交通事故でのむちうちの症状は?少しでも当てはまる人が取るべき行動

「交通事故にあってすぐはなんともなかったのに、今になって首に痛みが出てきた…もしかしてむちうち?」

交通事故の後で首や肩に痛みやしびれなどの症状が現れる場合、事故が原因でむちうちになった可能性が高いです。

もし、交通事故にあった後や、翌日以降に首に痛みや違和感が現れたら、すぐに病院(整形外科)へ行ってください。

できるだけ早く治療を開始し、身体にダメージを残さないようにするためにも、早めの受診が肝心です。

また、実は、事故から受診まで時間が経ってしまうと、むちうちの原因が交通事故であったと証明することができなくなってしまいます。

そうなると、治療費や慰謝料などを含めた賠償金を請求できなくなるかもしれません。

そのような事態を防ぐためにも、「むちうちかも」と思ったら、まずはすぐに病院へ行ってください。

この記事では、交通事故にあって「むちうちになってしまったかもしれない」という方に向けて、下記の内容を網羅的に解説します。

この記事でわかること
・交通事故でむちうちになったときの症状
・むちうちになったときの対処法
・受け取れる慰謝料などを含めた賠償金

この記事の内容を参考に、交通事故によるむちうちに対処してください。

この記事の監修者
弁護士 馬屋原 達矢

弁護士法人サリュ
大阪弁護士会

交通事故解決件数 900件以上
(2024年1月時点)
【略歴】
2005年 4月 早稲田大学法学部 入学
2008年 3月 早稲田大学法学部 卒業(3年卒業)
2010年 3月 早稲田大学院法務研究科 修了(既習コース)
2011年  弁護士登録 弁護士法人サリュ入所
【著書・論文】
交通事故案件対応のベストプラクティス(共著:中央経済社・2020)等
【獲得した画期的判決】
【2015年10月 自保ジャーナル1961号69頁に掲載】(交通事故事件)
自賠責非該当の足首の機能障害等について7級という等級を判決で獲得
【2016年1月 自保ジャーナル1970号77頁に掲載】(交通事故事件)
自賠責非該当の腰椎の機能障害について8級相当という等級を判決で獲得
【2017年8月 自保ジャーナル1995号87頁に掲載】(交通事故事件)
自賠責14級の仙骨部痛などの後遺障害について、18年間の労働能力喪失期間を判決で獲得
【2021年2月 自保ジャーナル2079号72頁に掲載】(交通事故事件)
歩道上での自転車同士の接触事故について相手方である加害者の過失割合を7割とする判決を獲得

弁護士法人サリュは、交通事故の被害者側専門で20,000件以上の解決実績を誇る法律事務所です。

交通事故被害に遭われたら、できるだけ早期に、交通事故の被害者側専門弁護士に相談することをおすすめします。これは、弁護士のアドバイスを受けることで、もらえる損害賠償金が大きく変わる場合があるからです。
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1.交通事故によるむちうちの症状

交通事故による怪我の中でもよく見られるのが、むちうち(頸椎捻挫)です。

むちうちは、首に強い衝撃がかかり、首の骨や神経にダメージが生じることで起こります。

具体的には、下記のような症状が現れることがあります。

・首や肩の痛み、しびれ、だるさ
・頭痛やめまい、耳鳴り
・首や肩のこり、張っているような感覚、筋肉の緊張
・集中力が続かない

※あくまで一例です。

事故以前と比べて、このような症状が発生するようになったと感じる場合には、むちうちになった可能性があるでしょう。

このような症状は、事故の直後だけでなく、事故から数時間後~数日後に現れるケースもよく見られます。

特に、交通事故の直後は衝撃で痛みなどを感じづらくなっていることが多く、怪我をしたことに気が付かない人が少なくありません。

そのため、外傷でわからないむちうちは、事故の発生から時間が経って気が付くケースが多いのです。

むちうちは正式な診断名ではない
首に強い衝撃がかかり、それによって痛みやしびれなどの症状が生じることの総称として「むちうち」という呼ばれ方をしますが、これは正式な診断名ではありません。  

