骨盤骨折の後遺症は5種類!症状や生活への影響、慰謝料まで解説

「骨盤骨折の怪我を負ったのだけど、痛みがひどくて後遺症が残らないか心配。」

「なかなか座れるようにならず、もしかしたら一生このままなのかもしれない。」

交通事故で骨盤骨折の怪我を負ってしまった方のなかには、後遺症についての不安を抱えている方がたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。

骨盤骨折では、手術の必要がない軽度なものであれば後遺症が残ることなく完治するか、残ったとしても稀に痛みやしびれ、違和感を感じる程度にとどまることが多いと言われています。

しかし、手術が必要であったり、怪我をしたときに大量の出血を伴っていたりするような場合には、後遺症が残ることがあります。

骨盤骨折の後遺症としては、下記のようなものがあります。

・腰周辺に痛みやしびれ、違和感が残る
・股関節が動かしづらくなったり、動かせなくなったりする
・左右の足の長さが変わってしまう
・生殖機能や排尿機能に不具合が出る
・(女性の場合)正常分娩が困難になる

交通事故で後遺症が残った場合には、その内容によって損害賠償を受けることができます。

この記事では、骨盤骨折でよく見られる後遺症の症状や日常生活への影響を詳しく解説するほか、症状ごとに認定の可能性がある後遺障害等級についても説明します。

この記事でわかること
・骨盤骨折で残りうる後遺症の内容と、日常生活への影響がわかる
・それぞれの症状に当てはまる後遺障害等級や慰謝料がわかる
・骨盤骨折で後遺障害等級が認定された際の慰謝料がわかる
・骨盤骨折で正当な後遺障害等級認定をもらうための弁護士の選び方がわかる

この記事を読めば、骨盤骨折の後遺症の内容がわかり、「どんな後遺症が残るか心配」という方は不安を解消することができます。また慰謝料などの相場についても確認することができます。

この記事の監修者
弁護士 河村 和貴

弁護士法人サリュ
大宮事務所
埼玉弁護士会

交通事故解決件数 600件以上
(2024年1月時点)
【略歴】
中央大学法科大学院
【獲得した画期的な判決、和解、示談等】
・むち打ち自賠責14級認定も、訴訟により13級相当の労働能力喪失率が認定された勝訴的和解
・保険会社から2250万円の賠償金提示を受けたものの、訴訟を提起し3600万円を認定させた勝訴的和解
その他、多数
【弁護士河村の弁護士法人サリュにおける解決事例(一部)】
事例332:事前提示賠償額2000万円から、交渉で3500万円まで増額解決した事例
事例335:専業主夫として休業損害を認定させ、後遺障害も異議申立で獲得した事例
事例345:相手方保険会社の提示額から500万円以上増額し、スピード解決

1.骨盤骨折でよく見られる後遺症の症状

骨盤骨折で治療されている方は、骨盤骨折によりどのような後遺症が残るリスクがあるのか気になるのではないでしょうか。

骨盤骨折でよく見られる後遺症には、下記のようなものがあります。

症状 後遺症の 残りやすさ 日常生活への影響度 どんな影響があるか
しびれや痛み、違和感が残る ★★★★☆ ★★★★☆ ・気候や気圧の影響でしびれや痛みを感じる ・日常の中で股関節や腰、足に違和感がある
股関節が動かしづらくなる ★★★☆☆ ★★★★★ ・歩きづらい
・股関節がうまく動かず、転びやすい
足の骨が変形する ★★★☆☆ ★★★★★ ・歩きづらい
・痛みや違和感がある
左右の足の長さが変わる ★★★☆☆ ★★★★★ ・歩きづらい
・股関節がうまく動かず、転びやすい
生殖機能や排尿機能の不具合 ★★★☆☆ ★★★★☆ ・排尿時などに痛みを感じる
・排尿コントロールが難しい(失禁)
正常分娩困難(女性) ★★☆☆☆ ★★★☆☆ ・経腟分娩(経膣分娩)が難しい (妊娠自体は可能で、帝王切開なら分娩できるケースもある)

