自転車事故の慰謝料はいくら?3種類ある慰謝料の相場の目安を解説

「自転車事故が起きた時の慰謝料相場はズバリいくらになるのだろう?」と今まさに気になっている方は多いことでしょう。

結論からいうと、自動車事故の慰謝料は以下が目安となります。

【①入院・通院した場合の慰謝料】

自賠責基準

任意保険基準

裁判基準(弁護士基準)

4,300円×通院日数×2
または
4,300円×総治療日数
のどちらか低い金額

最大120万円(※)

通院期間と入院期間の
掛け合わせで決まる

怪我の内容、通院期間と入院期間の
掛け合わせで決まる

1カ月(30日)入院した場合
12.9万円

1カ月入院した場合

25.2万円

骨折で1カ月入院した場合
53万円

6カ月治療して通院80日の場合
68.8万円

6カ月通院した場合
64.3万円

骨折で6カ月通院した場合
116万円

※自賠責保険の場合、治療費や交通費、休業損害、慰謝料の合計の上限が120万円となります。
※例えば6ヶ月の間に80日通院した場合、自由診療であれば治療費もそれなりに高額になる可能性があり、慰謝料の枠がほとんどなく、688,000円の慰謝料が支払われない可能性はあります。

【②後遺障害認定された場合の慰謝料】

自賠責基準

任意保険基準

裁判基準(弁護士基準)

32万円(14級)

1,850万(要介護1級)

保険会社による

110万円(14級)
2,800万(要介護1級)

【③死亡した場合の慰謝料】

自賠責基準

任意保険基準

裁判基準(弁護士基準)

400万円〜1,350万円

保険会社による

2,000万円〜2,800万円
判例では3,000万円事例あり

※なお慰謝料とは、被害者が受けた精神的苦痛に対して支払われるものであり、自転車事故で損害を負った場合にもらえる「損害賠償金」の一部という位置づけです。
治療費や休業損害などは、慰謝料とは別で支払われるものなので、しっかりと区別しておきましょう。

このように金額にはかなり幅があり、様々な事情の影響を受けて決まります。

例えば、自転車事故の加害者が任意保険に加入していた場合には、加害者側の保険会社から、「自賠責基準」に近い低額な慰謝料を提示されることがあります。

しかしながら、慰謝料は「裁判基準(弁護士基準)」で算定した方が高額です。保険会社の慰謝料提示額に納得できない場合には、裁判基準での慰謝料金額で示談交渉を進めるのが得策となるのです。

このように、できるだけ納得する額の慰謝料を手にするためには、まずは慰謝料の3つの算定基準をしっかりと把握し、最も高い「裁判基準」で示談交渉を進めるにはどうしたら良いのかを理解する必要があります。

そこでこの記事では、不運にも自転車事故に遭ってしまった方に向けて、3つの慰謝料(入通院慰謝料・後遺障害慰謝料・死亡慰謝料)の相場をそれぞれ、「3つの基準」ごとに詳しく解説していきます。

ぜひ最後までお読みいただき、適切な金額の慰謝料をもらってください。

【重要な質問】自転車事故の慰謝料は誰が払うの?
自転車事故の加害者から被害者に支払う慰謝料は、以下の3パターンがあります。

①加害者が加入している任意保険から支払われるケース
②加害者の自賠責保険から支払われるケース
③加害者本人が支払うケース


車やバイクなどには自賠責保険への加入が義務付けられていますが、自転車同士や自転車と歩行者の事故の場合には、加害者が保険未加入(無保険)のケースもあります。
この場合は、加害者本人に直接慰謝料を請求することになります。
加害者が保険未加入で加害者本人に直接慰謝料を請求する場合、慰謝料が高額になると請求しても「本人が支払えない」というケースもあるため注意が必要です。
自転車事故の慰謝料請求について不安な方は、サリュの無料相談をお気軽にご利用ください。

