何日以内?交通事故後は10日以内に病院へ行くべき理由を解説

「交通事故に遭ったけど、何日以内に病院に行けば間に合うのか知りたい」

「今更行くのは面倒だけど、行ったほうがいいのかな?」

交通事故の直後には症状の自覚がなかったものの、後から怪我が判明したあなたは、このように悩んでいませんか?

結論からお伝えすると、怪我をしたかもしれないと思ったら、遅くとも事故から10日以内に病院へ行きましょう。

なぜなら、時間が経つほど交通事故と怪我の関係を証明できなくなってしまうからです。

人身事故と物損事故では、被害者への補償内容は以下のように異なります。

  物損事故 人身事故
物的損害(車の修理費など) ー(あれば◯)
精神的損害(入通院慰謝料など) 基本的になし
治療費・検査費用など ×
休業損害など ×

事故と怪我との因果関係が証明できないと、治療や通院にかかった費用もすべて被害者が負担することになってしまいます。

「今から行っても遅いだろうから、もう行かなくてもいいかな」

と考えてしまい、そのまま病院に行くタイミングを逃してしまっている方もいるかもしれません。

この記事では、そんな方が「今すぐでも病院に行こう!」と思えるように、病院に行かなかった場合に後悔すること行くための手順などを詳しく解説します。

是非この記事の内容を参考してください。

この記事の監修者
弁護士 馬屋原 達矢

弁護士法人サリュ
大阪弁護士会

交通事故解決件数 900件以上
(2024年1月時点)
【略歴】
2005年 4月 早稲田大学法学部 入学
2008年 3月 早稲田大学法学部 卒業(3年卒業)
2010年 3月 早稲田大学院法務研究科 修了(既習コース)
2011年  弁護士登録 弁護士法人サリュ入所
【著書・論文】
交通事故案件対応のベストプラクティス(共著:中央経済社・2020)等
【獲得した画期的判決】
【2015年10月 自保ジャーナル1961号69頁に掲載】(交通事故事件)
自賠責非該当の足首の機能障害等について7級という等級を判決で獲得
【2016年1月 自保ジャーナル1970号77頁に掲載】(交通事故事件)
自賠責非該当の腰椎の機能障害について8級相当という等級を判決で獲得
【2017年8月 自保ジャーナル1995号87頁に掲載】(交通事故事件)
自賠責14級の仙骨部痛などの後遺障害について、18年間の労働能力喪失期間を判決で獲得
【2021年2月 自保ジャーナル2079号72頁に掲載】(交通事故事件)
歩道上での自転車同士の接触事故について相手方である加害者の過失割合を7割とする判決を獲得

 

1.交通事故に遭ったら遅くとも10日以内に病院(整形外科)に行くべき

交通事故の被害に遭ったら、どれだけ遅くとも10日以内に病院(整形外科)へ行きましょう。


なぜなら、病院へ行くのが遅くなれば遅くなるほど、交通事故と怪我との因果関係が認められなくなる可能性が高いからです。

病院が予約制であったり、休診日を挟んだりすると、受診しようと思い立ってもすぐに受診できるるわけではありません。


そのため、少しでも症状を自覚したら、「まだ大丈夫」「10日以内なら大丈夫」などと思わず、一刻も早く病院へ行くようにしてください。

2.面倒でも交通事故にあった後に病院へ行く2つのメリット

「病院へ行ったほうがいいのはわかるけど、やっぱり面倒」

そのように感じて病院へ行くのが億劫な方に向けて、交通事故後に病院へ行くことの具体的なメリットについて解説します。

・因果関係の立証が容易になる
・怪我があった場合に慰謝料などの賠償金を請求できる

今はまだ「面倒だし、病院なんて行かなくてもいいかな」と思っているかもしれませんが、この章を読めばすぐに病院に行くメリットが理解でき、「今すぐ行ったほうがいい」と決心できるはずです。