怪我の程度によって後遺症の有無は異なります。

また、似たような症状でも「天候によってたまに違和感を感じる程度」という方もいれば、「常に痛みがあって生活に支障が出ている」という方もおり、一概に語ることは難しいのですが、参考として「後遺症の残りやすさ」「日常生活への影響度」を併記しています。

骨盤骨折の治療の流れ│骨の癒合までは約半年かかる
骨盤骨折は、怪我の重度にもよりますが、概ね3~6か月程度で治ることが多い怪我です。

怪我をした直後は、必要に応じて骨盤をベルトなどで固定し、ベッドで安静に過ごします。

軽度の場合は固定だけで十分ですが、重度の場合には手術が必要になることもあります。

怪我の様子を見て、動けるようになったら、まずは車椅子での移動を開始します。

怪我をしてから大体1か月前後で、松葉杖を使った歩行の練習に入ります。 そこから少しずつ、歩行の練習やリハビリを重ねていき、医師の判断で完治や症状固定まで続けます。

 

2.骨盤骨折の後遺症1│神経症状(痛みやしびれ)

ここからは、骨盤骨折の後遺症の中でも後遺障害認定を受けられる可能性がある代表的な症状についてを解説していきます。

症状 後遺症の 残りやすさ 日常生活への影響度 どんな影響があるか
しびれや痛み、違和感が残る ★★★★☆ ★★★★☆ ・気候や気圧の影響でしびれや痛みを感じる ・日常の中で股関節や腰、足に違和感がある

最初に説明するのは、怪我をした骨盤周辺に痛みやしびれなどが残る神経症状についてです。

2-1.神経症状の後遺症について

神経症状は、骨折は治っているのに、怪我をした周囲に痛みやしびれなどが残る後遺症です。

比較的よく見られる後遺症で、たまに違和感やしびれを感じる程度の軽い症状から、常に痛みが残るような重い症状まで幅広く見られます。

2-2.生活への影響

痛みやしびれは、骨盤骨折の後遺症の中でも典型的なものです。

比較的よく見られる後遺症ですが、完治は難しく、なかには子どもの頃の怪我にもかかわらず大人になっても後遺症が残っているという方もいます。

マッサージや鍼灸院、整骨院などで施術を受けることで痛みや違和感が緩和するという人も多いようです。

また、痛みがひどい場合には鎮痛剤などで対処することもあります。

根本的な治療は難しく、対処療法を続けるのが基本的な対応となりそうです。

2-3.認定される後遺障害等級と慰謝料の相場

交通事故で負った骨盤骨折で後遺症が残った場合、後遺障害認定を受けられる可能性があります。

痛みやしびれなどの神経症状が残った場合の等級と慰謝料について、それぞれ解説します。

2-3-1.神経症状の後遺障害等級

骨盤骨折の後遺症で神経症状が残った場合、後遺障害の程度に応じて下記の等級認定を受けられる可能性があります。

等級 症状の定義 認定のポイント
12級13号 局部に頑固な神経症状を残すもの 神経症状の原因に客観的な所見がある
14級9号 局部に神経症状を残すもの 客観的な所見がなくとも、症状が医学的に認められる

参考:国土交通省『後遺障害等級表

後遺障害等級は、症状が重いほど小さい数字の等級が認定されます。

12級が認定されるのは、レントゲンやMRIなどの検査で、神経症状の原因に客観的な所見が認められる場合です。

例えば、痛みが残っている部分をMRI撮影したところ、骨が神経を圧迫しているのが確認できた場合などが当てはまります。

一方で、客観的な所見が確認できないものの、その他の状況から総合的に判断し、神経症状が残っていることが医学的に認められる場合には14級が認定されます。

2-3-2.慰謝料の相場

それぞれの慰謝料の相場は、下記の通りです。

等級 自賠責基準 弁護士基準
12級 94万円 290万円
14級 32万円 110万円

相手の任意保険会社が提示する慰謝料の相場に近いのが「自賠責基準」、弁護士が介入した場合の相場に近いのが「弁護士基準」です。

後遺障害慰謝料の相場は、弁護士に依頼するかどうかで2~3倍ほども差が出ることも珍しくありません。後遺障害が残った場合には弁護士への相談がおすすめです。

弁護士に依頼したことで後遺障害等級の認定がスムーズに進み賠償金が増額した実例は、8.弁護士に依頼して適正な後遺障害等級が認定された実例3つで紹介しています。

3.骨盤骨折の後遺症2│運動障害(股関節の可動域の制限)

