交通事故による後遺障害認定期間は約2~3ヶ月!連絡がない時の対処法も

「交通事故による後遺障害が認定されるまでの期間はどのくらいかかる?」

 このように、後遺障害を申請したのに保険会社から何の連絡もなく、不安に感じていませんか?

 また、これから後遺障害認定を申請するために、認定までにどのくらいの期間がかかるのか知ってめどを立てたい方もいるでしょう。

 交通事故の後遺障害が認定されるまでの期間は、2~3ヶ月です。

 2~3ヶ月で結果が出るケースがほとんどのため、現時点で2~3週間連絡がない状態でも、焦る必要はありません。

 後遺障害認定は基本的に60~90日で結果が出ますが、高次脳機障害で申請していたり、2つ以上の後遺症で申請していたりすると、認定までに90日以上かかる場合もあります。

 しかし、加害者の保険会社の申請ミスや、自分が提出した書類の不備などが原因で、後遺障害認定に時間がかかるケースもありますよ。

 理由も分からず申請から時間が経っている状態で何も対処しないと、認定結果が出るのがどんどん遅れてしまい、示談交渉が進みません。

また、時効となり、後遺障害の損害賠償請求をできなくなる恐れもあります。

 そこで、この記事では以下について解説します。

この記事で分かること
・交通事故の後遺障害認定にかかる期間
・後遺障害認定が長期になる理由
・【申請中の人・これから申請する人別】後遺障害認定を短期間にする方法

最後まで読めば、交通事故の後遺障害が認定される流れや、後遺障害認定を短期間にする方法も理解できます。

後遺障害認定期間に関する不安を解消するために、ぜひこの記事を参考にしてください。

 

この記事の監修者
弁護士 梅澤 匠

弁護士法人サリュ福岡事務所
福岡県弁護士会

交通事故解決件数 1,700件以上
(2024年1月時点)
【略歴】
2009年 3月 明治大学法学部 飛び級入学のため中退
2012年 3月 同志社大学司法研究科 修了
2012年 9月 司法試験合格
2013年  弁護士登録 弁護士法人サリュ入所
【公職】
同志社大学司法研究科兼任教員(民法演習担当)
-獲得した画期的判決-
【大阪高裁平成30年1月26日・判例タイムズ1454号48頁】(交通事故事件)
歩行者との非接触事故につき,自動車運転者の過失責任が認められた事例
【神戸地裁令和元年6月26日判決・自保ジャーナル2054号110頁】(交通事故事件)
転回時の衝突事故について有利な過失割合が認定された事例
【神戸地裁令和元年7月24日・交通事故民事裁判例集52巻4号913頁】(交通事故事件)
併合14級の後遺障害逸失利益の算定について、減収がなかったものの逸失利益を認定した事例
その他複数
【弁護士梅澤の弁護士法人サリュにおける解決事例の一部】
事例336:死亡事故で被害者参加制度を利用。遺族の気持ちを加害者に直接伝えたい
事例344:異議申立てで、むちうち症状の後遺障害等級を第14級9号から第12級13号へ覆した事例
事例158:後遺障害申請サポートで13級を獲得。示談交渉時256万円の提示だったが、訴訟提起で1030万円を獲得

弁護士法人サリュは、交通事故の被害者側専門で20,000件以上の解決実績を誇る法律事務所です。

交通事故被害に遭われたら、できるだけ早期に、交通事故の被害者側専門弁護士に相談することをおすすめします。これは、弁護士のアドバイスを受けることで、もらえる損害賠償金が大きく変わる場合があるからです。
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1.交通事故の後遺障害認定にかかる期間は2ヶ月〜場合によっては3ヶ月以上

 

冒頭でもお伝えしたように、交通事故の後遺障害認定までにかかる期間の目安は、約2~3ヶ月です。

 結果の通知を待っている期間が30~60日程度なら、基本的には安心できます。

ただ、保険会社からまったく連絡がない・申請から60日以上経っている、などに当てはまるなら、調査状況を確認したほうが良い場合もあります。

 このまま結果を待つべきかどうか判断するためにも、まずは以下の認定期間について理解しましょう。

・基本的には2~3ヶ月で審査結果が出る

・場合によっては90日以上かかるケースもある

1-1.基本的には2~3ヶ月で審査結果が出る

交通事故の後遺障害認定は、基本的に2~3ヶ月で結果が出ます

 スムーズに申請が行われれば2~3ヶ月で認定結果が出るので、2~3週間審査結果がこなくても「遅すぎる」と焦る必要はありません

1-2.場合によっては90日以上かかるケースもある

多くの人は2~3ヶ月で審査の結果が出ますが、場合によっては認定までに90日以上かかる人もいます。

なぜなら、調査に時間がかかるケースもあるからです。

 次章でも触れる内容ですが、以下のケースに当てはまると、申請結果が出るまでに90日以上かかる可能性が高いです。

 特に、高次脳機能障害は後遺障害認定に時間がかかりやすいので、その理由も次章で詳しく解説しますね。

2.交通事故の後遺障害認定が遅れる原因

 交通事故の後遺障害認定までの期間は、基本的に2~3ヶ月であると分かったでしょう。

 しかし、すべての方の認定結果が2~3ヶ月で出るとは限りません。

 想像より結果が出るまでの期間が長いと、「きちんと申請できていないのではないか」「後遺障害が認められないから時間がかかっているのかもしれない」などと、不安になりますよね。