2-1.因果関係の立証が容易になる

1つ目のメリットは、交通事故と怪我との因果関係の立証が容易になることです。

交通事故の被害者は、加害者側に治療費や検査費用などを請求できますが、そのためには交通事故により怪我をしたことを証明しないといけません。

事故の直後に通院することで、その証明が容易になるのです。

検査費用や治療費については、通院の前に加害者側の保険会社に連絡したうえで病院へ行くことで、その場での自己負担なしでの通院が可能です。

また、もしその場で自己負担した場合でも、領収書などを保管しておくことで、後から請求することも可能です。

※被害者にも相応の過失があるケースや加害者が任意保険の使用を拒否するケースなど例外はあるので注意してください。

治療関連費としては、治療費や検査費用だけでなく、以下のようなものも対象となります。

【請求できる項目】

・治療費
・検査費用
・装具・器具購入費(コルセットやサポーターなどの購入費用)
・診断書等の発行費用

事故の直後に病院へ行かず、後から骨折や靭帯損傷などの怪我が発覚しても、治療が遅れたことで症状が長引いたり悪化させてしまう可能性もあります。事故直後に病院へ行くことで、早期に適切な治療が受けられるでしょう。

受診した結果怪我が認められなくても検査費用などは請求できる
「怪我をしたかもしれない」と思って交通事故後に病院へ行って検査をした結果、怪我が認められなかった場合でも、一般的に必要と考えられる検査費用を請求することは可能です。

「病院へ行っても、怪我がなかったら自費になるかも」という心配は不要なので、安心してください。

ただし、全く怪我をしていないのに通院を続けたり、医師が必要だと判断した以外の治療や検査を受けたりした場合などは、補償の対象外となるので注意してください。

2-2.怪我があった場合に慰謝料などの賠償金を請求できる

2つ目のメリットは、怪我があった場合に慰謝料などの賠償金を請求できることです。

物的損害に関しては基本的には慰謝料が認められませんが、人的損害に関しては慰謝料を含む以下のような補償が受けられます。

【人身事故で請求できる賠償金】

入通院慰謝料 交通事故で怪我をしたことによる精神的苦痛に対する補償
後遺障害慰謝料 交通事故による後遺障害の認定(後遺症が残ったことを、自賠責保険の認定機関から認めてもらう手続)を受けた場合に請求できる精神的苦痛に
対する補償
治療費などの通院にかかる費用 治療費、病院への交通費、診断書の発行費用などの実費
休業損害 怪我の影響で収入が減ったことに対する補償
逸失利益 後遺障害の影響で将来的に収入が減ることに対する補償

例えば、交通事故の怪我で1か月の通院した場合、最高28万円の入通院慰謝料を請求できます。(怪我の程度や計算基準により、金額は変動します)

このように、補償額に大きな差が出る可能性があるというのが、交通事故のあとに病院に行くべき理由です。

適正な補償を獲得するには弁護士の力を借りるべき
同じような事故で、同じような怪我をしても、必ず同じ金額の補償が受けられるわけではありません。
実は、交通事故の慰謝料には「自賠責基準」という最低限の基準と、「弁護士基準」という最高水準の基準があります。

例えば、通院期間が1か月の場合の入通院慰謝料の相場は、計算基準によって以下のように異なります。

自賠責基準:12万9000円(通院期間30日/通院日数15日の場合)
弁護士基準:19万円(軽傷)~28万円(重傷)

弁護士基準での慰謝料を獲得するためには、相手の保険会社と交渉する必要があります。
しかし、相手の保険会社はできる限り低い金額で示談しようとしているため、自力での交渉は難航するケースが多いでしょう。
弁護士へ委任すれば、被害者の味方になり、相手の保険会社と戦ってくれます。
示談交渉などでお悩みがある場合には、まずは弁護士に相談してみてください。
メールで無料相談する方は、下記をクリックしてください。

