んだりして、辛い日々を過ごすことになるでしょう。
また、何かしらの不調が後遺症だと気付かなかったために、適正な慰謝料を受け取ることができなくなる恐れもあります。
交通事故で後遺症が残ったのであれば、しっかりと適正な慰謝料を受け取らなければいけません。
3-2.数日~数年後に後遺症が出る可能性がある
脳挫傷と診断されるほどの強い外傷を受けると、数日後に後遺症が現れる可能性があります。
時間差で症状が現れる理由は、事故から数日かけて脳の損傷部分が拡大し、徐々に脳機能が低下することがあるからです。
事故直後は治療によって回復し、以前と変わらず日常生活を送ることができていたとしても、時間が経ってから症状が現れる可能性があるのが脳挫傷の恐いところです。
異変を感じたらすぐに病院を受診してください。
4.脳挫傷による後遺症の日常生活への影響
脳挫傷による後遺症は、自分で気付かなかったり、数年後に発症したりする可能性があることが分かりましたね。
次に、脳挫傷による後遺症により、日常生活にどのような不便を感じるのか、どのようなことができなくなってしまうのかを見ていきましょう。
脳挫傷による後遺症で日常生活に出る可能性がある影響 | |
高次脳機能障害 | ・以前と同じ仕事に就けない ・以前のように人付き合いができない |
外傷性てんかん | ・車の運転ができない ・一人で水泳や入浴ができない ・駅のホームや狭い歩道など危険な場所を歩けない |
遷延性意識障害 | ・誰かの介護がないと身の回りのこと(食事や排泄)ができない |
麻痺 | ・料理できない ・自分の足で自由に移動できない |
後遺症よって仕事に支障が出る人もいれば、家での基本的な日常生活動作にも支障が出る人もいます。
脳挫傷で治療中の家族がいる方は、今後どのような影響が出るのか理解しておくことで、被害に遭った本人をどうサポートするか事前に計画することができます。
例えば、被害者が遷延性意識障害や麻痺になった場合は介護が必要になるため、自宅の改装も検討する必要があるでしょう。
5.事故で脳挫傷を負ったら病院でしっかり検査を受けよう
交通事故で頭部をぶつけたら、まずは病院でCTやMRIなどの精密検査を受けましょう。
なぜなら、精密検査を受けないと重大な後遺症を見逃す可能性があるからです。
精密検査を受けると、脳挫傷によって脳のどの部分にどの程度のダメージがあるのか、明らかにすることができます。
脳挫傷の後遺症を見逃すと、数年後に意識不明になったり亡くなったり、最悪な事態に発展する可能性もゼロではありません。
また、脳挫傷の後遺症で加害者に慰謝料を請求する場合、事故直後の精密検査の結果が慰謝料の金額を左右する可能性があるのも、病院で検査を受けるべき理由のひとつです。
後遺障害の認定は、事故直後と3~6ヶ月後のCT・MRI画像を比較し、脳の異常を画像で確認できるか否かが重視されます。
もし事故後すぐに病院で検査を受けなかった場合、後で後遺症が現れたとしても、その症状が交通事故によるものだと証明できない可能性があります。
このように脳挫傷の怪我を負った本人の命や健康に関わったり、受け取ることができる慰謝料の額が変わる可能性があるため、検査はしっかり受けてください。
6.脳挫傷に苦しむ方の家族ができる3つのこと
事故で脳挫傷と診断された本人は、怪我の影響で正しい判断ができなくなる場合があります。
そこで重要なのが、周りの家族のサポートです。
ここでは、交通事故で脳挫傷の怪我を負い苦しむ方の家族ができることを3つ紹介します。
1.症状固定と診断されるまでしっかりリハビリをさせる 2.脳挫傷と診断されてからの日常の変化を細かく記録しておく 3.慰謝料をしっかり請求する |
6-1.症状固定と診断されるまでしっかりリハビリをさせる
家族が脳挫傷と診断されたら、症状固定と診断されるまでしっかりリハビリをしてもらいましょう。