この記事の監修者
弁護士 山田 洋斗

弁護士法人サリュ千葉事務所
千葉県弁護士会

【略歴】
2014年 明治大学法科大学院卒業
2014年 司法試験合格
2015年 弁護士登録、弁護士法人サリュ入所
【獲得した画期的判決】
【2021年8月 自保ジャーナル2091号114頁に掲載】(交通事故事件)
【2022年 民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準上巻(赤い本)105頁に掲載】
会社の代表取締役が交通事故で受傷し、会社に営業損害が生じたケースで一部の外注費を事故と因果関係のある損害と認定した事例
【これまでの交通事故解決件数】
950件以上(2022年9月現在)
【弁護士山田の弁護士法人サリュにおける解決事例の一部】
事例333:弁護士基準の1.3倍の慰謝料が認められた事例
事例343:相手方自賠責保険、無保険車傷害保険と複数の保険を利用し、治療費も後遺障害も納得の解決へ
事例323:事故態様に争いがある事案で、依頼者の過失割合75%の一審判決を、控訴審で30%に覆した

1. 自転車事故の慰謝料は【数万円~数千万円】など状況によって幅がある

自転車事故に対する慰謝料は、慰謝料の種類や損害の程度、過失の割合、どの算定基準を使うのかなどによって数万円~数千万円などかなり金額に幅があります。

【自転車事故の慰謝料金額を左右するポイント】

慰謝料の種類

・入院・通院したのか
・後遺障害が残ってしまったのか(高額となる)
・死亡してしまったのか(高額となる)

損害の程度

・入院・通院した日数が長いか
・怪我が重症か、軽症か
・後遺障害の等級が軽いか重いか

どの算定基準を使うのか

・自賠責基準で算定するか(最低限の慰謝料額となる)
・任意保険基準で算定するか
・弁護士基準で算定するか(最も高額で適正な金額)

過失の割合

・被害者にも過失があるかないか(過失がなければ満額)
・過失割合が多いのか少ないのか(過失が少ない方が慰謝料額は高額)

加害者の悪質性

・加害者の態度が不誠実な場合には通常より増額される
・ひき逃げや居眠り運転などの場合には通常より増額される

【前提知識】
※過失割合とは、交通事故の被害者と加害者のそれぞれに、交通事故発生についてどの程度落ち度があったかを数値化したものです。追突事故の場合には被害者の過失は原則0ですが、例えば被害者が赤信号を無視していたケースなどでは、被害者にも過失が認められる場合があります。
被害者側にも過失が認められる場合には、その過失割合に応じて賠償金を減額されてしまいます(過失相殺)。
例えば、慰謝料を含めた損害の金額が100万円のケースで、被害者の過失割合が1、加害者の過失割合が9の場合には、加害者に請求できるのは90万円に限られてしまいます。
ただし、過失割合は個々のケースにおいて個別に判断するため、この記事においては、過失相殺がない(=被害者と加害者の過失割合が0:10)として慰謝料の金額について解説していきます。
※自賠責基準・任意保険基準・裁判基準の3つの違いについては、
2. 自転車事故の慰謝料は算定基準によってかなり金額が変わる」で解説しています。

例えば、自転車事故に遭ったもののかなりケガが軽度で、1週間の通院で済んだ場合には、裁判基準で慰謝料は約4万円程度です。これが長期の入院や通院になってくると、期間にもよりますが、慰謝料は百万円単位になってきます。

また、後遺障害が認定された場合には、一番下の等級(14級)でも裁判基準で110万円、要介護1級の場合には数千万円の慰謝料が発生します。

【②後遺障害認定された場合の慰謝料】

自賠責基準

任意保険基準

裁判基準(弁護士基準)

32万円(14級)

1,850万(要介護1級)

保険会社による

110万円(14級)
2,800万(要介護1級)

一方、自転車事故により不幸にも亡くなってしまったケースでは、算定基準や家族構成にもよりますが、400万円~2,800万円程度の死亡慰謝料となります。

【③死亡した場合の慰謝料】

自賠責基準

任意保険基準

裁判基準(弁護士基準)

