膝
①大腿骨遠位部骨折
膝関節の上側を構成する骨の骨折です。
大腿骨顆上(だいたいこつかじょう)骨折、大腿骨顆部(だいたいこつかぶ)骨折があります。
(1)生じうる事故態様
転倒などで膝を打ち付けたり、ひねったりといった、直接強い外圧がかかった際に生じます。
(2)症状
骨折部の痛み、腫脹、可動域制限、異常可動、起立困難、歩行困難など。
(3)検査方法
レントゲン撮影。マルチスライスCTも有用。
(4)治療・手術適応
徒手整復が可能な場合は、保存療法を取ります。徒手整復が不可能な場合は手術適応となり、髄内釘(ネイル)固定術、プレート固定術、創外固定術などを行います。
(5)残りうる後遺障害
膝関節の可動域制限、痛み。
(6)ありうる後遺障害等級
第8級7号 | 1下肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの。 |
---|---|
第10級11号 | 1下肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの。 |
第12級7号 | 1下肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの。 |
②脛骨(けいこつ)近位端部骨折(プラトー骨折)
膝関節の下側を構成する骨の骨折です。脛骨プラトー骨折は、関節内骨折です。
(1)生じうる事故態様
膝関節に強く外側・内側にひねる力がかかった場合や、垂直方向への荷重がかかった場合に生じます。
(2)症状
膝関節の可動域制限、圧痛、腫脹、起立困難、歩行困難など。
(3)検査方法
レントゲン撮影。CT、MRI、マルチスライスCT撮影も有用です。
(4)治療・手術適応
原則として手術適応ですが、転位(ズレ)がなければ保存療法となります。骨欠損部には骨移植が必要になることもあります。
(5)残りうる後遺障害
膝関節の可動域制限など。
(6)ありうる後遺障害等級
第8級7号 | 1下肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの。 |
---|---|
第10級11号 | 1下肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの。 |
第12級7号 | 1下肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの。 |
③膝蓋骨骨折(しつがいこつこっせつ)
(1)生じうる事故態様
転倒で膝を打ち付けるなど、強い外圧が加わった場合に生じます。
(2)症状
骨折部の痛み。
(3)検査方法
レントゲン撮影。
(4)治療・手術適応
原則として保存療法。徒手整復が不可能な場合、手術適応になります。
(5)残りうる後遺障害
一般的な痛みの等級の可能性があります。