自己判断で治療やリハビリを辞めると、避けられたはずの重い後遺症が残る可能性があります。
また、途中でリハビリを辞めると、受け取ることができる慰謝料が減額される可能性もあります。
実は、事故による怪我で慰謝料を請求する場合、入院や通院の期間が金額に影響するのです。
しっかりとリハビリを受けた場合と受けなかった場合で、慰謝料が数十万円以上変わることもあるのです。
【重傷の場合の入通院慰謝料】
通院期間 | 入通院慰謝料 |
1ヶ月 | 28万 |
6ヶ月 | 116万 |
12ヶ月 | 154万 |
そのため、本人が「もう病院に行かなくても大丈夫」と言っても、医者に「これ以上治療することはない」「症状固定だ」と言われるまでは、リハビリを続けてもらうことが重要です。
6-2.日常の変化を細かく記録しておく
家族が脳挫傷と診断された場合には、脳挫傷と診断されてからの日常の変化を細かく記録しておきましょう。
なぜなら、日常生活における変化の記録が、脳挫傷による後遺症が残ったことの証拠になるからです。
交通事故の後遺障害の有無や程度は基本的に書類や画像により審査されるため、高次脳機能障害によりどのような症状が現れているかを証明するのに、家族の記録が有効なのです。
次のように、事故前と比較してできなくなったことを記録しておくと良いでしょう。
家族が記録しておくべき日常の変化の例 | |
後遺症が発症した状況 | ・〇月〇日にてんかん発作があり、食事中に意識を失い〇分間痙攣する |
事故後できなくなったこと |
・金銭管理ができなくなり一人で買い物に行けなくなった ・綺麗好きだったのに部屋の掃除をしなくなった ・時間に厳しかったのに時間通りに行動できなくなった ・温厚な性格だったのにイライラしやすくなり家族に暴言を吐くようになった ・社交的な性格だったのに家に引きこもるようになった |
6-3.慰謝料をしっかり請求する
慰謝料や逸失利益などの賠償金をしっかり請求することも、脳挫傷の後遺症に苦しむ方の家族にできることの一つです。
交通事故に遭い脳挫傷という大怪我を負った場合、入院や通院で感じたストレスや、精神的な苦痛を感じたことに対する慰謝料を請求できます。
また、他にも以下の賠償金を請求することができます。
脳挫傷の後遺症に苦しむ方が受け取れる賠償金の例 |
・入通院慰謝料:入通院治療をした場合の精神的苦痛をお金に換算したもの ・後遺障害慰謝料:後遺症が残った場合の精神的苦痛をお金に換算したもの ・治療費:治療にかかったお金 ・休業損害:事故による症状が原因で仕事を休み減収があった場合に請求できるお金 ・逸失利益:後遺症が残り、労働に支障が生じている場合に請求できるお金 など |
慰謝料をしっかり請求するためには、後遺症の認定手続を行ったうえで、各種損害を計算し、示談交渉を行わなければなりません。
被害者本人が後遺症に苦しんでいる場合、損害賠償請求にまで十分な気が回らないケースもあるので、家族のサポートが必要です。
7.脳挫傷の後遺症で慰謝料を請求する場合は弁護士に相談すべき
前章では、脳挫傷に苦しむ方の家族ができることを解説しました。
被害者本人が主体となって行動する場合も、家族がサポートする場合も、相手方に慰謝料などを請求する場合には弁護士に相談すべきです。
脳挫傷は、症状が一生治らない可能性があり、認定された後遺障害等級によっては非常に高額な慰謝料を請求できます。
しかし、被害者本人や家族が交渉をしても、不当に安い金額しか提示されず、それで示談を成立させてしまう危険性があります。
ここでは、脳挫傷の後遺症で慰謝料を請求する場合に弁護士に相談すべき2つの理由を解説します。
1.被害者本人が自覚していない後遺症に気付くことができる場合があるから 2.後遺障害の認定や示談交渉によって受け取ることができる慰謝料を増額できる場合があるから |
6-1.被害者本人が自覚していない後遺症に気付くことができる場合があるから