3.「どうせ些細な怪我だし」と病院に行かなかった場合によくある後悔

「大した怪我ではないし、病院に行くほどでもないか」

事故の後でそのように感じ、病院へ行かない人もいますが、そのような行動にはリスクが隠れています。

交通事故の後で病院へ行かなかったことで、次のような後悔をするかもしれません。

1.治療が遅れたため怪我が悪化する
2.後から怪我が判明しても因果関係が認められず、賠償金を請求できない

3-1.治療が遅れたため怪我が悪化する

交通事故の後で「早く病院へ行っておけばよかった」と後悔するのが、治療が遅れたため怪我が悪化するケースです。

交通事故の直後は、事故による衝撃でアドレナリンが出ていることもあり、痛みや違和感に気が付かないことがあります。

「事故の直後に痛くなかったから、大した怪我ではないだろう」

と思うかもしれませんが、後から骨折や靭帯損傷、内臓損傷が発覚することが実際にあります。

そんな時に、早期に治療しないことで、治療が長期化したり、後遺症が残る可能性もあるのです。

3-2.後から怪我が判明しても因果関係が認められず、賠償金を請求できない

もう一つ重大な後悔が、後から怪我が判明しても因果関係が認められず、賠償金を請求できなくなってしまうことです。

交通事故から最初の受診まで時間が経ってしまうと、事故による怪我であることを証明することが難しくなります。

相手の保険会社は、

「すぐに病院に行っていなということは、事故とは関係ない怪我ではないか」

などと、因果関係を認めないこともあるでしょう。

早くから病院にかかっていれば、通院記録が残るため相手の保険会社に反論する材料がありますが、時間が経つほど因果関係を証明する証拠を集めることも難しくなります。

その結果、治療費や入通院慰謝料などの賠償金を請求できなくなってしまうのです。

事故に巻き込まれて怪我をした上に、賠償金も得られなくなる可能性があるというのが、事故後に病院に行かないことで生じる大きな後悔です。

4.交通事故後に病院へ行く際の流れ

「じゃあ病院に行ってみようかな。でも、今から行って本当に大丈夫なの?」

病院に行こうと思っても、タイミングを逃してしまい、どう進めていけばいいのかわからないという方も多いでしょう。

ここではそんな方に向けて、交通事故の被害者が病院へ行く際の流れを具体的に解説します。

1.加害者側の任意保険会社に連絡する
2.病院(整形外科)を受診する
3.事故処理を担当した警察署に連絡する(事案による)
4.医師の判断に従って通院を続ける

4-1.加害者側の任意保険会社に連絡する

まずは加害者側の任意保険会社の担当者に、「怪我をしたようなので通院したい」と伝えてください。

この時、通院する予定の病院名・受診する科・連絡先などをメモに控えておき、相手に伝えられるようにしておきましょう。

【例】

◯月◯日に△△さんと事故を起こした◯◯です。その後、腰と首に痛みが出てきたので、通院したいと思っています。受診するのは、××病院の整形外科です。連絡先は(電話番号・住所)です。

保険会社への申告後に病院へ行けば、被害者は窓口負担なしで治療や検査を受けることができるのが通常です。

4-2.病院(整形外科)を受診する

保険会社と連絡が取れたら、病院を受診します。

この時、事前に電話などで連絡し、「交通事故による怪我」であることを伝えておいてください。

交通事故による怪我は、一般的な健康保険を使う通院とは会計などの処理が異なるため、事前に伝えておくことで窓口での処理がスムーズになります。

事前に保険会社が支払対応の手続きを行っている場合、治療や検査にかかる費用を被害者が窓口で払う必要はありません

処理が終わっていない場合は、一旦被害者本人が払い、後から請求する形になるので、支払い方法を確認したうえで現金やクレジットカードを持参しましょう。

また、健康保険証は基本的に必要ありませんが、本人確認書類(免許証、マイナンバーカードなど)は持参しましょう。

病院によって必要な持ち物は異なるので、心配な場合は最初に電話するタイミングで確認しておくと安心です。

受診時に怪我が判明したら、医師に診断書を発行してもらってください。

病院でかかる費用の目安
交通事故による怪我を一旦自己負担する場合、病院でかかる費用の目安は以下のとおりです。
なお、交通事故の場合、医療機関によっては健康保険が使えないと言われることがあります。そのため、ここでは10割自己負担の場合の金額を記載します。

初診+レントゲン撮影:7000円~1万円程度
MRI費用:15000円~30000円程度

4-3.事故処理を担当した警察署に連絡する

医師の診断書が準備できたら、警察に連絡します。

おそらく最初は物損事故として処理されているはずですが、怪我が判明したことで人身事故への切り替えが可能です。

この時、110番などではなく、事故処理を担当した警察署の交通課などに直接連絡してください。

担当の警察署は「事故に遭った住所」を管轄する警察署です。

担当者や担当部署がわからない場合は、警察署の代表電話に

「◯月◯日に交通事故に遭ったのですが、物件事故から人身事故への切り替えをするための対応部署を教えてください」

と尋ねれば教えてもらえます。

この後、加害者と揃って実況見分を行い、実況見分調書を作成してもらいましょう。

実況見分は警察が指定した日に行います。事故のケースにもよりますが、大体数十分~2時間程度で終わります。

なお、事案によっては、人身事故の届け出を出す必要性が乏しいケースもあります。詳しくは弁護士に相談しましょう。

4-4.医師の判断に従って通院を続ける

手続きと並行して、医師の判断に従った通院を続けてください。

通院中に勝手に通院頻度を減らしたり、通院をやめたりすると、怪我が悪化したり、後遺障害が残存する可能性があるほか、適正な賠償金を受け取ることができない可能性があります。

