SALUT 弁護士法人サリュ

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解説

交通事故で
骨折してしまったら

骨折の部位毎の
事故態様、症状、検査方法、治療について
解説します。

① 骨折の分類

骨折は、原因、骨折部位、骨折の程度、エネルギーのかかり方、開放性、骨折線によって分類されます。

 骨折の原因

  • ア 外傷性骨折

    健康な骨には、柔軟性や弾力性があるため、ものを持ち上げる、走るなどの日常生活でかかる外力ぐらいでは、骨折することはありません。ですが、健康な骨であっても、交通事故の衝撃のような骨の許容限度を超える強い力が加わると、骨折してしまいます。

  • イ 脆弱性骨折

    骨粗しょう症という病気をご存じでしょうか。骨に小さな穴ができて骨自体の耐久性が下がってしまう病気です。他にも、骨軟化症、放射性骨炎、糖尿病などによる骨の耐久性低下が原因となり、日常生活でかかる力で骨折してしまいます。

  • ウ 疲労骨折

    スポーツや力仕事などで健康な骨に繰り返し力がかかると、骨自体が疲労して骨折することがあります。この場合、一度にかかる力は骨の許容限度内であるため、ポッキリと完全に折れてしまうことは少なく、亀裂が入るような骨折(不全骨折・亀裂骨折)となります。早期のものはX線検査で発見できず、MRI検査が必要になることが多いのも特徴の一つです。

  • エ 病的骨折

    骨肉腫などの疾病によって骨の健康が害されてしまうと、日常的にかかる力で骨折が生じてしまうことがあります。

骨折かどうかの判断は非常に難しいものがあります。ここで詳述はしませんが、骨折の態様だけでも相当な区分の仕方があり、また、お医者さんでも見落としがちな骨折の態様もあります(1本の肋骨骨折などはその典型例です)。
そのため、適切な時期に、適切な検査、画像の読影を行ってもらう必要があります。骨折の態様によっては、急性期(事故から長くても3か月以内)にしかはっきりと映らず、あとは癒合して判断不可能、ということもあります。痛みが続いているのに、原因不明となるのは納得がいきませんよね。また、検査の方法、画像の撮影方法にも種々のものがあり、骨折の態様に応じた検査を行ってもらう必要があります。例えば、股間節が前方に脱臼しているのに、正面からのレントゲンだけを撮影しても、判断できません。その場合には、お医者さんに自分の症状を正確に訴え、色んな可能性をしっかりと検討し、再診断をお願いしないと、泣き寝入りになってしまします。「画像に映らない」「検査結果がでない」と嘆く前に、やるべき検査を全部行ったのか、検討する必要があるのです。

 骨折部位

  • ア 骨幹部骨折

    骨の中央付近が折れる骨折です。

  • イ 骨端部骨折

    骨の両端が折れる骨折です。手足の骨では、体の中心に近い方(二の腕では肩側など)の端を近位端と呼び、遠い方(腕では手先側など)の端を遠位端と呼びます。

  • ウ 骨幹端部骨折

    骨幹部分と骨端部分の境目のことを骨幹端と呼び、ここが折れることを骨幹端部骨折といいます。

  • エ 骨頚部骨折

    骨頭部と骨幹部の間のくびれている部分の骨折です。
    関節のもう一方の骨からは少し離れていますが、関節内骨折にあたります。

  • オ 関節内骨折

    関節の2つの骨が接する部分に起きる骨折です。通常、関節の内部は、スムーズな運動ができるように骨の表面が滑らかですが、骨折による段差やひっかかりなどが残ったまま骨がくっついてしまうと、関節の動きが悪くなる、痛みが生じるなどの症状が残ることがあります。

 骨折の程度

  • ア 完全骨折

    骨が2つ以上に分かれてしまっているものを指します。一般的にはこの完全骨折を「骨折」と呼ぶことが多いようです。

  • イ 不完全骨折

    骨が部分的につながっているものを指します。亀裂骨折(いわゆる「ヒビ」)などが典型的な例です。

 エネルギーのかかった方向

  • ア 屈曲骨折

    骨を折り曲げようとする外力が加わった場合に生じる骨折です。

  • イ 圧迫骨折

    背骨(椎骨)に対して垂直に力がかかった場合に生じる、骨が潰れるような骨折です。」

  • ウ せん断骨折

    骨に対して横に滑るような力がかかった場合に生じる骨折をいいます。

  • エ 捻転骨折(ねじり骨折)

    骨に対してひねるような力がかかった場合に生じる骨折をいいます。

 開放性

  • ア 開放骨折(複雑骨折)

    折れた骨が皮膚の外側に出ているものを開放骨折と呼びます。開放骨折では感染症のリスクが高く、治療が複雑になるため、「複雑骨折」と呼ばれることもありますが、骨が複雑に折れている(いわゆる複合骨折)と誤解されることも多いため、開放骨折が正式な呼び方となっています。開放骨折では骨折の治療だけではなく、感染症の予防治療も平行して行われます。