診断書に記載される診断名としては、  

・頸椎捻挫(首の捻挫)
・外傷性頚部症候群(首周辺の損傷による神経症状)  

などがあります。

2.交通事故後に「むちうちかも」と思う症状が出たらすぐに病院へ

交通事故の後で思い当たる症状があり、「むちうちかもしれない」と思ったら、まずはすぐに病院(整形外科)へ行きましょう。

症状が出ているにもかかわらず、病院へ行かずに放置していると、むちうちが悪化してしまう可能性があります。

また、交通事故にあってむちうちになったにも関わらず、病院へ行かずにいると、金銭的な面で損をしてしまう可能性が高まります。

本来、交通事故の被害者は、

・怪我の治療費

・慰謝料

などを含めた賠償金を、加害者側に請求することができます。

しかし、病院に行かないと、事故が原因で怪我をしたことが証明できず、本来受け取れるはずの賠償金を請求できなくなってしまうのです。

できるだけ早く治療を開始し、交通事故が原因でむちうちになってしまったということを証明するためにも、遅くとも、事故発生から一週間以内には受診しておきましょう。

整骨院や整体へ行くのは待って
「交通事故治療専門」などと謳っていたり、むちうちの施術を行っていたりする整骨院がありますが、整骨院は医療機関ではありません。  

整骨院では、医療的な治療や検査、診断書の発行などはできません。
あくまで、治療をサポートするような役割の施設なのです。  

そのため、病院に行かずに整骨院へ行ってしまうと、  

・むちうちの治療が遅れる
・事故による怪我だと証明できない  

といったリスクが発生します。  

整骨院へ行きたい場合でも、まずは病院へ行き、医師に相談した上で通うようにしてください。

3.交通事故でむちうちになったときの対応

症状が気になって病院へ行ったものの、その後の対応についてどうすればいいのか悩んでしまう方は多いはずです。

ここでは、どのような対応をするべきなのか解説していきます。

交通事故の被害者がむちうちになってしまったら、その後は治療費や慰謝料などを含めた賠償金を加害者側に請求することができます。

そのための準備として、次のような行動を起こしましょう。

・必要に応じて検査を受け、医師に診断書を発行してもらう
・警察に物損事故として届けている場合、人身事故に切り替える
・保険会社に人身事故へ切り替えたことを伝える

3-1.必要に応じて検査を受け、医師に診断書を発行してもらう

レントゲンやMRIなど整形外科で必要に応じて検査を受けましょう。

また、警察の手続きを人身事故に切り替える場合には、医師に診断書を発行してもらいましょう。

物損事故扱いのままでも保険会社から治療費が支払われることがありますが、しっかりと警察に事故状況を捜査してもらいたい場合には人身事故に切り替えた方がよいです。

むちうちは他覚的な所見(外から見て判断できる材料)が少ない症状ですので、自覚症状がある場合には、治療の初期から漏れなく医師に伝え、カルテなどに記録しておいてもらうことも重要です。

3-2.警察に物損事故として届けている場合、人身事故に切り替える

事故の発生直後に怪我の自覚症状がなかった場合、「物損事故」として届けを出しているはずです。

軽傷であっても怪我をした場合は、すぐに保険会社に連絡するとともに、必要に応じて「人身事故」へと切り替える必要があります。

物損事故から人身事故への切り替えは、下記のようなステップで行います。

3-2-1.警察署に訪問予約する

物損事故から人身事故への切り替えは、被害者が警察署に足を運んで行います。

予約をせずに行くと、時間がかかってしまう可能性があるので、事前に電話で訪問予約をしておきましょう。

事故が発生した場所を管轄する警察署に、

「交通事故による怪我があり、病院で診断を受けたので、人身事故への切り替えがしたい」

ということを伝えれば訪問日や必要なものなどについて案内してくれます。

3-2-2.予約した日に警察署へ行く

予約をした日に警察署へ行きましょう。

電話で確認したかと思いますが、当日必要になるのは下記のようなものです。

【必要なもの】

・診断書
・運転免許証
・車検証
・自賠責保険証
・印鑑
・事故の様子がわかる写真など(あれば)

