骨折の部位毎の
事故態様、症状、検査方法、治療について
解説します。
頚部の椎体(ついたい)の中央から前方に骨折するものです。
受傷部位に直接外力が加わる場合と、頭部と体幹の両方に外力が加わり、体幹に比べ頭部に加わる外力が大きい場合があります。車が大破するような事故、自動車と自転車との事故、自動車と歩行者との事故などの事故態様で発生します。
頭頚部痛、頭頚部の異常姿勢、頚部の運動制限・放散痛・麻痺、激痛により立っていられない。
単純レントゲンが有用。軽度のものは、理学所見の精査やMRI撮影により複合的に判断します。脊髄損傷の可能性や破裂骨折等との鑑別のために、CT撮影などの併用もありえます。
頚髄損傷や他組織の損傷が見られない場合には、保存療法(固定しつつ牽引等)をとることが多いです。頚髄損傷が認められる場合などは、手術適応となる場合があります。
第6級5号 | 脊柱に著しい変形又は運動障害を残すもの。 |
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第6級準用 | 頚部および腰部の両方の保持に困難があり、常に硬性補装具を要するもの。 |
第8級2号 | 脊柱に運動障害を残すもの。 |
第8級準用 | 頚部または腰部のいずれかの保持に困難があり、常に硬性補装具を要するもの。 |
第8級準用 | 脊柱に中程度の変形を残すもの。 |
第11級7号 | 脊柱に変形を残すもの。 |
椎体(ついたい)の骨折の一つで、圧迫骨折と椎体後方の骨皮質(こつひしつ)の骨折を合併し、骨片が後方に突き出すものです。
車が大破するような事故、自動車と自転車との事故、自動車と歩行者との事故などの椎体に直接外力が加わるような事故態様で発生します。
頭頚部痛、頭頚部の異常姿勢、頚部の運動制限、激痛のため立ったり座ったりしていられない。まれに、脊髄損傷による麻痺。
神経学的所見等の臨床所見、単純レントゲン、CT撮影は必須。MRI撮影、脊髄造影も有用な場合があります。
骨片が脊柱管内に入り込んでいる場合、手術適応となる場合が多いです。麻痺を伴うものは特に、緊急な手術が必要となる場合があります。
麻痺が残っている場合は、脊髄損傷としての後遺障害を考慮します。
第6級5号 | 脊柱に著しい変形又は運動障害を残すもの。 |
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第6級準用 | 頚部および腰部の両方の保持に困難があり、常に硬性補装具を要するもの。 |
第8級2号 | 脊柱に運動障害を残すもの。 |
第8級準用 | 頚部または腰部のいずれかの保持に困難があり、常に硬性補装具を要するもの。 |
第8級準用 | 脊柱に中程度の変形を残すもの。 |
第11級7号 | 脊柱に変形を残すもの。 |
椎間関節(ついかんかんせつ)が通常の位置から逸脱し、だるま落としのように下の椎体(ついたい)が後方にずれることをいいます。不全麻痺や完全麻痺を引き起こすことも多い一方、脱臼の自然整復が見られるケースもあります。後方靭帯の断裂を合併することが多いです。
破裂骨折との見分けに注意する必要があります。
車が大破するような事故、自動車と自転車との事故、自動車と歩行者との事故などの椎体に直接外力が加わるような事故態様で発生します。
頭頚部痛、頭頚部の異常姿勢、頚部の運動制限、激痛のため立ったり座ったりしていられない。脊髄損傷による麻痺もありえます。
単純レントゲン、CT撮影は必須。脊髄損傷が疑われる場合は、MRI撮影も必要です。3D-CT撮影が有用な場合もあります。
手術適応が基本です。脊髄損傷の恐れがなく、かつ、椎体の並びの乱れが少なく不安定性もさほどない場合には、保存療法が選択される場合もあります。
麻痺が残っている場合は、脊髄損傷としての後遺障害を考慮します。
第6級5号 | 脊柱に著しい変形又は運動障害を残すもの。 |
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第6級準用 | 頚部および腰部の両方の保持に困難があり、常に硬性補装具を要するもの。 |
第8級2号 | 脊柱に運動障害を残すもの。 |
第8級準用 | 頚部または腰部のいずれかの保持に困難があり、常に硬性補装具を要するもの。 |
第8級準用 | 脊柱に中程度の変形を残すもの。 |
第11級7号 | 脊柱に変形を残すもの。 |