400万円〜1,350万円

保険会社による

2,000万円〜2,800万円
判例では3,000万円事例あり

慰謝料の種類や内容、算定基準によってかなり金額に幅があることが分かったところで、個々の状況でどのくらいの慰謝料の金額になるか、より詳しく確認していきましょう。

2. 自転車事故の慰謝料は算定基準によってかなり金額が変わる

自転車事故を含む交通事故被害の慰謝料を算定する場合には、自賠責基準・任意保険基準・裁判基準(弁護士基準)の3つの基準があることをまずは念頭におきましょう。

どの基準を使って算定するかによって、慰謝料の金額がかなり変わってくるので注意が必要です。一番低いのが「自賠責基準」、一番高くなるのは「裁判基準(弁護士基準)」となります。

【慰謝料算定の3つの基準の違い】

算定基準

内容

①自賠責基準

・自賠責保険から被害者に慰謝料が支払われる場合に用いられる
・自動車損害賠償保障法施行令で定められた慰謝料の基準
・最低限の補償となり、3つの基準の中で最も低い

②任意保険基準

・加害者の任意保険会社から慰謝料が支払われる場合に用いられる
・各保険会社が独自に設けている慰謝料の基準(非公開)
・自賠責基準より高いけれど、裁判基準よりはかなり低い

③裁判基準(弁護士基準)

・過去の判決をもとにして算出した慰謝料の基準
・3つの基準の中で最も高額となる
・裁判所が適切と考える「適切な基準」といえる

慰謝料の種類にもよりますが、自賠責基準で算定した慰謝料よりも、裁判基準で算定した慰謝料のほうが2倍や3倍などかなり高額になるケースがありえます。

なお「自賠責基準」というのは、自動車やバイクなどに加入が義務付けられている「自賠責保険」の基準であり、最低限度の補償となります。

自賠責基準や任意保険基準で算定された慰謝料はかなり低い金額になるため、加害者本人や任意保険会社がそれらの低い水準で示談を提案してきた場合には、注意が必要です。

できるだけ多くの慰謝料をもらうためには、裁判基準(弁護士基準)をベースとした慰謝料をもらえるよう交渉することをおすすめします。

次章からは、3種類の慰謝料について、さらに詳しい内容をそれぞれ解説していきます。

3.【入通院慰謝料】入院・通院した場合の慰謝料の金額

4.【後遺障害慰謝料】後遺障害が残った場合の慰謝料の金額

5.【死亡慰謝料】死亡した場合の慰謝料の金額

3.【入通院慰謝料】入院・通院した場合の慰謝料の金額

自動車事故に遭った場合の3つの慰謝料のうち、まずは「入通院慰謝料」の金額について解説していきます。

入通院慰謝料とは、交通事故によって医療機関への入院・通院を強いられたことによって生じた精神的苦痛に対して支払われるものです。

入通院慰謝料は、原則として、入院期間・通院期間によって金額が決まります。増額理由がある場合には、その程度によって増額調整が行われることもあります。

3-1. ①自賠責基準の入通院慰謝料

自賠責基準による入通院慰謝料は、入院の場合も通院の場合も1日あたり4,300円が基本となります。正確には以下のように計算します。

①4300円×通院日数×2
②4300円×総治療日数(期間)
上記のどちらか金額の低い方が支払われます。

※2020年3月31日以前に発生した交通事故については、4,300円ではなく4,200円となります。

例えば、6カ月(180日間)の治療期間で、通院日数(病院に治療に行った日)が80日だとした場合は、
①4300円×80日×2=688,000円
②4300円×180日=774,000円
となり、①<②ですので、自賠責基準で計算される慰謝料は688,000円となります。

ただし、自賠責保険の場合、治療費や交通費、休業損害、慰謝料の合計の上限が120万円となっています。半年治療した場合には、治療費だけでかなりの金額になりますので、この上限120万円を超えるケースが多くなります。その場合、自賠責保険から支払われる慰謝料としては、上記金額よりも低い金額となる場合があります。

実際の損害金が上限の120万円を超えた場合には、その超過分を加害者の任意保険や加害者本人に請求したり、被害者本人が加入している保険を使って補ったりする必要があるでしょう。