  • イ 皮下(閉鎖)骨折

    折れた骨が体外に出ていないものを皮下(閉鎖)骨折と呼びます。「複雑骨折」と対比させて「単純骨折」とも呼ばれます。感染症のリスクが低いため、骨折の治療がメインとなります。

 骨折線

  • ア 斜骨折

    骨折線が30度以上斜めとなっている骨折のことをいいます。

  • イ 横骨折

    骨折線が骨に対してほぼ直角となっている骨折をいいます。

  • ウ 螺旋骨折

    骨折線がらせんのようにねじれている骨折をいいます。

  • エ 複合骨折(重複骨折)

    もとは一つの骨が2つ以上の骨片に割れてしまっているものをいいます。この中でも、特に細かくバラバラに骨折している場合は粉砕骨折と呼ばれています。粉砕骨折は「複雑骨折」と混同されることが多いです。

② 治療方法

 皮下(閉鎖)骨折のとき

  • ア 骨折部のずれ(転位)がある場合

    骨折部がずれてしまうことを「転位」といいます。ずれたまま骨折部がくっついてしまうと、骨が変形したまま固定してしまうことになります。これを防ぐため、手や器械による方法(徒手整復・牽引療法)や手術などによって、骨を正しい位置に戻します。

  • イ 骨折部にずれ(転位)がない場合

    そのまま固定して骨がくっつくまで安静にします。

 開放骨折のとき

開放骨折の場合は、骨や皮下組織が外部にさらされてしまうため、感染症の予防が最重要になります。傷口に対しては洗浄と消毒を入念に行い、既に感染症により挫滅・壊死している組織は、手術によって排除します。これと併せて、抗生物質の集中投与が行われることもあります。
感染症が生じたときや、骨折部の整復がうまくいかなかったときは、骨がくっつくのに時間がかかり、最悪の場合、骨がきちんとくっつかないこともあります。

骨折の応急措置と聞くと、よく「木の枝等で固定する」という話が出てきますが、これは正しいお話なのでしょうか。実は、半分正解、半分不正解、というところです。
もちろん、骨折した骨をそのまま放置していたら変なくっつき方をしてしまうため、固定すべきであることは確かです。しかし、骨折箇所によっては、骨の固定よりも先にやるべきことがある場面があります。
骨盤部や大腿骨の骨折のご説明をご覧いただければその理由がわかると思いますが、骨折の態様によっては動脈・静脈が切れてしまい、皮下内で大量出血が起こることがあります。そうすると、「変なくっつきかたをするから」といって無理やり足を持ち上げ、固定している間に大変なことになってしまいます。この場合はまず止血から入ることになるでしょう。ただし、止血の方法はとても難しいので、いざそのような場面に遭遇してしまったら、医療に詳しい方に見てもらうか、病院に電話して指示を仰ぎ、適切な止血を行う必要があります。
余談ですが、通常、「動脈が切れたら危ない」と言われていますが、実は止血が比較的容易なのは動脈のほうなのです。「静脈だから大丈夫」ではないのですね。
 

③ 骨折した場合に残る後遺障害

骨折した部位や骨折の仕方などによって、残りうる後遺障害は様々ですが、以下の後遺障害は、全ての骨折に共通して残る可能性のあるものです。

 骨折部に痛みが残った場合

骨折後、骨がくっついた後でも、しつこく痛みが残ることがあります。特に、骨が滑らかについていない場合(骨癒合が不良である場合)や関節内を骨折した場合に、痛みが残りやすくなります。ありうる後遺障害等級は、以下の2つです。

第12級13号 局部に頑固な神経症状を残すもの。
第14級9号 局部に神経症状を残すもの。
「骨折したから痛い」のは当たり前ですが、では、骨は痛みを感じるのでしょうか。
実は、これは骨折の後遺障害等級に大きくかかわる話なのですが、あまり着目されていないお話です。現在の日本の医学界には、骨自体に痛みを感じる受容器があるのではなく、骨を覆う「骨膜」という部分に痛みを感じる受容器があるのではないかという見解があり、多数のお医者さんが主張しています。
これを前提とすると、骨折して、その時は骨膜が破れて痛いけれど、骨癒合が良好であり、骨膜も整復されていけば、痛みは感じなくなるという結論になります。
他方、骨癒合が良好でなければ、ガタガタの骨に骨膜があたることになりますから、痛みを感じるのは当然ということになります。骨折後の痛みの後遺障害等級の獲得には骨癒合の程度が大きくかかわることは良く知られていますが、実はこのような理由に裏打ちされた話なのです。

 骨折部に裂傷や擦過傷がある場合

骨折した際に、骨折箇所の周辺の皮膚に、裂傷や擦過傷を伴うことはよくあります。また、骨折部の整復手術が必要な場合にも、手術痕が残ります。これらの傷が痕になって残った場合、傷跡の大きさと部位によっては、後遺障害として認められることがあります。ありうる後遺障害等級は、以下の5つです。

第7級12号 外貌に著しい醜状を残すもの。
第9級16号 外貌に相当程度の醜状を残すもの。
第12級14号 外貌に醜状を残すもの。
第14級4号 上肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの。
第14級5号 下肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの。

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