これらを持って警察署で手続きを行うことで、人身事故への切り替えの依頼ができます。

3-2-3.実況見分が行われる

人身事故への切り替えができたら、改めて実況見分が行われます。

被害者と加害者双方が立ち会い、警察主導で実況見分調書を作成します。

・調書を作成した日時、場所、立会人名
・事故現場の道路の状況
・事故車両の状態
・被害者、加害者双方の当事者の説明
・現場の見取り図や写真

3-3. 捜査記録を閲覧する

実況見分が終わり、刑事処分が終わったら、検察庁に対して、捜査記録の閲覧を求めましょう。

過失割合について保険会社と求めている場合には、それらの証拠が有効な反論となることがあります。

4.交通事故でむちうちと診断された場合に受け取れる賠償金

ここまで、交通事故でむちうちになってしまった場合の手続きについてお伝えしてきました。

そこで、交通事故でむちうちになった場合に受け取ることができる「お金」の話もお伝えしておきます。

・入通院などにかかった実費
・怪我の影響で仕事を休んだ場合の休業損害
・怪我で入通院をすることになったことへの慰謝料
・後遺障害が残った場合、慰謝料と後遺症の影響で減った将来の収入の補償(逸失利益)

その中でも、慰謝料と逸失利益は、同じむちうちの怪我であっても、計算基準によって金額が大きく変わります。

それぞれ、詳しく解説します。

4-1. むちうちと診断された場合に受け取れるお金の種類

交通事故によるむちうちと診断を受けた場合にもらえるお金には、「入通院をした際に請求できるもの」と、「後遺障害が残った際に請求できるもの」があります。

これらを全て含めて、賠償金と呼びます。

4-1-1.入通院をした際に請求できる賠償金

治療費診察料、検査費用、薬代、リハビリ費用などの医療費
通院交通費病院への交通費、タクシー代などの実費
入院雑費入院時に必要な日用品や雑費の費用
休業損害通院・入院で仕事を休んだ期間の収入減の補償
入通院慰謝料入通院による精神的苦痛に対する補償

治療費については、基本的に加害者側の保険会社が直接病院に支払いを行うケースが多いため、被害者本人が窓口で負担することはありません。

交通費や雑費については、実際にかかった金額を証明できる領収書などを保管しておき、示談交渉の際に相手の保険会社に提出することで請求が可能です。

タクシー代については、なぜ、公共交通機関で通院ができないか医師の診断書を受け取っておくと交渉の際に証拠となります。

休業損害は、仕事を休んだ期間の収入を補償するものです。

サラリーマンなどの給与所得者だけでなく、自営業の方や、専業主婦でも受け取ることができます。

こちらの詳しい計算方法については、下記記事を参考にしてください。

慰謝料の金額については、4-2.慰謝料・逸失利益は、同じ怪我でも計算基準によって金額が大きく違うで解説します。

4-1-2.後遺障害が残った際に請求できる賠償金

後遺障害慰謝料後遺障害が認定された場合の精神的苦痛に対する補償
後遺障害逸失利益後遺障害により労働能力が低下した分の将来の収入減を補償

後遺障害とは、交通事故による怪我の治療後に、労働能力が喪失される症状が残ったと、公的機関に認定された状態のことです。

後遺障害の認定を受けることで、後遺障害慰謝料や、逸失利益が請求できるようになります。

後遺障害は、症状の重さによって等級が分けられています。

重度のものから比較的軽度のものまで1~14級の等級に分類され、等級ごとに慰謝料の金額が異なります。

むちうちの場合、痛みやしびれなどの症状が残ることで、14級、もしくは12級の等級に認定されるケースがあります。

また、逸失利益については、被害者の年齢や収入、後遺障害等級によっても異なりますが、被害者に過失や素因が一切ないむちうちの場合の相場は下記の通りです。

以下の表のように、年収と等級によって大きく左右されます。過失や素因がある場合にはここから減額されます。

【男性(25歳:年収5,549,100円 と 55歳:年収6,740,100円の場合)場合

25歳・14級の認定を受けた場合127万
25歳・12級の認定を受けた場合663万
55歳・14級の認定を受けた場合154万
55歳・12級の認定を受けた場合805万