3-2. ②任意保険基準の入通院慰謝料

任意保険基準はそれぞれの保険会社が個別に設定しているため、保険会社によって異なります。ここでは、かつて全ての任意保険会社が使用していた算定基準「旧任意保険基準」を紹介します。
必ずしも以下の表通りの金額が提示されるとは限らず、実際には、自賠責基準とほとんど変わらない金額が提示されているケースが多いです。

縦軸が通院期間・横軸が入院期間となり、単位は万円です。

【旧任意保険基準による入通院慰謝料の表】


 
0か月 1か月 2か月 3か月 4か月 5か月 6か月
0か月 0 25.2 50.4 75.6 95.8 113.4 128.5
1か月 12.6 37.8 63 85.7 104.6 121 134.8
2か月 25.2 50.4 73.1 94.5 112.2 127.3 141.1
3か月 37.8 60.5 81.9 102.1 118.5 133.6 146.1
4か月 47.9 69.3 89.5 108.4 124.8 138.6 151.1
5か月 56.7 76.9 95.8 114.7 129.8 143.6 154.9
6か月 64.3 83.2 102.1 119.7 134.8 147.4 157.4
7か月 70.6 89.5 107.1 124.7 138.6 149.9 160
8か月 76.9 94.5 112.1 128.5 141.1 152.5 162.5
9か月 81.9 99.5 115.9 131 143.7 155 165
10か月 86.9 103.3 118.4 133.6 146.2 157.5 167.5
11か月 90.7 105.8 121 136.1 148.7 160 170

 ※6カ月以上の入院期間の場合は、さらに金額が加算されます。
※保険会社が自賠責基準を下回る金額を被害者に提示をするのは禁止されており、自賠責基準の方が高くなる場合はそちらが採用されます。

例えば、6カ月通院した場合は、643,000円の慰謝料となります。

任意保険基準で算出した慰謝料は、自賠責基準よりは高くなりますが、残念ながら、自賠責基準とほとんど変わらない金額を提示する保険会社が多いのが実情です。

3-3. ③裁判基準(弁護士基準)の入通院慰謝料

裁判基準の入通院慰謝料は、ケガの状態によって、「通常の場合」と「むちうち症で他覚的所見のない場合(軽症の場合)」の2種類に分かれます。

「通常の場合」とは、骨折や他覚的所見のある半月板損傷、腱板損傷といったケガの場合をいいます。赤い本(民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準)では「別表Ⅰ」として記載されており、以下の表のように慰謝料が基準化されています。

【裁判基準(弁護士基準)による入通院慰謝料の表:通常の場合】

  0か月 1か月 2か月 3か月 4か月 5か月 6か月
0か月   53 101 145 184 217 244
1か月 28 77 122 162 199 228 252
2か月 52 98 139 177 210 236 260
3か月 73 115 154 188 218 244 267
4か月 90 130 165 196 226 251 273
5か月 105 141 173 204 233 257 278
6か月 116 149 181 211 239 262 282
7か月 124 157 188 217 244 266 286
8か月 132 164 194 222 248 270 290
9か月 139 170 199 226 252 274 292
10か月 145 175 203 230 256 276 294
11か月 150 179 207 234 258 278 296
12か月 154 183 211 236 260 280 298
13か月 158 187 213 238 262 282 300
14か月 162 189 215 240 264 284 302
15か月 164 191 217 242 266 286  

※縦軸が通院期間、横軸が入院期間になります。単位は万円です。
※6カ月以上の入院期間の場合は、さらに金額が加算されます。詳細は当事務所までお問い合わせください。

例えば、6カ月通院した場合には、116万円の慰謝料となります。入院3カ月、通院6カ月の場合は211万円の慰謝料が認定されることになります。

「むちうち症で他覚的所見のない場合」とは、頚椎捻挫、腰椎捻挫、打撲、擦り傷などのことで、骨折などに比べて痛みが小さく、日常生活への影響も大きくないことから、慰謝料は通常の場合よりも低く計算されます。

赤い本(民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準)では以下の表のとおり、「別表Ⅱ」として基準化されています。