症状 後遺症の 残りやすさ 日常生活への影響度 どんな影響があるか
股関節を動かしづらくなる ★★★☆☆ ★★★★★ ・歩きづらい
・股関節がうまく動かず、転びやすい

続いて解説するのは、骨盤骨折の影響で股関節が元通りに動かせなくなる、運動障害です。

3-1.運動障害の後遺症について

運動障害は、骨盤骨折が原因で、治療終了後も股関節が元通りに動かせなくなってしまう後遺症です。

若干の動かしづらさを感じる程度の軽度なものから、人工関節を利用しても元通りに動かせなくなるほど重度なものまで、症状の程度はさまざまです。

3-2.生活への影響

多少の動かしづらさを感じる程度の軽度なものであれば、日常生活への影響はそこまで大きくありません。

しかし、足が動かしづらくなることで、疲れを感じやすくなったり、転倒しやすくなったりするリスクがあります。

また、かばって歩くことで足や腰の一部に過度な負担がかかり、別の場所に痛みを感じる可能性もあります。

そのようなリスクを避けるためには、負荷の高い運動は避ける、杖やコルセットなどの補助器具を使うなどの対処が必要です。

人工関節を利用していても歩行が困難だったり、歩いたり立ったりすると痛みがあるという場合には、ヘルプマークを取得することも方法です。

日常の中で不便を感じることが多い後遺症ですので、少しでも安心して過ごせるよう、自分に合った対処法を見つけてください。

3-3.認定される後遺障害等級と慰謝料の相場

骨盤骨折で運動障害が残った場合に、認定される可能性がある後遺障害等級と慰謝料の相場を解説します。

3-3-1.運動障害の後遺障害等級

骨盤骨折の後遺症で運動障害が残った場合、その状態に応じて下記の等級認定を受けられる可能性があります。

等級 症状の定義 認定のポイント
8級9号 1下肢に偽関節を残すもの

・股関節が動かない

・人工関節を挿入したものの可動領域が2分の1に制限されている

のいずれかに当てはまる

10級11号 1下肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの

・股関節の可動域が2分の1に制限されている

・人工関節を挿入している

のいずれかに当てはまる

12級7号 1下肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの

・股関節の可動域が4分の3以下に制限されている

・人工関節を挿入していない

のいずれかに当てはまる

参考:国土交通省『後遺障害等級表

認定のポイントは、可動域の測定値と人工関節を挿入しているかどうかです。

可動域が制限されたり、人工関節を利用していたりすると等級が高くなります。

可動域は自分で動かせる範囲ではなく、他人(測定をしてくれる人)が動かせる範囲で測定します。

それに加えて、レントゲン画像などで骨折の状態を確認し、総合判断で認定を行います。

3-3-2.慰謝料の相場

運動障害の慰謝料の相場は、下記の通りです。

等級 自賠責基準 弁護士基準
8級 331万円 830万円
10級 190万円 550万円
12級 94万円 290万円

等級が変わることで慰謝料の金額も大きく変わるので、適切な診断と認定を受けられるように準備する必要があります。

4.骨盤骨折の後遺症3│変形障害(骨盤の変形)

