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肋骨

肋骨骨折(ろっこつこっせつ)

骨折としては最も頻度が多いですが、単純レントゲン写真では発見できないことも多く、精密な検査を要する骨折です。
なお、第1~3肋骨骨折の一部では腕神経叢損傷(わんしんけいそうそんしょう)や鎖骨下動脈損傷を、第8~11肋骨骨折の一部では肝損傷や脾臓・腎臓損傷、横隔膜損傷(おうかくまくそんしょう)を合併します。

(1)受傷機転

受傷部位に直接外力が加わる場合と、頭部と体幹の両方に外力が加わり、体幹に比べ頭部に加わる外力が大きい場合がありますが、比較的、直接の外力が加わった場合(肋骨部を強打した場合等)に起こることが多いです。

(2)症状

かがんだ時や起床時の疼痛や、骨折した箇所の圧痛、胸を圧したときや咳・深呼吸時などの疼痛誘発。

(3)検査方法

単純レントゲンは必須ですが、過半数の方がレントゲンだけでは分かりません。交通事故にあい、目立った外傷もないのにずっと胸部に痛みが続く場合には、胸部のCT撮影が有用です。

(4)治療・手術適応

1~2本の骨折は保存療法を取り、手術しないことが多いです。
3本以上の骨折では、まず臓器の損傷を疑い、整形外科的診療よりも内科的診療に気を配ります。

(5)残りうる後遺障害

骨折部が変形して癒合してしまい、皮膚の上からでも見た目にはっきりと分かることがあります。

第12級5号 鎖骨、頬骨、ろく骨、けんこう骨又は骨盤骨に著しい変形を残すもの。