脳挫傷の後遺症で慰謝料を請求する場合に弁護士に相談すべき理由は、本人が自覚していない後遺症に気付くことができる場合があるからです。
交通事故案件の経験が豊富な弁護士は、脳挫傷で後遺症が残ってしまった被害者のサポート経験も豊富です。
そのため、被害者の状況や家族の話を聞くことで、「その症状は脳挫傷の後遺症かもしれない」と気付くことができる場合があるのです。
後遺症を認識することで、早く適切な治療を受けることができ、回復の可能性も高まるかもしれません。
また、後遺症に気付いたことで請求できる慰謝料の金額が上がるケースもあります。
6-2.慰謝料を増額できる場合があるから
脳挫傷の怪我で慰謝料を請求する際に弁護士に相談すべき理由は、慰謝料を増額できる場合があるからです。
交通事故で脳挫傷の怪我を負い後遺症が残ると、後遺障害認定の申請をしなければなりません。
後遺障害認定とは、残存した症状が交通事故による後遺障害であると認めてもらう手続です。後遺症の内容や程度によって1~14級までの等級が認定されます。数字が小さいほど後遺症が重いことを示します。 |
後遺障害認定で等級認定を受けることができると後遺障害慰謝料や逸失利益を請求できるため、最終的に請求できる賠償金が大きく増えます。
脳挫傷で後遺症が残った場合に認定される可能性があるのは、1・2・3・5・7・9・12級です。
後遺症を証明する証拠を集めて申請しないと、想定よりも低い等級が認定されたり、そもそも後遺障害として認定されなかったりする恐れがあります。
交通事故案件の経験が豊富な弁護士なら、脳挫傷の後遺症で後遺障害認定を受けるために必要な知識も備えています。
そのため、被害者本人や家族だけで申請するよりも、適正な等級獲得のためにしっかり準備することができるのです。
また、加害者側の保険会社に「後遺症を認めない」と言われた場合も、証拠を集めたり類似事例をもとに交渉を進めたり、適正な慰謝料を請求したりすることができるのです。
もし弁護士への依頼を検討しているなら、私たち弁護士法人サリュにご相談ください。
サリュは、交通事故の被害者専門の弁護士事務所なので交通事故の解決実績は20,000件以上あり、全ての弁護士が交通事故の知識と経験を十分に備えています。
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8.まとめ
脳挫傷の後遺症は残りやすく、一生治らないケースもあります。
交通事故による脳挫傷で残る可能性がある後遺症の種類 |
・高次脳機能障害:言語障害や記憶障害が起こる ・外傷性てんかん:意識を失って痙攣する ・遷延性意識障害:植物状態になる ・麻痺:手や足が動かしにくい、動かせなくなる |
脳挫傷の怪我を負った方は、現状では特に問題がなくても以下の点に注意してください。
脳挫傷の後遺症について知っておくべき注意点 |
・本人が後遺症に気付かない場合がある ・数年後に後遺症が現れる可能性がある |
脳挫傷の後遺症の程度には個人差がありますが、中には以前と同じ仕事に就けなくなったり、車を運転できなくなったりする方もいます。
重大な後遺症を見逃さないためにも、頭部を受傷したら、病院でCTやMRIなどの精密検査を受けることが大切です。
家族が脳挫傷と診断された場合には、以下の3つを意識してサポートしましょう。
脳挫傷に苦しむ方の家族ができる3つのこと |
1.症状固定と診断されるまでしっかりリハビリをしてもらう 2.脳挫傷と診断されてからの日常の変化を細かく記録しておく 3.慰謝料をしっかり請求する |
慰謝料や逸失利益などの賠償金をしっかり請求するためには、家族のサポートはもちろん、法律と医療の知識が豊富な弁護士の力が必要です。
弁護士は、本人が気づいていない後遺症に気付くことができたり、適正な慰謝料を獲得するために適切な証拠を集めたりすることができます。是非私たちにご相談ください。