症状 後遺症の 残りやすさ 日常生活への影響度 どんな影響があるか
足の骨が変形した ★★★☆☆ ★★★★★

・歩きづらい

・痛みや違和感を感じる

変形障害は、骨折した骨が元通りに癒合せず、変形したままくっついてしまう後遺障害です。

4-1.変形障害の後遺症について

変形障害は、骨が元通りにくっつかず、変形した状態で癒合してしまう状態を指します。

変形した状態で骨が癒合した場合、痛みや動かしづらさを感じることがあります。

4-2.生活への影響

変形障害では、痛みや違和感といった神経症状を感じたり、運動障害が生じるケースが見られます。

その他の後遺症と同じように、マッサージや整骨院などで施術を受ける、運動負荷を調整するなど、対処療法が基本となります。

4-3.認定される後遺障害等級と慰謝料の相場

骨盤骨折で変形障害が残った場合に、認定される可能性がある後遺障害等級と慰謝料の相場を解説します。

4-3-1.変形障害の後遺障害等級

骨盤骨折の後遺症で変形障害が残った場合、後遺障害の程度に応じて下記の後遺障害認定が受けられる可能性があります。

等級 症状の定義 認定のポイント
12級 鎖骨、胸骨、ろく骨、けんこう骨または骨盤骨に著しい変形を残すもの 裸の状態で変形が目視できるかどうか

参考:国土交通省『後遺障害等級表

骨盤骨に著しい変形を残す場合、12級5号の認定を受けられる可能性があります。

認定のポイントは「裸の状態で変形が目視できる」レベルの著しい変形があるかどうかで、レントゲンなどで確認できるだけでは認められません。

4-3-2.慰謝料の相場

変形障害の慰謝料の相場は、次のとおりです。

等級 自賠責基準 弁護士基準
12級 94万円 290万円

5.骨盤骨折の後遺症4│下肢の短縮障害

症状 後遺症の 残りやすさ 日常生活への影響度 どんな影響があるか
左右の足の長さが変わる ★★★☆☆ ★★★★★ ・歩きづらさを感じる ・股関節がうまく動かず、転びやすくなる

次に解説するのは、骨盤の骨がくっつくときに歪んでしまい、一方の足の長さが変わる下肢の短縮障害です。

5-1.下肢の短縮障害の後遺症について

骨盤を骨折して骨が癒合するときに、歪み、一方の足の長さが変わってしまうのが下肢の短縮障害です。

立った時に違和感があることで気づくことが多いので、骨折の治療後に違和感を感じたら医師に診断を受けましょう。

少々の変化であれば違和感程度で済みますが、大幅に長さが変わると歩きづらさを感じる可能性があります。

5-2.生活への影響

歩きづらさを感じるのが一番大きな生活への影響となります。

少しの運動では症状を感じなくても、疲れやすさがあったり、片方の足に負担がかかって痛みが出たりすることもあります。

杖などの補助器具を使って体を支えることや、負荷の高い運動を避けること、休憩を挟みながら運動することなどが対処法となります。

5-3.認定される後遺障害等級と慰謝料の相場

骨盤骨折で下肢の短縮障害が残った場合に、認定される可能性がある後遺障害等級と慰謝料の相場を解説します。

5-3-1.下肢の短縮障害の後遺障害等級

骨盤骨折の後遺症で足の長さに変化があった場合、左右の差の大きさに応じて下記の後遺障害認定が受けられる可能性があります。

等級 症状の定義 認定のポイント
8級5号 1下肢を5センチメートル以上短縮したもの 上前腸骨棘(腰骨)と下腿内果下端間(内くるぶし)の長さを左右で測って差を比較する。 比較した時の短縮した長さで等級が決まる。
10級8号 1下肢を3センチメートル以上短縮したもの
13級8号 1下肢を1センチメートル以上短縮したもの

参考:国土交通省『後遺障害等級表

左右の足の腰からくるぶしまでの長さを測り、比較した差に応じて等級が決まります。

13級として認定される1センチメートル程度の差は、一見しただけではわからない可能性があるので、立った時や歩いたときに違和感がある場合は医師に申告し、診断してもらいましょう。

5-3-2.慰謝料の相場

下肢の短縮障害の慰謝料の相場は、下記の通りです。

等級 自賠責基準 弁護士基準
8級 331万円 830万円
10級 190万円 550万円
13級 57万円 180万円

6.骨盤骨折の後遺症5│正常分娩困難

症状 後遺症の 残りやすさ 日常生活への影響度 どんな影響があるか
正常分娩困難(女性) ★★☆☆☆ ★★★☆☆ ・経腟分娩(経膣分娩)が難しくなる (妊娠自体は可能で、帝王切開なら分娩できるケースもある)

最後に、女性に当てはまる可能性がある正常分娩困難を解説します。

6-1.正常分娩困難の後遺症について

正常分娩困難は、骨盤骨折の影響で骨盤が変形し、産道が狭まってしまった際に認定される後遺症です。

女性にのみ認定されます。

日常生活への影響はほとんどありませんが、大きなライフイベントである出産に関わる後遺症なので、骨盤骨折で不安を感じられている女性は産婦人科での検査も検討してください。