横突起とは、首の骨の両側に伸びる突起であり、筋肉の動きを頚部に伝える働きをするものです。横突起の単独骨折は、ほとんど首の根元辺りで起きます。
車が大破するような事故、自動車と自転車との事故、自動車と歩行者との事故などの首に直接外力が加わるような事故態様で発生しますが、固い骨なので、相当強い衝撃が加わったり、当たりどころが悪かったりしなければ起きません。
胸に近い首の痛み、圧痛、胸や首を動かすときの痛み。
単純レントゲン。痛みが続く場合は、骨片の有無などを確認するために、3D-CT撮影が有用です。
単純骨折であれば保存療法が最善。まれに、骨片等が筋組織に影響している場合は、手術をすることもあります。
可能性があるのは、一般的な痛みの等級のみです。
棘突起とは、椎体(ついたい)の背中側に突き出した突起のことです。棘突起骨折は首の根元近くで起きやすいです。
横突起の単独骨折は、ほとんど首の根元辺りで起きます。
受傷部位に直接外力が加わる場合と、頭部と体幹の両方に外力が加わり、体幹に比べ頭部に加わる外力が大きい場合があります。自動車と自転車との事故、自動車と歩行者との事故などの事故態様で発生します。
また、ずっと首に力を入れている場合や、ゴルフのスイングをしたときのように瞬間的に首に力を入れた場合にも起こることがあります。
頚部痛、頚部の違和感が続く。
単純レントゲンが有用。2、3ヶ月経っても痛みが続く場合には、CT撮影も有意です。
棘突起骨折単独の場合には、保存療法(コルセット等の固定を続けての経過観察)が主となります。
ただし、棘突起骨折は脱臼骨折等と併発しうるため、強い痛みが長期間継続する場合には精密検査を必要とし、手術適応となる場合もあります。
可能性があるのは、一般的な痛みの等級のみです。
鎖骨の骨折には、大きく分けて鎖骨遠位端骨折(さこつえんいたんこっせつ・肩に近い側の骨折)・鎖骨骨幹部骨折(さこつこっかんぶこっせつ・鎖骨の真ん中あたりの骨折)・鎖骨近位端骨折(さこつきんいたんこっせつ・首に近い側の骨折)の3種類があります。
近位端骨折の起こる頻度は、他の2つのケースより少ないです。
事故時に肩を強打するなど、肩に直接的な外力が加わった場合や、地面に強く手をつくなどして肩に間接的に強い外力が加わった場合に起こります。
骨折部の腫れ・痛み。骨の変形が見た目に分かる。
レントゲン撮影。MRIやCT撮影をすることもあります。
遠位端骨折は、手術適応とされることが多いです。
骨幹部骨折・近位端骨折では保存療法が一般的で、整復操作をした後に固定をします。鋭利な骨片(骨のかけら)が皮膚を刺激している場合や神経障害・循環障害がある場合、骨のずれ(転位)が大きい場合には、手術適応となることがあります。
第10級10号 | 1上肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの。 |
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第12級5号 | 鎖骨,胸骨,ろく骨,けんこう骨,又は骨盤骨に著しい変形を残すもの。 |
第12級6号 | 1上肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの。 |
肩甲骨骨折は、他の部位に比較すると発生する確率が低いです。肩甲骨体部の横骨折か縦骨折、多くの筋腱の付着部である肩峰(けんぽう)と烏口突起(うこうとっき)の剥離骨折等があります。
事故時に肩や背部を強打した際に起こりやすいです。
骨折部の腫れ、痛み。場合によっては呼吸時の痛み。
レントゲン撮影。
骨折部の骨のずれ(転位)がない場合(安定型の骨折)は、保存療法が主となります。骨のずれが大きい場合(不安定型の骨折)には、手術適応となることがあります。
肩関節の可動域制限。
第10級10号 | 1上肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの。 |
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第12級6号 | 1上肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの。 |
交通事故で泣かないために
So as not to regret
死亡・重度傷害で納得の
いかない方へ
I'm not convinced