【女性(25歳:3,943,500円 と 55歳:年収4,280,700円の場合)場合

25歳・14級の認定を受けた場合90万
25歳・12級の認定を受けた場合471万
55歳・14級の認定を受けた場合98万
55歳・12級の認定を受けた場合511万

詳しい計算の方法については、【早見表付き】後遺障害の逸失利益はいくら?ケースごとの金額を解説で説明しているので、併せて参考にしてください。

4-2.交通事故の慰謝料は同じ怪我でも計算基準によって金額が大きく違う

交通事故の慰謝料は、同じようなケースの怪我であっても、必ずしも同じ金額がもらえるわけではありません。

請求する際の計算基準が異なると、数十万円以上の差が出てしまうこともあるのです。

慰謝料の計算基準には、下記の3つがあります。

この中で弁護士基準の金額は最も高く、それと比較して、残りの計算基準の金額は低いのが特徴です。

相手の保険会社が提示してくる金額は、基本的に最低基準である自賠責基準か、それに近い任意保険基準の金額になることがほとんどでしょう。

具体的に、通院期間と、後遺障害の等級別に慰謝料の相場を見ると、計算基準によって下記のような差があります。

【通院期間による慰謝料相場の違い】

通院期間自賠責基準(通院が多いケース)弁護士基準
1か月12.9万円28万円(軽症:19万円)
2か月25.8万円52万円(軽症:36万円)
3か月38.7万円73万円(軽症:53万円)
4か月51.6万円90万円(軽症:67万円)
5か月64.5万円105万円(軽症:79万円)
6か月77.4万円116万円(軽症:89万円)

※軽症は、画像(レントゲン、CT、MRIなど)上で異常がないなど、他覚所見のない場合

【等級ごとの後遺障害慰謝料の違い】

後遺障害等級自賠責基準弁護士基準
1432万円110万円
1294万円290万円

例えば、交通事故によるむちうち(軽症)で、3か月通院した場合、弁護士基準と自賠責基準では下記のような差が出ます。

【むちうち(軽症)で3か月通院した場合】

自賠責基準38.7万円
弁護士基準53万円

同じ怪我を負って、同じ通院期間・後遺障害等級の認定であっても、金額が大きく異なってしまうことがお分かりいただけたでしょうか。

先ほども述べた通り、相手の保険会社から提示される金額は、自賠責基準に近い、最低限度の補償であることがほとんどです。

そんな中で、被害者が適正な金額の慰謝料を獲得するには、弁護士に交渉を依頼して、弁護士基準の慰謝料を請求する必要があります。

5.交通事故によるむちうちで適正な賠償金を受け取るために押さえておくべきポイント

交通事故の被害者がむちうちの怪我を負った場合、相手に慰謝料などを含めた賠償金を請求することができます。

ですが、示談交渉の前にしっかりポイントを押さえておかないと、納得できる結果にならなかったり、本来もらえるはずの金額よりも、少ない金額で解決してしまったりする可能性があるのです。

むちうちの怪我をしてしまったあなたが、交渉前に知っておきたいポイントを紹介します。

・診断書や検査記録など、むちうちの治療を行った証拠を残す
・医師の指示に従って、適切な通院を続ける
・保険会社の言いなりになって、症状固定の時期を決めない
・慰謝料は弁護士基準で請求する
・むちうちが完治しなかったら、後遺障害等級の認定手続きを行う

5-1.診断書や検査記録など、むちうちの治療を行った証拠を残す

最初のポイントは、診断書や検査記録など、むちうちの治療を行った証拠を残すことです。

むちうちは、外傷として現れず、怪我をしたことが外見ではわかりにくい怪我です。

そのため、十分な記録を残していないと、怪我をしたことが認められない可能性があります。

怪我が認められないと、治療費や慰謝料などを含めた賠償金の請求が難しくなり、最悪の場合は補償を受けられなくなるかもしれません。

十分な補償を受けるためにも、病院では交通事故による怪我であることを伝えた上で、診断書の発行や検査結果の記録をお願いし、むちうちの治療を行った証拠を残しましょう。

5-2.医師の指示に従って、適切な通院を続ける

続いてのポイントは、医師の指示に従って、適切な通院を続けることです。

勝手に通院をやめたり、通う頻度を少なくしたりすると、相手の保険会社にとって「むちうちの症状が軽い」と判断する材料になってしまいます。
必ず、医師の指示に従った適切な通院を継続してください。