【裁判基準(弁護士基準)による入通院慰謝料の表:むちうち症で他覚的所見のない場合】

  0か月 1か月 2か月 3か月 4か月 5か月 6か月
0か月   35 66 92 116 135 152
1か月 19 52 83 106 128 145 160
2か月 36 69 97 118 138 153 166
3か月 53 83 109 128 146 159 172
4か月 67 95 119 136 152 165 176
5か月 79 105 127 142 158 169 180
6か月 89 113 133 148 162 173 182
7か月 97 119 139 152 166 175 183
8か月 103 125 143 156 168 176 184
9か月 109 129 147 158 169 177 185
10か月 113 133 149 159 170 178 186
11か月 117 135 150 160 171 179 187
12か月 119 136 151 161 172 180 188
13か月 120 137 152 162 173 181 189
14か月 121 138 153 163 174 182 190
15か月 122 139 154 164 175 183  

※縦軸が通院期間、横軸が入院期間になります。単位は万円です。
※6カ月以上の入院期間の場合は、さらに金額が加算されます。詳細は当事務所までお問い合わせください。

例えば、6カ月の通院期間の場合は89万円の慰謝料となり、3カ月の通院期間の場合は53万円の慰謝料となります。

4.【後遺障害慰謝料】後遺障害が残った場合の慰謝料の金額

ここからは、自動車事故に遭った場合の3つの慰謝料のうち、後遺障害が残った場合の「後遺障害慰謝料」の金額について解説していきます。

後遺障害慰謝料は、交通事故によるケガの治療をしても完全には治らず、何らかの症状が残ってしまう場合に、その身体的・精神的な苦痛に対して支払われるものです。後遺障害等級の認定を受けた場合にもらうことができます。

後遺障害慰謝料の金額は、後遺障害等級ごとに算定されます。つまり、重度の後遺障害が残っていれば高く、軽度になれば慰謝料額も低くなります。

後遺障害慰謝料についても、【①自賠責基準】<【②任意保険基準】<【③裁判基準(弁護士基準)】の順に、慰謝料の金額は高くなっていきます。

以下に、【①自賠責基準】と【②裁判基準(弁護士基準)】の後遺障害慰謝料の等級ごとの金額をまとめました。

【後遺障害慰謝料の等級ごとの金額】

  自賠責基準 弁護士基準
別表第1 別表第2
1級 1650万(1850万円※) 1150万 2800万
2級 1203万(1373万円※) 998万 2370万
3級   861万 1990万
4級   737万 1670万
5級   618万 1400万
6級   512万 1180万
7級   419万 1000万
8級   331万 830万
9級   249万 690万
10級   190万 550万
11級   136万 420万
12級   94万 290万
13級   57万 180万
14級   32万 110万

※自賠責基準の別表第1(要介護)は、被害者に被扶養者がいる場合には、下の数字の慰謝料金額となります。

なお、後遺障害慰謝料については、任意保険基準は特に決まったものがなく、自賠責基準と裁判基準(弁護士基準)のあいだの金額になることが多くなります。

後遺障害の等級について」の記事に、後遺障害の状態ごとの等級の目安が載っているので、ぜひ参考にしてください。

例:むちうちで14級の後遺障害が認定された場合にもらえる後遺障害慰謝料
・自賠責基準だと32万円
・裁判基準(弁護士基準)だと110万円
例:歩行中に自転車に追突されて大腿骨を骨折し、10級の後遺障害が認定された場合の後遺障害慰謝料
・自賠責基準だと190万円
・弁護士基準だと550万円

任意保険会社から示談で提案される後遺障害慰謝料が著しく低い場合には、弁護士費用を考慮しても交渉を弁護士に依頼するメリットがあります。

5.【死亡慰謝料】死亡した場合の慰謝料の金額

ここからは、自転車事故の被害者がもらえる3つの慰謝料のうち、被害者が死亡した場合の「死亡慰謝料」の金額について解説していきます。

死亡慰謝料は、交通事故により被害者が死亡した場合に、亡くなった被害者本人が受けた精神的苦痛や、遺された家族の精神的苦痛に対して支払われるものです。死亡した本人は受け取れないため、遺族(被害者の配偶者、父母、子等)が受け取ることになります。