また、通院を再開しようとしても、既に完治していたものと判断され、再開後の治療が認められないこともあるでしょう。

自身では治ったと思っていても、一時的に痛みが治まっているだけで、治療は完了していない可能性があります。

思わぬ悪化を防ぐためにも、必ず医師の判断に従った通院を続けてください。

5.どうしても通院が難しいときは弁護士に相談して

「仕事が忙しくて病院に行くのが遅れてしまった」

「事故直後は怪我に気が付かなかったけど、数日経ってから痛みが出てきた」

交通事故では、そのような事情で受診が後回しになることもあるでしょう。

また、最初に受診したものの、忙しくて定期的な通院が難しいという方もいるはずです。

そのように、交通事故で怪我をしたにも関わらず、仕事や生活などの事情で病院に行けなかったとか今後行くのが難しいという場合、弁護士に相談しておくと安心です。

事故直後に病院に行けなかったり、定期的な通院ができていなかったりする場合、相手の保険会社が事故による怪我であることを認めず、治療費や慰謝料などの賠償金を払わない可能性があります。

そんな時に、「交通事故による怪我であること」や「病院に行けなかった客観的な事情」の証拠を集め、保険会社と交渉してくれます。

【通院が難しいときに弁護士に相談したほうがいい理由】

・受診が遅れた理由や通院できない事情を客観的に整理し、証拠を集めてくれるから
・医療記録やカルテをもとに相手保険会社と交渉してくれるから
・後から発覚した怪我に対しても適正な補償を主張できるから

実際に、治療に空白期間があった場合でも、その事情を客観的に説明し、後遺障害等級の認定を受けられたケースもあります。

事故のケース 後遺障害等級 詳細
・治療中、約1か月間の治療中断があり、後遺障害認定非該当・仕事が繁忙期であること、医師の言葉の受け取り方の問題などを丁寧に振り返り、後遺障害の残存を証明 非該当→14級9号 事例の詳細
・交通事故3日後に初めて整形外科を受診していたことや、接骨院を中心に通院していたこと、空白期間があることなどで申請が難しい状況・各事情を説明する意見書を作成し、認定機関に認められる 12級13号 事例の詳細

このように、受診が遅れたり通院に空白期間があったりするケースでも、弁護士の力を借りれば、納得できる結果になる可能性があります。

受診や通院が難しい事情があるものの、適正な補償を受けたい。

そんな方は、まずは弁護士にご相談ください。

通院まで期間が空いてしまった・空白期間があるという方はご相談ください

「交通事故から病院に行くまで時間が経ってしまった」「空白期間のせいで、相手の保険会社から怪我を認めてもらえないかもしれない」
そんな悩みを抱えている方は、ぜひサリュにご相談ください。
サリュは、これまで2万件以上の交通事故を解決に導いてきた、被害者専門の弁護士事務所です。
被害を疑ってくる相手の保険会社への対応経験も多数あるので、通院にムラがあったケースでも諦めずに相手と交渉します。
自分の怪我を認めてもらえないかもしれないと悩んでいる方は、まずはお気軽にお問い合わせください。
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6.まとめ

この記事では、交通事故直後に病院へ行かなかったものの、やっぱり病院へ行くべきか悩んでいる方に向けて、必ず行くべき理由や通院までの手順などを紹介してきました。

内容のまとめは以下のとおりです。

▼交通事故に遭ったら遅くとも10日以内に病院(整形外科)に行くべき

▼交通事故に遭ったあと病院へ行くメリットは以下の2つ

・因果関係の立証が容易になる
・怪我があった場合に慰謝料などの賠償金を請求できる

▼交通事故後に病院へ行かないことで生じるかもしれない後悔2つ

1.治療が遅れたため怪我が悪化する
2.後から怪我が判明しても因果関係が認められず、賠償金を請求できない

▼事故後に病院へ行く流れ

1.加害者側の任意保険会社に連絡する
2.病院(整形外科)を受診する
3.事故処理を担当した警察署に連絡する(事案による)
4.医師の判断に従って通院を続ける

この記事を参考に、症状のある方は一刻も早く病院へ行き、医師の診断を受けてください。