5-3.保険会社の言いなりになって、症状固定の時期を決めない

4つ目のポイントは、保険会社の言いなりになって、症状固定の時期を決めないことです。

症状固定とは
症状固定とは、医師が「これ以上治療を続けても症状がよくも悪くもならない」と判断した状態のことです。  

症状固定すると、治療期間が終了し、示談金の交渉を行っていくことになります。  

また、症状固定後に残る症状(怪我をした部分の痛みやしびれ、うごかしづらさなど)は後遺症となり、その中でも後遺障害等級の認定を受けたものは、後遺障害慰謝料や逸失利益などの対象となります。

症状固定の時期は、基本的に医師が治療の経過を観察する中で決めます。

しかし、一部の保険会社は、
「むちうちだったら3か月で治療期間は終わりなので、症状固定しましょう」
などと、被害者の症状固定の時期を勝手に決めようとしてくることがあるのです。

まだ治療中にもかかわらず症状固定の時期を受け入れてしまうと、
・もらえるはずの慰謝料などが不当に少ない金額になる
・後遺症が残ったのに、後遺障害の認定が受けられない
などの事態を引き起こす可能性があります。

それを防ぐためにも、保険会社の言いなりになって症状固定の時期を決めるのは避けましょう。

5-4.慰謝料は弁護士基準で請求する

5つ目のポイントは、慰謝料は弁護士基準で請求することです。

4-2.交通事故の慰謝料は、同じ怪我でも計算基準によって金額が大きく違うでも解説した通り、慰謝料の金額は、計算基準によって大きく異なります。

しかし、相手の保険会社は、低い基準での金額を提示してくるはずです。

弁護士基準での慰謝料の請求には、弁護士への依頼が必須です。
6.交通事故でむちうちの診断を受けたらすぐに弁護士へ相談するべきで詳しく解説します。

5-5.むちうちが完治しなかったら、後遺障害等級の認定手続きを行う

最後のポイントは、むちうちが完治しなかったら、後遺障害等級の認定手続きを行うことです。

症状固定後に後遺症が残った場合には、後遺障害等級の認定手続きを行う必要があります。

この認定を受けることで、後遺障害に対する慰謝料や逸失利益を請求できるようになるのです。

むちうちの場合、痛みやしびれなどの神経症状で、14級、もしくは12級の認定を受けるケースが見られます。

この時注意していただきたいのが、むちうちの後遺障害の認定を受けるのは、難しいということです。

むちうちは、外傷的な変化がなく、レントゲンなどにも異常が見られないことが多い怪我です。

そのため、怪我をしたことや、後遺症が残っていることを証明するのが、非常に難しくなっています。

自身で手続きを進めることに不安を持つ方は、専門的な知識を持つ弁護士に依頼して、サポートを受けるなどの対処を取りながら、後遺障害の認定手続きを行ってください。

6.交通事故でむちうちの診断を受けたらすぐに弁護士へ相談するべき理由3つ

実は、むちうちの怪我を負った被害者が、自力で納得できるまで交渉するのは、かなり面倒で難しい道のりです。

先ほども説明した通り、示談交渉や後遺障害の認定のためには、やるべきことや、知っておくべき知識が数多くあり、知識の少ない被害者が自分で調べながら進めるのは難しいです。

このような時に頼りになるのが、交通事故対応の実績が豊富な弁護士です。

弁護士は、被害者の方が不安になる部分のサポートや、負担を感じる交渉を代わりに行います。

また、むちうちの怪我をした被害者が弁護士に依頼したほうがいい理由は、他にもいろいろあります。

特に重要な理由を、3つ挙げて解説していきます。

・相手が提示してくる示談金に対して納得できるまで交渉してくれるから
・弁護士に相談しないと、弁護士基準の慰謝料を獲得できないから
・むちうちで後遺症が残っても、後遺障害認定を受けるのは難しいから