死亡慰謝料についても、【①自賠責基準】<【②任意保険基準】<【③裁判基準(弁護士基準)】の順に、慰謝料の金額は高くなっていきます。

3つの基準による「死亡慰謝料」の支払基準は以下のとおりです。

【死亡慰謝料の支払基準】

自賠責基準

任意保険基準

裁判基準(弁護士基準)

400万円〜1,350万円※
※遺族が3名以上かつ被害者に被扶養者がいる場合

自賠責保険基準より高く弁護士基準より低い
保険会社独自の基準

2,000万円〜2,800万円
判例では3,000万円事例あり

※:2020年3月31日以前に発生した事故については、350万円となります。

3つの基準それぞれについて、さらに詳しく見ていきましょう。

5-1. ①自賠責基準の死亡慰謝料

自賠責基準では、死亡慰謝料は、被害者本人分と遺族への慰謝料の2つがあり、合算して支払われます。

被害者本人に対して支払われる死亡慰謝料は、400万円です。ただし、2020年3月31日以前に発生した事故については、350万円となります。

遺族に対する慰謝料は、請求権を持つ遺族の人数と、配偶者の有無によって金額が変わります。

請求権者1名の場合:本人慰謝料に加えて550万円
請求権者2名の場合:本人慰謝料に加えて650万円
請求権者3名以上の場合:本人慰謝料に加えて750万円
被害者に被扶養者がいる場合:上記金額に200万円を加算

請求権を持つ遺族の範囲は、被害者の配偶者、子、両親(認知した子、義父母などを含む)です。

例:例えば、亡くなった被害者に配偶者と子ども1人がおり、子どもが被害者の被扶養者の場合請求権者が2名、被扶養者ありなので、
死亡慰謝料の金額は、400万円(本人分)+650万円(請求権者2名)+200万円(被扶養者あり)=1,250万円となります。

5-2. ②任意保険基準の死亡慰謝料

任意保険基準はそれぞれの保険会社が独自に設定している基準で、保険会社によって算定基準は異なります。

自賠責基準よりは高く設定されていることが多いですが、残念ながら、自賠責基準とそれほど変わらない低い基準になっているケースが多いでしょう。

5-3. ③裁判基準(弁護士基準)の死亡慰謝料

3つの基準の中で最も高い基準である裁判基準(弁護士基準)は、裁判所での過去の判決をもとに算出した基準です。この基準は、「自賠責基準」のように本人分と遺族分が明確に分けたものではなく、遺族の慰謝料も含め「死亡慰謝料」として算定されます。

死亡慰謝料の裁判基準(弁護士基準)は以下が基準となり、弁護士が慰謝料請求を行う場合にはこの基準を用いて請求します。

【死亡慰謝料の裁判基準(弁護士基準)】

被害者本人の立場

金額

一家の支柱

2,800万円

母親、配偶者

2,500万円

その他

2,000万円~2,500万円

亡くなった被害者が「一家の支柱」であった場合は慰謝料が高くなるなど、被害者の立場によって金額が算定されます。

例:例えば、亡くなった被害者が独身者であっても、高齢の両親の面倒を見ている方だった場合、「母親、配偶者」の働きをしていたと判断され、
死亡慰謝料2,500万円を基準とすることができるでしょう。

なお、この裁判基準はあくまで目安となり、裁判所はこの基準をもとに個別の事情を考慮した上で、実際の具体的な金額を定めます。

過去の判例では、タクシー乗務員(男性・52歳)につき、本人分2,600万円、妻200万円、子2人(いずれも成人)各100万円、合計3,000万円を認めた事例(事故日平成16.5.15 東京地判18.5.10 交民39・3・631)などがあります。

6. 保険会社から提示される慰謝料は低いので注意しよう

ここまで解説した通り、自転車事故の被害に遭った場合の慰謝料は3つの基準によってかなり違ってきます。

しかしながら、保険会社から提示される初回の慰謝料金額は、裁判基準よりも低い「任意保険基準」で計算されているので注意しましょう。

もし保険会社から提示された慰謝料に納得できない場合は、この記事を参考に、「裁判基準(弁護士基準)」だとどのくらいになるのかを確認してみましょう。

例えば、自転車事故によって14級の後遺障害が認定された場合に、加害者が加入していた自転車保険の保険会社が、自賠責基準である「32万円」に近い金額を提示してきたとします。