6-2.生活への影響

出産に関わる後遺症ということで、大きな不安を抱かれる方は多いと思いますが、正常分娩困難だからといって、必ずしも妊娠を諦めなければいけないわけではありません。

正常分娩が難しいことが事前にわかっていれば、帝王切開など別の方法を計画することが可能なケースもあります。

妊娠を希望する場合には、それも合わせて産婦人科医に相談してみてください。

6-3.認定される後遺障害等級と慰謝料の相場

骨盤骨折で正常分娩困難が残った場合に、認定される可能性がある後遺障害等級と慰謝料の相場を解説します。

6-3-1.正常分娩困難の後遺障害等級

正常分娩困難は、下記のような基準で認定されます。

等級 症状の定義 認定のポイント
11級10号 胸腹部臓器の機能に障害を残し、労務の遂行に相当な程度の支障があるもの 骨盤骨の変形で産道が狭くなっている

参考:国土交通省『後遺障害等級表

一見して判断できる後遺症ではないので、違和感を感じたらまずは産婦人科で相談をしてください。

必要な検査を受けることで、後遺障害認定を受けられます。

6-3-2.慰謝料の相場

正常分娩困難の慰謝料の相場は、下記のとおりです。

等級 自賠責基準 弁護士基準
11級 136万円 420万円

7.正しい後遺障害等級の認定を受けるには専門知識のある弁護士に依頼して!

ここまで、骨盤骨折で残りうる後遺症と、なかでも後遺障害認定を受けられる可能性のある後遺症について解説してきました。

不幸にも交通事故に遭ってしまい、骨盤骨折という大きな怪我を負ってしまったのですから、しっかりと適切な後遺障害認定を受けたいですよね。

そんな方に知っておいてほしいのが、専門知識のある弁護士に依頼しないと適正な後遺障害認定を受けられない可能性があるということです。

 

専門知識のある弁護士に依頼しないと後悔する2つの理由

・医学的知識に基づいたサポートなしでは、適正な等級の認定を受けられない可能性がある

・自賠責基準と弁護士基準では慰謝料の額が大きく異なる

7-1.医学的知識に基づいたサポートなしでは、適正な等級の認定を受けられない可能性がある

後遺障害認定は、医師の診断書や意見書、レントゲン画像などの資料を自賠責保険に提出し、判断してもらう手続です。

この時、同じ怪我・同じ症状であっても、診断書の書き方や提出する資料の内容などで、認定結果が変わってしまうことがあるのです。

これまでに交通事故事件の取扱いや後遺障害認定の経験が多く、医学的な知識もある法律事務所であれば、認定のために有利な資料の出し方や、診断書の書いてもらい方など、アドバイスを受けることができます。

全てをご自身で行ったり、知識の浅い弁護士に頼んだ場合、同じ怪我にも関わらず、適切な認定を受けられない可能性があります。

そのような事態を防ぐためにも、医学的な知識が十分にある弁護士に相談しましょう。

実際に十分な知識のある弁護士によるサポートで正当な後遺障害認定を受けた例は、8.弁護士に依頼して適正な後遺障害等級が認定された実例3つで詳しく紹介します。

7-2.自賠責基準と弁護士基準では慰謝料の額が大きく異なる

せっかく後遺障害認定を受けられたとしても、弁護士に依頼するかどうかで慰謝料の額が大きく異なります。

例えば、弁護士に依頼しない場合、保険会社は自賠責基準やそれに多少の加算をした程度の金額で賠償提示してくることが多いのですが、骨盤骨折の神経症状につき後遺障害が認定されたときの慰謝料は、自賠責基準と弁護士基準では下記のように3倍近くも差があるのです。

等級 自賠責基準 弁護士基準
12級 94万円 290万円
14級 32万円 110万円

同じ後遺障害等級が認定され、辛さに変わりはないのに、大幅に慰謝料が少なくなることは不当としか言いようがありません。

事故でつらい思いをした方が少しでも前を向くためにも、正当な慰謝料を手にできるよう弁護士に相談してください。

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8.弁護士に依頼して適正な後遺障害等級が認定された実例3つ