6-1.相手が提示してくる示談金に対して納得できるまで交渉してくれるから

弁護士に依頼したほうがいいひとつ目の理由は、相手が提示してくる示談金に対して納得できるまで交渉してくれるからです。

相手の保険会社が提示してくる示談金は、基本的に自賠責基準と呼ばれる最低限の基準か、それより少し高い程度の金額です。

しかし、それが不当な金額であると被害者が訴えても、保険会社は個人が相手ではのらりくらりと議論をかわし、増額に応じてくれないケースが多々あります。

そこで力になるのが、弁護士による交渉です。

相手の保険会社は、弁護士が介入することで「裁判になるかもしれない」というリスクを抱えます。

また、弁護士は過去の判例などをもとに金額の交渉をしてくるので、被害者に対するように、適当な態度でかわすこともできません。

そのため、弁護士に依頼して交渉をしてもらうことで、相手の保険会社を交渉のテーブルにつけることができるのです。

弁護士と保険会社のやりとりであれば、相手に有利に交渉が進むこともなく、被害者にとっても納得できる内容で交渉を進めることができます。

個人で交渉しようとしても、保険会社が誠意のある対応をしてくれないという時などは、弁護士への依頼が特に効果的です。

6-2.弁護士に相談しないと、弁護士基準の慰謝料を獲得できないから

弁護士に依頼したほうがいいふたつ目の理由は、弁護士に相談しないと、弁護士基準の慰謝料を獲得できないからです。

4-2.交通事故の慰謝料は、同じ怪我でも計算基準によって金額が大きく違うで説明した通り、交通事故の慰謝料は、計算基準によって金額が大きく異なります。

ただし、自分で弁護士基準で慰謝料を請求するのは、難しいでしょう。

弁護士基準の金額で交渉を進めるには、過去の判例や、法的な知識など、専門的な知見で金額の正当性を裏付けなければいけないからです。

金額の相場を知っていても、保険会社を納得させるだけの証拠や材料がなければ、その金額で交渉を進めることはできないでしょう。

6-3.むちうちで後遺症が残っても、後遺障害認定を受けるのは難しいから

弁護士へ依頼したほうがいい最後の理由は、むちうちで後遺症が残っても、後遺障害認定を受けるのは難しいからです。

むちうちによる後遺症でよく見られる神経症状は、外見からは症状がわかりづらく、画像検査などでも証拠が残りにくいという傾向にあります。

そのため、事故による怪我で後遺症が残ったことが証明できず、認定が非該当になってしまうケースがよく見られるのです。

交通事故の対応に慣れた弁護士であれば、後遺障害等級の認定についても、豊富な経験と知識を持っています。

後遺障害等級の認定に進む場合には、必要な検査や、書類の準備に関してサポートを受けられます。

これらのサポートを受けなければ、むちうちで後遺障害認定を受けるのが難しいというのが、弁護士に依頼したほうがいい最後の理由です。

7.軽傷でも任せられる弁護士の選び方の基準4つ

ここでは、交通事故の対応を安心して任せられる弁護士選びのポイントを、4つに絞ってお伝えします。

1.交通事故の解決実績が豊富か
2.依頼前に費用の相談に乗ってくれるか
3.過去に同じようなケースの解決事例があるか
4.医学的なサポートを受けられる法律事務所か