 以下の3つは、後遺障害認定が遅れるときに考えられる原因なので、詳しく見ていきましょう。

1.高次脳機能障害で後遺障害認定を申請している
2.保険会社が調査機関に書類を提出していない
3.提出した書類に不備がある

2-1.高次脳機能障害で後遺障害認定を申請している

高次脳機能障害で後遺障害認定を申請する場合、認定までに時間がかかることがあります。

なぜなら、高次脳機能障害の主な症状は、注意力や記憶力の低下・感情のコントロールが難しいなど、目に見えない症状が多いからです。

さらに、MRIやCTなどの画像検査でも後遺障害を認定することが難しいため、調査機関での確認にも時間がかかることがあります。

交通事故で高次脳機能障害になってしまった場合、後遺障害認定が遅れるのは仕方ないといえます。

もし早く結果を受け取りたい特別な事情があるなら、後遺障害認定の結果を短期間で受け取る方法もあるので、このまま読み進めてください。

2-2.保険会社が自賠責保険会社に書類を提出していない

交通事故の後遺障害認定が長期間になる原因として考えられるのは、保険会社が自賠責保険会社にあなたの書類を提出していないことです。

後遺障害認定を事前認定で申請する場合、加害者側の保険会社が自賠責保険会社に書類を提出する必要があります。

事前認定:加害者の保険会社に書類を提出し、保険会社が自賠責保険会社に申請する


被害者請求:被害者が書類を用意して自賠責保険会社に直接申請する

例えば、保険会社が忘れていたり、軽い案件だと思われて後回しにされたりなどの理由で、自賠責保険会社にあなたの後遺障害を申請していないケースもあります。

提出した書類が自賠責保険会社に渡っていなければ、後遺障害認定の審査はされないため、申請から2~3ヶ月以上経ってしまうことがあるのです。

ただ、後遺障害認定の2つの申請方法のうち、被害者請求で申請するなら、あなたが直接自賠責保険会社に書類を提出するため申請漏れは起こりません。

2-3.提出した書類に不備がある

後遺障害認定は、基本的に書類に記載された内容のみで審査が行われます。

後遺症を証明する診断書や事故発生状況を説明する報告書、交通事故証明書など、多くの書類を不備なく記入・準備して申請しなければ、正しく審査をしてもらえません。

書類不備が原因で再申請をするよういわれた場合、再度病院に行って検査を受けたり、必要書類を行政機関から再度取り寄せたりする必要があります。

特に事前認定は、加害者側の保険会社が書類を準備して審査機関に提出するので、細かくチェックされない可能性が高いですよ。

3.交通事故で後遺障害認定の結果を短期間で受けるための3つの方法

交通事故の後遺障害認定が遅れる原因を、理解できたでしょうか。

 遅れていると感じているのに、何もせずに結果を待っているのは時間がもったいないです。

あなたの行動次第で、申請期間を早められる場合もありますよ。

ここでは、既に申請中の方、これから申請する方、それぞれが後遺障害認定を短期間で受けるための方法を解説します。

・【申請中の方】申請から1ヶ月経ち連絡がないなら保険会社に確認する


・【これから申請する方・再申請する方】被害者請求をする


・【これから申請する方・再申請する方】交通事故に強い弁護士に依頼する

3-1.【申請中の方】申請から1ヶ月以上経ち連絡がないなら保険会社に確認する

既に後遺障害認定を申請しており、1ヶ月以上経ったのに何も連絡がないなら、加害者の保険会社に進捗を確認しましょう

保険会社が申請を忘れている、後回しにしているなどが原因で申請が遅れている場合、連絡をきっかけにすぐ対応してもらえることがあるからです。

申請状況を確認する際、「まだ申請の準備をしている」と言われるケースもあるでしょう。

保険会社がまだ準備をしている状態で1ヶ月以上経っているなら、1日でも早く申請してもらうよう、お願いしてみてください。

3-2.【これから申請する方・再申請する方】被害者請求をする

これから後遺障害を申請する方、再申請する方は、被害者請求をしましょう。

なぜなら、自分で直接自賠責保険会社に申請する被害者請求なら、事務的な手続きの不備を防げるからです。

被害者請求は、自分に有利な証拠や資料を集めて申請できるので、認定されやすくなるメリットがあります。

申請方法

メリット

デメリット

被害者請求

・申請に有利な診断書や証拠を自分で集めて提出できる・自分で申請するので手続きの透明性が高い

・手間がかかる

事前認定

・必要書類を保険会社が準備してくれる・申請に手間がかからない

・加害者側に手続きを任せるので不透明