前項では後遺障害の申請を弁護士に依頼したほうが良いということをお伝えしましたが、

「弁護士への依頼はハードルが高い」

「実際、頼んだところでそんなに差があるの?」

と思う方も多いのではないでしょうか。

そのような方に向けて、実際に知識と経験のある弁護士がサポートすることで、適切な後遺障害認定を受けられた実例を3つ紹介していきます。

8-1.事例1│弁護士が早期に交渉し、10級11号を獲得した例

まず一つ目の事例は、弁護士が早期に交渉したことで、スムーズに10級11号の認定を受けられた例です。

  依頼前 依頼後
示談金・慰謝料等 示談提示130万円のみ

逸失利益など合わせて

総額約1783万円

後遺障害認定 なかなか進まない

スムーズに申請し狙い通りの

等級獲得

参考:事例44:弁護士が保険会社と早期に交渉。股関節の可動域制限10級11号 事前提示額の10倍以上で解決

こちらの事例では、被害者の方は保険会社からの連絡が少ないことに不安を感じ、サリュにご相談をいただきました。

サリュが受任し介入することで、止まっていた後遺障害申請手続を迅速に進めることができ、適正な後遺障害等級の認定を受けられたうえに、相談から5か月弱という早期に解決まで導くことができました。

このように、弁護士に依頼することで慰謝料などの金額が引きあがるだけでなく、スムーズに解決できるというメリットもあります。

8-2.事例2│後遺障害診断書などの作成をサポートし、8級を獲得した例

2つ目の事例は、骨盤骨折の他、右大腿骨頚部骨折、左膝蓋骨骨折、脾損傷という怪我を負ってしまった被害者が、適切な後遺障害認定を受けられるよう弁護士がサポートした例です。

示談金・慰謝料等 合計3834万円
後遺障害認定 併合8級の認定

参考:事例179:サリュの診断書修正依頼で8級獲得し賠償金3834万円!人工骨頭

こちらのケースでは、最初に主治医の用意した診断書に誤解を招く表記があることをサリュが指摘し、訂正をお願いしました。

また、必要書類についてもアドバイスを行い、それにより併合8級の認定を受けることができました。

将来生じる医療費や逸失利益についても、適正な賠償金を獲得することができました。

8-3.事例3│14級9号の認定と労働能力喪失期間の延長を勝ち取った例

最後の事例は、骨盤骨折後に残った痛みで14級9号の認定を受け、さらに実際の症状に基づいて認定された等級よりも高い基準の示談金を獲得した例です。

示談金・慰謝料等 641万2108円
後遺障害認定 後遺障害等級14級9号の認定

参考:事例205:自賠責14級の後遺症について、労働能力喪失期間を10年と認めさせ、示談により解決

サリュでは適正な後遺障害認定を受けられるようサポートを行うだけではなく、適正な補償が受けられるよう、加害者側との交渉を行っています。

このように、実績と知識のある弁護士のサポートを受けることで、後遺障害の認定や示談金の交渉はスムーズかつ適正に進められます。

骨盤骨折の後遺障害に悩んでいる方は、確かな実績があるサリュにぜひご相談ください。

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9.まとめ

この記事では、骨盤骨折の後遺症について解説してきました。

内容のまとめは以下のとおりです。

◯骨盤骨折の後遺症は、下記のようなものがある。

・腰周辺にしびれや違和感が残る
・股関節が動かしづらくなる、動かせなくなる
・骨がうまく癒合せず変形してしまう
・左右の足の長さが変わってしまう
・生殖機能や排尿機能に不具合が出る
・女性の場合、正常分娩が困難になる

◯骨盤骨折の後遺症の中でも、後遺障害認定を受けられる可能性がある症状は下記のとおりです。

・神経症状(痛みやしびれ)
・運動障害(股関節の可動域の制限)
・変形障害(骨盤の変形)
・下肢の短縮障害
・正常分娩困難

◯正しい後遺障害認定等級の認定を受けるには、専門知識がある弁護士に相談・依頼する必要がある。

以上の内容を参考に、骨盤骨折の後遺症に対応してください。