しかしながら、同じ等級でも裁判基準(弁護士基準)だと後遺障害の慰謝料は「110万円」となります。

このようなケースでは、より多くの慰謝料をもらうため、「裁判基準」をベースにした交渉を行うべきです。

7. 適正な金額の慰謝料をもらうためには弁護士に相談しよう

自転車事故の加害者が加入している保険会社から「低額な慰謝料」を提示されてしまった場合は、「裁判基準(弁護士基準)」の適正な金額の慰謝料をもらうために、弁護士に相談することをおすすめします。

なぜならば、被害者本人が保険会社と交渉しても、保険会社が「裁判基準(弁護士基準)」の慰謝料を認めてくれることは考えにくく、多少の増額しか期待できないからです。

裁判基準による高額な慰謝料を手にするためには、弁護士に介入してもらい、交渉してもらう必要があります。

また、加害者が保険未加入(無保険)であり直接本人に慰謝料を請求する場合にも、弁護士に相談することをおすすめします。加害者が自転車の場合には、保険に加入していないケースも多いことでしょう。

保険会社が間に入ってくれれば示談交渉もスムーズに行えますが、相手が保険未加入の場合、当事者同士で慰謝料の金額などを直接交渉しなければなりません。

過失割合の算定も含めて、示談交渉を円滑に行うためには弁護士の介入がベストなのです。

ただし、弁護士であれば誰でもいいという訳にはいきません。納得のいく慰謝料を手にするためには、交通事故被害者救済に強く、自賠責保険・裁判所・保険会社の実情に精通している弁護士がおすすめです。

サリュは、業界トップクラス20,000件以上の解決実績を持っている交通事故救済のプロです。それでいて、相談料の自己負担はなし。「まずは話を聞くだけ」のような気軽な相談が可能で安心できる弁護士法人です。

交通事故の中でも慰謝料のトラブルに発展しやすい自転車事故だからこそ、できれば早い段階から我々に気軽にご相談いただければ幸いです。

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8.まとめ

本記事では「自転車事故の慰謝料」について解説してきました。最後に、要点を簡単にまとめておきます。

自転車事故の慰謝料は【数万円~数千万円】など状況によって幅がある

自転車事故の慰謝料金額を左右するポイントは、
・慰謝料の種類
・損害の程度
・どの算定基準を使うのか
・過失の割合
・加害者の悪質性など

自転車事故の慰謝料は算定基準によってかなり金額が変わる

①自賠責基準(最低限の補償)
②任意保険基準(各保険会社が独自に設けている基準)
③裁判基準(裁判所が適切と考える「適切な基準」)

【①入通院慰謝料】入院・通院した場合の慰謝料の金額

・原則として、入院期間・通院期間によって金額が決まる
・自賠責基準による入通院慰謝料は、実通院日数×4,300円×2か、通院期間×4300円のどちらか低い金額が基本
・裁判基準(弁護士基準)の入通院慰謝料は、怪我の程度と、入院期間と通院期間の長さで決まる

【②後遺障害慰謝料】後遺障害が残った場合の慰謝料の金額

・重度の後遺障害が残っていれば高く、軽度になれば慰謝料額も低くなる
・自賠責基準による後遺障害慰謝料は、32万円(14級)〜1,850万(要介護1級)
・裁判基準(弁護士基準)の後遺障害慰謝料は、110万円(14級)〜2,800万(要介護1級)

5.【③死亡慰謝料】死亡した場合の慰謝料の金額

・自賠責基準による死亡慰謝料は、400万円〜1,350万円
・裁判基準(弁護士基準)の死亡慰謝料は、2,000万円〜2,800万円

任意保険会社から初回に提示される慰謝料は低いので注意しましょう。もしも「低い金額で納得できない」「こちらの過失を主張された」などで揉める場合には、弁護士に介入してもらって示談交渉を有利に進めていくことをおすすめします。