手間はかかりますが、自分で準備してしっかり確認すれば、申請を忘れたり提出書類に不備があったりするなどの理由で、申請が長期間になることはほぼないでしょう。

3-3.【これから申請する方・再申請する方】交通事故に強い弁護士に依頼する

後遺障害認定を短期間で受けたいなら、交通事故に強い弁護士に依頼しましょう。

交通事故に強い弁護士は、後遺障害認定を受けるために必要な書類や、証拠に関する知識が豊富です。

交通事故による後遺症が認められづらいことや、後遺症を証明するためにどのような情報を診断書に記載すべきか、などを理解しています。

そのため、診断書の作成に必要な検査を事前に受けたり、証拠を取り寄せたりしたうえで、後遺障害認定の申請ができるのです。

漏れなく証拠を集めて申請すれば、調査機関での審査がスムーズに進むため、短期間での後遺障害認定を狙えますよ。

4.後遺障害認定の結果に納得できなければ1日でも早く異義申し立てしよう

後遺障害認定の結果がきたけれど、納得できないこともあるでしょう。

「後遺障害非該当だったけど等級を獲得したい」「等級を上げたい」などと希望するなら、書類や証拠を集め直し、1日でも早く保険会社への異議申し立てを検討してください。

なぜなら、症状固定と診断されてから5年間で、後遺症に関する慰謝料の請求権が時効消滅する可能性があるからです。

時効となってしまったら、どれだけ後遺症に苦しんでいたとしても、納得いく後遺障害認定を受けられないまま示談交渉をしなければなりません。

その結果、受け取れる慰謝料が大幅に下がるケースもあります。

異議申し立ての際に重要なのは、「一度目の申請でなぜ納得のいく結果が得られなかったのか」です。

後遺障害認定が認められない理由の例

・後遺症を証明する重要な証拠を提出し忘れていた


・治療経過を証明する書類に不備があった

交通事故による後遺症で後遺障害認定を申請したけれど、「非該当だった」「認定された等級が予想より大幅に低かった」などの状況になり、悔しい思いをする方もいます。

そのようなときに交通事故に強い弁護士に依頼すれば、納得のいく結果を得られなかった原因を見つけ出し、しっかり準備したうえで異議申し立てができますよ。

5.交通事故の後遺障害認定の期間について悩む方によくある質問

最後に、交通事故の後遺障害認定の期間について、まだ気になることがある方に向けて、よくある質問を紹介します。

【Q1】後遺障害の認定がおりたら、慰謝料の支払いはいつになる?


【Q2】治療期間が長ければ長いほど後遺障害認定は認められやすい?

5-1.後遺障害の認定がおりたら、慰謝料の支払いはいつになる?

A.慰謝料が支払われるタイミングは、示談が成立してから1~2週間程度です。

後遺障害の認定がおりたら、示談交渉が始まります。示談交渉がスムーズに進めば問題ないですが、示談が長引けば慰謝料が支払われる時期も遅れます。

5-2.治療期間が長ければ長いほど後遺障害認定は認められやすい?

A.怪我の治療に必要な治療が長引けば、後遺障害認定の判断材料になる可能性はあります。

ただ、治療期間の長さだけで、後遺障害認定が認められるものではありません

後遺障害認定を判断する損害保険料率算出機構は、被害者が公平な補償を受けるために調査をおこなっています。

後遺障害認定を受けようとして、自分の意思だけで無駄に病院に通っても、意味はありません。

6.まとめ

この記事では、交通事故による後遺障害が認定されるまでの期間について解説しました。

交通事故の後遺障害認定までにかかる期間は、約2~3ヶ月です。

ほとんどの方が60日~90日以内に後遺障害認定に結果を受け取れるので、安心してくださいね。

ただ、以下に当てはまる場合、後遺障害認定までに90日以上かかることがあります。

 

交通事故の後遺障害認定が遅れる原因

1.高次脳機能障害で後遺障害認定を申請している


2.保険会社が調査機関に書類を提出していない3.提出した書類に不備がある

少しでも早く結果を受け取りたいなら、以下の方法を試してみてください。

後遺障害認定を短期間で受けるための3つの方法

1.【申請中の方】申請から1ヶ月経ち連絡がないなら保険会社に確認する


2.【これから申請する方・再申請する方】被害者請求をする


3.【これから申請する方・再申請する方】交通事故に強い弁護士に依頼する

交通事故に強い弁護士に依頼すれば、短期間での結果受け取りを目指して、後遺障害認定の申請ができます。

弁護士への相談を検討しているなら、被害者側専門の弁護士法人サリュをぜひ頼ってくださいね。