7-1.交通事故の解決実績が豊富か

ひとつ目のポイントは、交通事故の解決実績が豊富かどうかです。

弁護士には、それぞれ得意な分野・苦手な分野があります。

例えば、離婚調停が得意な弁護士に交通事故の解決を依頼しても、十分な知識がなく、思うような結果が出せないことになってしまうでしょう。

それを防ぐためには、交通事故の解決実績が豊富な、交通事故に強い弁護士を選ぶ必要があります。

選び方のポイントとしては、弁護士事務所のサイトやチラシなどを確認し、専門分野をチェックしてみましょう。

交通事故の記載がないパターンはもちろんですが、あまりに「広い分野に対応します」と書かれている場合も、専門性が低い可能性があるので注意が必要です。

7-2.依頼前に費用の相談に乗ってくれるか

ふたつ目のポイントは、依頼前に費用の相談に乗ってくれるかどうかです。

初めて弁護士に依頼するあなたは、

「弁護士に依頼して、ものすごく高い金額を請求されて損したらどうしよう」

と、金銭的な不安を抱えているはずです。

きちんとした法律事務所では、料金体系や、費用倒れ(相談者が依頼することで金銭的に損をしてしまうこと)のリスクがないかなど、依頼前に相談者に説明してくれます。

特に、むちうちという軽い怪我の場合、費用倒れのリスクはあるので、その部分を納得できるように説明してくれるかどうかを、判断基準にしてください。

弁護士費用特約があれば、弁護士費用の自己負担なしで依頼できる
弁護士費用特約とは、自身が加入している車両保険などに付帯しているサービスです。

弁護士費用特約をつけていれば、被害者の弁護士費用を、保険会社が負担してくれます。

負担してくれる額は、一般的に最大300万円までで、むちうちの場合の弁護士費用としては十分な金額です。  

また、弁護士費用特約は、家族が加入している場合でも利用できるサービスです。
家族の保険の内容を見直してみてください。

7-3.過去に同じようなケースの解決事例があるか

次のポイントは、過去に同じようなケースの解決事例があるかどうかです。

過去の解決事例については、法律事務所のサイト内で確認できることが多いです。

また、電話やメールなどで問い合わせを行い、直接聞いてみるというのも効果的です。

自分に寄り添った対応をしてもらうためにも、過去に同じようなケースの解決事例があるかどうかは、事前にチェックしておきましょう。

7-4.医学的なサポートを受けられる法律事務所か

最後のポイントは、医学的なサポートを受けられる法律事務所かどうかです。

むちうちの怪我は、証明するのが難しく、怪我や後遺障害が認められづらいという傾向にあります。

そんな中で、適正な慰謝料などを含めた賠償金を獲得するためには、被害者の症状をできるだけ的確に医学的な証拠として証明することが重要です。

その時に頼りになるのが、医学的なサポートを受けられる法律事務所です。

裁判のための法的な知識だけではなく、医学的な知見からのサポートも加わることで、より被害者にとって納得できる結果を出すことができます。

法律事務所を選ぶ際には、医学的なサポートが受けられるかどうかも判断基準として持っておいてください。

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8.まとめ

この記事では、交通事故によってむちうちになったかもしれない、と思っている方に向けて、むちうちの症状や、むちうちになった際にやるべきことを解説しました。

内容のまとめは、以下の通りです。

▼むちうちになると、下記のような症状が現れやすい。事故後にこれらの症状を感じたら、すぐに病院へ行くべき。

・首や肩の痛み、しびれ、だるさ
・頭痛やめまい、耳鳴り
・首や肩のこり、張っているような感覚、筋肉の緊張 ・集中力が続かない

▼むちうちになったら、下記のような行動に移す。

・必要に応じて検査を受け、医師に診断書を発行してもらう
・警察に物損事故として届けている場合、必要に応じて、人身事故に切り替える
・検察庁に刑事記録の閲覧謄写を申請する

▼交通事故でむちうちになった場合、下記のようなお金を受け取ることができる。

・入通院などにかかった実費
・怪我の影響で仕事を休んだ場合の休業損害
・怪我で入通院をすることになったことへの慰謝料
・後遺障害が残った場合、慰謝料と後遺症の影響で減った将来の収入の補償(逸失利益)

▼むちうちの怪我をしてしまったあなたが損害賠償請求で損しないよう、交渉前に知っておきたいポイントは以下の5つ。

・診断書や検査記録など、むちうちの治療を行った証拠を残す
・医師の指示に従って、適切な通院を続ける
・保険会社の言いなりになって、症状固定の時期を決めない
・慰謝料は弁護士基準で請求する
・むちうちが完治しなかったら、後遺障害等級の認定手続きを行う

交通事故でむちうちになったかもしれない、と思ったときは、これらの内容を参考に、事故対応を行ってください。